JX金属株式会社
5016・東証プライム・非鉄金属
JX金属株式会社
5016・東証プライム・非鉄金属
事業内容
JX金属は、半導体用スパッタリングターゲットや圧延銅箔を主力製品とし、銅・レアメタルの資源開発から製錬・リサイクル、先端材料の製造・販売までを一気通貫で手掛ける非鉄金属系先端材料メーカーである。フォーカス事業(半導体材料・情報通信材料)を成長戦略のコアに位置づけ、ベース事業(基礎材料)がサプライチェーンを支える構造を持つ。
主要顧客は大手半導体メーカー、スマートフォン・AIサーバメーカー等であり、米国・台湾・韓国・欧州・東南アジアにグローバル生産・販売拠点を展開する。2025年3月に東京証券取引所プライム市場に上場し、創業120周年を迎えた。
ビジネスモデル
銅・レアメタルの資源権益(チリ銅鉱山等)と世界有数の製錬能力を持つベース事業が原料を安定供給し、フォーカス事業が高純度化・組成制御等のコア技術で半導体用スパッタリングターゲットや圧延銅箔等の高付加価値製品を製造・販売する。半導体製造装置メーカーへの標準材料指定や、エンドユーザーへの材料指定獲得により安定受注を確保し、技術差別化による高収益を実現する。
企業の強み
銅・タンタル・チタン・コバルト・タングステン等の多品種でグローバル市場トップクラスの地位を確立。9N(99.9999999%)銅の製造を実現する高純度化技術、組成・組織制御技術、表面制御技術、分析評価技術を複合的に保有し、大手半導体製造装置メーカーから標準材料として指定されている実績を有する。
世界的な半導体生産地である米国・台湾・韓国に機械加工拠点と技術サービス拠点を設置し、一定在庫を保有することで安定かつ迅速な製品供給体制を構築。2024年11月に米国アリゾナ州メサ新工場が竣工し、2026年3月26日にはひたちなか工場を開業。
2028年3月期に2024年3月期対比約1.6倍の生産能力達成を目指す設備投資を実行中である。
チリのカセロネス・ロス・ペランブレス・エスコンディーダ銅鉱山の権益を保有し、佐賀関製錬所(世界有数の生産能力)を中核とする製錬体制を持つ。タンタルはブラジルMibra鉱山からTANIOBIS GmbHを経て東京電解・薄膜材料事業部まで一気通貫で供給する体制を確立。
三菱商事との合弁JXCSによるリサイクル原料集荷体制も整備している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の連結売上高は884,638百万円(前期714,940百万円、+23.7%)、営業利益174,967百万円(前期112,484百万円、+55.5%)、親会社帰属当期利益104,645百万円(前期68,271百万円、+53.3%)。外部要因として銅LME価格が期平均491セント/ポンド(前期比+66セント)に上昇し基礎材料セグメントの営業利益が139,465百万円(前期74,517百万円)へ急拡大。
持分法投資利益もMLCCの繰延税金資産計上等で114,491百万円(前期60,959百万円)に倍増。自社要因としてはAI需要拡大を背景にスパッタリングターゲット・圧延銅箔・チタン銅の増販が寄与。
円高(期平均151円、前期比2円高)は減収要因となったが増益を相殺するには至らなかった。2027年3月期は売上高930,000百万円(+5.1%)、営業利益190,000百万円(+8.6%)を予想(前提:銅520セント/ポンド、150円/ドル)。
成長戦略
フォーカス事業の技術差別化とグローバル生産体制拡張でAI・半導体需要を取り込む
ひたちなか工場(2026年3月26日開業)と米国アリゾナ州メサ新工場(2024年11月竣工)を軸に、先端ロジック・HBM向け供給力を強化。CVD・ALD材料の本格供給開始による次世代製品ラインアップ拡充も推進。
AIサーバ向けチタン銅の採用拡大と圧延銅箔の増販に加え、収益性向上・生産性改善を目的とした収益構造改革を継続。タツタ電線の連結子会社化効果を取り込みながら利益率改善を図る。
2026年2月25日に株式交換契約を締結し、東邦チタニウムを完全子会社化(株式交換比率:東邦チタニウム1株につき当社0.70株)。先端半導体・航空宇宙向けチタン材料の内製化によりフォーカス事業の製品ラインアップを拡充する。
保有していたMLCC株式5%およびフロンテラプロジェクト権益をLundin社へ総額34,109百万円で譲渡(2026年4月7日完了)。売却後もMLCC持分25%を保有し持分法適用を継続。資本効率を意識したベース事業の強靭化を推進。
最大57,300,022株・上限250,000百万円の自己株式公開買付け(2026年5月21日~6月17日)を実施。資金調達手段として2029年・2031年満期ユーロ円建転換社債(各1,250億円)を発行。株主還元方針を配当性向25%・下限20円/株に変更し、総還元性向を重視した資本政策へ転換。
最終更新: 2026年7月19日

