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日本農薬株式会社

4997東証プライム化学

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日本農薬株式会社4997

事業内容

日本農薬株式会社は1928年創業の国内最古参の農薬総合メーカーで、殺虫剤・殺菌剤・除草剤等の農薬事業を中核に、医薬品・木材薬品等の化学品事業、造園緑化・残留農薬分析等の周辺サービスを展開する。連結子会社15社・関連会社6社を含む26社体制で、米国・欧州・インド・ブラジル・東南アジア等にグローバル販売網を構築。

主要顧客は国内特約店・JA・全農・農薬メーカー等で、海外では現地子会社を通じた直販体制を整備。2026年3月期の売上高は111,822百万円と過去最高を更新した。

親会社は株式会社ADEKAで、ライフサイエンス分野での資本業務提携によるシナジー創出を推進している。

ビジネスモデル

自社研究所(大阪府河内長野市総合研究所)で新規有効成分を創出し、国内工場(鹿島・佐賀・福島)で製造した農薬原体・製剤を、国内は特約店・JA・全農網、海外は現地子会社(北米・欧州・インド・ブラジル等)の直販体制を通じて販売する。研究開発費は年間7,816百万円を投じ、自社原体のグローバル登録拡大と重点品目の拡販により収益を最大化する構造。

持分法適用関連会社(Sipcam Europe等)からの投資利益も収益に貢献する。

企業の強み

ベンズピリモキサン・ピリフルキナゾン・フルベンジアミド・ピラフルフェンエチル等の自社開発有効成分を複数保有し、国内外で登録拡大を継続。新規有効成分シベンゾキサスルフィルは2025年11月に日本・韓国で登録申請を完了し、次世代収益源として開発が進む。

研究開発費は年間7,816百万円を継続投入している。

Nichino America, Inc.は殺虫剤ブプロフェジン・フェンピロキシメートおよびカナダ向け除草剤ピラフルフェンエチルの販売増加により過去最高売上高を達成。Nichino Europe Co., Ltd.はInteragro(UK)Ltd.の経営統合により英国・アイルランドの直販体制を本格化し、同社も過去最高売上高を更新した。

2026年3月期末の自己資本比率は54.9%(前期比4.1ポイント改善)、純資産合計は87,093百万円。長期借入金・短期借入金の返済を進め負債合計は67,869百万円に圧縮。現金及び現金同等物は18,843百万円を確保し、研究開発・設備投資への継続的な資金投入を自己資金で賄える財務体力を有する。

エンヴァリスの着眼点

2025年3月期は減損損失2,328百万円・環境対策費1,984百万円等の特別損失4,672百万円が純利益を大きく圧迫し、親会社株主帰属純利益は2,356百万円にとどまった。2026年3月期は特別損失が1,250百万円(和解金1,072百万円含む)へ大幅縮小し、営業利益の増加と相まって純利益は7,228百万円(前期比206.8%増)へ急回復。

外部要因として北米の高温・乾燥による病害虫多発と欧州の天候回復が需要を押し上げた点は留意が必要だが、自社品の技術普及活動が販売シェア拡大に寄与した実績は評価できる。

Sipcam Nichino Brasil S.A.は農産物相場低迷・ジェネリック攻勢・低温多雨による病害虫少発生が重なり売上高が前期比減少。加えて、ブラジル子会社に関連する強盗事件の和解金1,072百万円を特別損失に計上した。

中南米は自社開発品の販売構成比向上による利益性改善が課題として継続しており、外部要因(農産物相場・気候)への依存度が高い地域リスクが残存している点は引き続き注視が必要。

2027年3月期会社予想は売上高116,000百万円(前期比3.7%増)、営業利益11,500百万円(同5.7%増)、純利益7,400百万円(同2.4%増)と穏健な増収増益を見込む。ただし、米国通商政策を背景とした先行き不透明感、ジェネリック農薬の価格下落圧力、インド子会社の再建途上、為替変動(デリバティブ評価損2,334百万円を2026年3月期に計上)など複数の下振れリスクが存在する。

配当性向は39.0%(2026年3月期)と適正水準にあり、2027年3月期は年間38円(前期比2円増)を予想している。

成長戦略

中計GGSに基づく自社開発品のグローバル展開加速と新規収益源の創出

自社開発の新規有効成分シベンゾキサスルフィルについて、日本および韓国における登録申請を2026年3月期中に完了。承認取得後の上市により、自社開発品ポートフォリオの拡充と高利益率製品の売上貢献が期待される。

Nichino America, Inc.は果樹・ナッツ類での技術普及活動が奏功し過去最高売上高を達成。Nichino Europe Co., Ltd.はInteragro (UK) Ltd.統合による英国・アイルランド直販本格化で過去最高売上高。2027年3月期はメキシコ直販体制強化も加速する。

BASFジャパンの果樹分野向け製品の国内独占販売を2026年3月期より開始。コルテバ・アグリサイエンス日本の製品拡販とあわせ、自社開発品以外の収益源を国内で拡充し、農薬市場成熟化・競争激化への対応力を高める。

西アジアでの多雨による散布機会逸失等で苦戦が続くインド子会社について、2027年3月期に再建策を実行し販売回復と収益性向上に取り組む。同業者向け販売は2026年3月期に増加に転じており、再建の端緒が見られる。

理化学研究所環境資源科学研究センターとのオープンイノベーションによる特許出願、農研機構発ベンチャー(株式会社農研植物病院)への出資を通じ、バイオ農薬・植物病害診断等の新領域での収益源創出を目指す。

最終更新: 2026年7月19日