事業内容
コスモエネルギーホールディングスは、石油事業・石油化学事業・石油開発事業・再生可能エネルギー事業を中核とする総合エネルギーグループの持株会社。子会社47社・関連会社32社を擁し、UAEでの自主原油開発から国内製油所での精製、系列サービスステーションを通じた一般消費者向け販売まで垂直統合型のバリューチェーンを構築する。
主要顧客は国内石油製品需要家(個人・法人)のほか、キグナス石油㈱(販売実績の12.4%)等の大口取引先。再生可能エネルギー事業では風力発電を中心に成長領域を拡充しており、「Oil & New」を掲げて脱炭素社会への移行に対応した事業ポートフォリオ変革を推進している。
ビジネスモデル
売上高の約86%を占める石油事業が収益基盤を担い、原油輸入・精製・販売の一貫オペレーションで規模の経済を発揮する。一方、石油開発事業はセグメント利益65,274百万円(2026年3月期)と高い利益率を誇り、UAEの自主原油がグループ全体の収益を下支えする。
再生可能エネルギー事業は設備投資を積み上げながら安定的な電力販売収益を積み上げる成長モデルで、石油事業の安定キャッシュフローが投資原資を供給する構造となっている。
企業の強み
1967年の利権協定締結以来50年超の歴史を持つアブダビ石油㈱を中核に、ムバラス・ウム・アル・アンバー等の既存油田を安定稼働させる。2026年3月期のセグメント利益は65,274百万円と石油事業(76,262百万円)に匹敵する高収益を計上。
資本的支出29,251百万円を投じた積極的な油田開発投資が収益基盤を強化している。
原油調達・精製・貯蔵・輸送・販売を一貫して自社グループ内で完結させる垂直統合モデルを構築。カーライフスクエアアプリの累計900万DL超の顧客基盤を活用したマーケティングサイエンスによる燃料油販売高度化を実現。
キグナス石油㈱への燃料油供給(331,890百万円)によるショートポジション確立で製油所の安定高稼働を維持している。
第7次中期経営計画において株主還元・財務健全性・資本効率を三位一体で実行。2026年3月期は1株当たり165円の配当に加え取得総額250億円の自己株式取得を実施し、総還元性向61%を達成。
自己資本比率は27.6%に改善し、インタレスト・カバレッジ・レシオは43.0倍と財務安全性も高水準を維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2026年3月期2,677,582百万円(前期比△4.4%)と減収。外部要因として原油価格(ドバイ原油)が期中下落基調で推移したことが主因。
一方、営業利益は144,790百万円(同+12.9%)と改善。前期に計上した事業構造改善費用16,860百万円の消滅が寄与した。
親会社株主帰属純利益は74,023百万円(同+28.4%)と回復。5期推移では2022年3月期の235,303百万円をピークに営業利益は低下傾向にあるが、2026年3月期は底打ち感が出た。
2027年3月期は中東情勢緊迫化(ホルムズ海峡封鎖)を前提に原油価格89ドル/bbl・為替155円/ドルを想定し、営業利益102,000百万円・純利益44,000百万円と再び大幅減益を予想している。
成長戦略
「Oil & New」で石油収益力維持と再エネ・SAF等New領域の拡充を両立
APM(Asset Performance Management)導入拡大・デジタルツイン構築によるDX強化で製油所稼働率を改善。キグナス石油へのショートポジション供給で製油所の安定高稼働を維持。在庫評価除き実力ベース利益92,800百万円を確保。
丸善石油化学第3エチレン製造装置の稼働停止と京葉エチレン第4装置への生産集約を2025年3月に決定。耐用年数見直しにより翌期減価償却費3,556百万円減少見込み。2027年3月期にセグメント利益10億円(黒字転換)を予想。
新規陸上風力サイトの運転開始により2026年3月期売上高16,138百万円・セグメント利益2,751百万円を達成。資本的支出12,294百万円を継続投下。2030年目標(陸上約900MW・陸洋合計1,500MW超)に向けて設備基盤を構築中。
国内初の大規模SAF生産開始等、脱炭素対応の新燃料領域へ展開。石油精製インフラを活用した高付加価値製品への転換を図り、エネルギー転換期における収益源の多様化を推進する。
第7次中期経営計画において3ヶ年平均PBR1倍水準を達成。2026年3月期は自己株式取得29,695百万円、配当26,751百万円を実施。2027年3月期も年間配当165円(配当性向59.6%)を維持予定。
最終更新: 2026年7月19日

