事業内容
北興化学工業は1950年設立の農薬・ファインケミカル専業メーカー。農薬事業では水稲用・園芸用農薬の製造販売を国内外で展開し、全農(全国農業協同組合連合会)を主要顧客とする。
ファインケミカル事業では半導体封止剤用硬化促進剤・フォトレジスト用モノマー原料などの電子材料原料、医農薬中間体、樹脂添加剤を製造販売し、信越化学工業など大手化学メーカーを顧客に持つ。連結子会社5社(国内4社・中国1社)と非連結子会社1社(米国)を含むグループで構成され、東京証券取引所スタンダード市場に上場。
2025年11月期の連結売上高は49,125百万円。
ビジネスモデル
農薬事業は自社工場(北海道・新潟・岡山)での製造を基盤に、全農との長期売買基本契約を通じた安定的な国内販売と、自社原体イプフェンカルバゾンの海外登録拡大による輸出拡大で収益を得る。ファインケミカル事業は電子材料・医農薬・樹脂の3分野で受託製造・独自製品販売を行い、22.5%の高営業利益率を実現。
農薬事業の生産拠点集約により岡山工場をファインケミカル専用化し、両事業の収益基盤を同時に強化する構造を持つ。
企業の強み
2025年11月期のファインケミカル事業の営業利益は4,004百万円、営業利益率は22.5%。電子材料原料(半導体封止剤用硬化促進剤・フォトレジスト用モノマー原料)や医農薬中間体など高付加価値製品に特化し、生成AI普及を背景とした半導体市場の成長を取り込んでいる。
全国農業協同組合連合会(全農)との農薬売買基本契約は2004年から継続し、2025年11月期の全農向け販売額は20,652百万円(売上高比42.0%)。年度ごとに価格契約を締結する仕組みにより、農薬事業の売上の安定性が高い。
自社原体イプフェンカルバゾンは2025年度末時点で8ヵ国に登録済み。高拡散性粒剤「楽粒®」に続き、ドローン散布対応の新製剤「快粒」(「ダブルキック快粒」「ガードマン快粒」)の登録を2025年に取得。研究開発費は2025年11月期1,696百万円を投じ、独自製品の継続的な創出を実現している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は40,287百万円(2021期)から49,125百万円(2025期)へ着実に拡大。2026年11月期中間期は売上高32,849百万円(前年同期比+7.1%)、営業利益4,184百万円(同+14.4%)、経常利益4,657百万円(同+17.6%)、親会社株主帰属中間純利益3,380百万円(同+20.7%)と全利益段階で増益を達成。
農薬事業が国内外の販売好調と利益率向上で牽引した一方、ファインケミカル事業は医農薬・電子材料分野の需要変動で減収減益。通期予想(売上高52,000百万円、営業利益5,200百万円)に対する修正はなく、業績予想は据え置かれている。
成長戦略
農薬・ファインケミカル両輪の成長投資で2029年度売上高55,000百万円を目指す
自社原体イプフェンカルバゾンの登録国拡大(2025年度末8ヵ国)とインド・ブラジルを中心とした海外販売の拡大を推進。国内では高拡散性粒剤「楽粒®」の品目拡充・普及拡大により付加価値向上を図る。
2026年11月期中間期に海外販売が前倒し受注を含め増加し、農薬事業全体で前年同期比+12.0%の増収を達成。
電子材料分野の生産能力増強を目的としたKrFレジスト用原料専用工場を建設中。生成AI普及を背景とした半導体市場の成長(外部要因)を取り込む体制を整備する。2026年11月期中間期は電子材料分野で取引先の在庫調整の影響を受けたが、専用工場竣工後の受注拡大が期待される。
2030年度を目途に北海道工場・新潟工場への生産拠点集約を推進し、製造コストの低減と生産効率の向上を図る。2026年11月期中間期の有形固定資産取得による支出は2,502百万円と前年同期(2,058百万円)から増加しており、成長投資が着実に進捗している。
2026年11月期の年間配当予想を54円(前期比8円増)に設定し増配を継続。加えて2026年7月10日の取締役会で上限1,200,000株・取得価格総額20億円の自己株式取得を決議(取得期間2026年7月13日~2027年7月12日)。資本効率の向上と株主還元の充実を同時に図る方針。
最終更新: 2026年7月17日

