サプライチェーンの中断
中東・東アジア等の政情変化やウクライナ紛争の長期化により原油調達が影響を受けるほか、製油所の操業停止や給油所運営の中断が生じる可能性がある。2026年2月28日の米国・イスラエルによるイランへの大規模攻撃に端を発したホルムズ海峡の実質的封鎖により、原油の代替調達や石油製品輸入に伴う追加コストが既に発生している。社長を本部長とする危機対策本部を設置し、代替調達体制の整備や運送体制強化等の対策を実施・継続している。
原料・資材価格の変動
原油価格は産油国の生産方針・地政学リスク・為替変動等の多様な要因で変動し、総平均法による在庫評価の特性上、原油価格下落局面では売上原価が押し上げられ経営成績に影響を及ぼす。国際市況と国内販売価格のギャップ・タイムラグも収益性に影響し、2027年3月期の感応度として原油価格±1ドル/バレル・為替±1円/ドルの影響額を開示している。デリバティブ取引によるヘッジやパートナーとの提携・在庫適正化等でリスク低減に取り組んでいる。
脱炭素化による石油需要減少
少子高齢化・人口減少・自動車ハイブリッド化等の構造的要因に加え、エネルギートランジションの進行により燃料油の国内需要は減少傾向が継続すると想定されており、GX-ETS・炭素賦課金等によるコスト増も収益性を圧迫する可能性がある。需要減少が想定外のスピードで進行した場合、当社グループの事業資産が座礁化するリスクがある。国産SAFの大規模生産・グリーン電力販売拡大・蓄電事業・水素事業等の新規取組を推進し、需要構造変化への対応を図っている。
環境規制強化による投資影響
エネルギー政策や規制変更により気候変動対策が急激に強化された場合、ポートフォリオ転換・戦略投資の判断に影響を及ぼす可能性がある。風力発電事業では開発段階での許認可取得・環境アセスメント等に先行投資が必要であり、事業化断念時には投資額が回収できないリスクがある。また資材・建設費の高騰や競争激化による収益性低下も懸念され、フィージビリティスタディ等によりリスク低減に取り組んでいる。
カーボンニュートラル燃料対応遅れ
カーボンニュートラル燃料は脱炭素社会実現への期待が大きい一方、生産効率・コスト面での課題があり普及に向けた技術開発が必要な状況にある。技術開発の失敗等によりカーボンニュートラル燃料を扱えない場合、脱炭素社会において製品供給が困難となり経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。当社グループでは日本初の国産SAF大規模生産を含む様々な技術開発・検討を推進しリスク低減に取り組んでいる。
自然災害による設備被害
地震・津波等の大規模自然災害により製油所等の設備が壊滅的な被害を受け、早期復旧が困難となり巨額の損失を被る可能性がある。2025年10月に南海トラフ巨大地震を想定した3社合同BCP訓練、2025年11月に首都直下地震を想定した臨時危機対策本部設置訓練を実施し、BCPの実効性と課題を確認した。非常用電源設置・耐震改修・BCPマニュアル整備等の対策を継続的に推進している。
情報セキュリティリスク
サイバー攻撃によるランサムウェア被害・業務停止・秘密情報漏洩等のリスクは近年高まっており、顧客情報の流出はブランドイメージ低下や顧客信頼喪失を招き経営成績に影響を及ぼす可能性がある。個人情報を含む機密情報の管理については社内体制・規程を整備し、外部委託先への監督管理も実施している。ランサムウェア対応手順の整備・ウイルス対策強化・個人情報保護対策の強化等を継続的に実施している。
生産設備の事故・故障
設備の老朽化や人為的ミスを原因とする事故・労働災害により、製油所・物流基地・油槽所・給油所・タンカー等の操業が停止し、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。堺製油所のA認定(認定高度保安実施者制度)取得に加え、APMの導入範囲拡大・デジタルツイン構築・DX強化によりトラブル低減と稼働率向上を目指している。OMS(操業マネジメントシステム)の仕組み強化により事故の未然防止に取り組んでいる。
人材確保・育成の困難化
労働人口減少の中で有能な人材確保をめぐる競争が激化しており、経営戦略推進に必要な多様性・専門性を持った人材の確保・育成ができない場合、事業・業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。処遇制度の見直し・自律的キャリア形成強化・人材育成投資強化・女性およびキャリア採用強化等の施策を実施している。自己啓発制度の拡充・経営人材育成・採用手法の多様化等を通じてリスク低減に取り組んでいる。
内部統制不備による不正行為
内部統制システムが有効に機能せず、コンプライアンス違反・不正行為・知的財産の社外漏洩等が発生した場合、行政指導・刑事罰を受けるほかステークホルダーからの信頼を失い経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。グループ全社員を対象とした企業倫理・人権研修の継続実施、CSA(内部統制自己評価)の実施、グループガバナンス強化、知的財産管理強化等を推進している。内部通報制度の周知・教育強化も継続的に実施している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

