気候変動リスク
移行リスク(コスト上昇・市場変化)および物理的リスク(サプライチェーン途絶)を重要度・発生確率ともに高いと認識している。気候変動対応のための設備投資や事業再編が必要となる可能性があり、業績および財政状態に影響を及ぼし得る。一方で気候変動を機会とも捉え、サステナビリティ課題への積極対応を通じた企業価値向上を目指している。
海外市場リスク
当社グループの海外売上高は2025年2月期14,479百万円(売上高比42.1%)に達し、中国・東南アジアを中心に事業を展開している。景気変動・通貨価値の変動・政治情勢の変化・災害・疫病・法規制の変化等が業績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。中国、タイ、インドネシア、米国、インドに現地法人を設置しており、地政学リスクへの分散は限定的である。
生産拠点集中リスク
特殊潤滑油部門では高温用潤滑油製造設備を赤穂工場に、ハードディスク表面潤滑剤製造設備を本社・研究センターに集中保有しており、素材部門の流動パラフィン・スルホネートは千葉工場のみで生産している。重大なトラブルによる長期稼働停止が発生した場合、在庫量は約1.0ヵ月分にとどまるため製品供給が一時停止するリスクがある。BCPの策定・定期的な設備保守点検・防災訓練を実施してリスク軽減を図っている。
廃硫酸処理依存リスク
素材部門では廃硫酸処理を隣接する外部企業にパイプライン直結で委託するクローズドシステムを構築しているが、当該他社工場の移転・縮小等の設備変更が生じた場合、素材部門の生産能力に直接影響を及ぼす可能性がある。流動パラフィンおよびスルホネートの生産は千葉工場に一元化されており、代替手段が限られる構造的脆弱性を抱えている。グローバルレベルでの原料調達先確保・使用原料の多様化により対処を図っている。
原料価格変動リスク
主要原料は潤滑油・石油化学製品・化成品等であり、原油価格・ナフサ価格の変動の影響を直接受ける。国内外の需給動向に加え、災害・事故による供給停止や供給者側の事業統廃合により原料入手に支障をきたす可能性がある。特殊潤滑油の主要販売先との間で原油・ナフサ価格連動の製品価格改定を実施するとともに、コスト削減・高付加価値製品への転換を推進しているが、転嫁が不十分な場合は業績に影響を及ぼす。
製品品質・賠償リスク
ISO9001認証取得を含む社内品質保証体制を整備しているが、予期せぬ品質不良が発生した場合、補償費用の発生・顧客喪失・訴訟リスクが生じる可能性がある。製造物賠償責任保険に加入しているものの、最終的な賠償額を全額カバーできる保証はなく、業績および財政状態に影響を及ぼし得る。品質問題による信頼失墜は顧客基盤の毀損にも直結するため、継続的な品質管理体制の強化が求められる。
研究開発投資回収リスク
第10次中期経営計画(2024年度開始)において、事業部横断の開発体制「プロジェクトMOLGADC」を推進し、産官学連携を含む研究開発に多くの経営資源を投入している。研究開発部門と営業部門が連携して市場ニーズの把握と研究成果の早期結実に努めているが、投資に見合った収益が得られなかった場合には業績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。新製品開発の成否が中長期的な収益性向上の鍵を握る構造となっている。
特許・知的財産リスク
製造方法特許や特殊潤滑油の配合ノウハウ漏洩リスクを考慮し、一部技術については意図的に特許出願を控える方針をとっている。この結果、他社が同一事項の特許を出願・取得した場合、当社の事業活動が制約される可能性がある。対応策として社内での実施記録を保存し「先使用権による通常実施権」の主張ができる体制を整備しているが、権利紛争が生じた場合のコスト・事業影響は排除できない。
情報セキュリティリスク
サイバー攻撃・不正アクセス・コンピュータウイルス感染等による情報流出リスクが高まる中、情報セキュリティポリシーの整備・セキュリティ対策製品の導入・役員従業員向け教育を実施している。しかし不測の事態により情報流出が発生した場合、社会的信用の低下等を通じて業績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。近年の脅威の高度化を踏まえると、継続的な対策強化が不可欠な領域である。
棚卸・固定資産評価リスク
市場環境の急激な変化等による収益性低下が生じた場合、棚卸資産評価損の計上が必要となる可能性がある。また経営環境の著しい悪化・市場価格の下落等により、保有固定資産について減損損失を計上する場合には、業績および財政状態に重大な影響を及ぼし得る。いずれも会計基準に基づく適用であり、外部環境の悪化が直接的に財務数値に反映されるリスクを内包している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月28日

