事業内容
日本高純度化学株式会社(JPC)は1971年創業、東証プライム上場の貴金属めっき薬品専業メーカーです。プリント基板・半導体パッケージ基板、コネクター、リードフレームの接点・接続部位に使用される金・銀・パラジウムめっき薬品の開発・製造・販売を行います。
主要顧客はイビデン株式会社(売上高の29.9%)をはじめとする電子部品メーカー・総合電機メーカーで、韓国・台湾・中国・シンガポール等に販売代理店を置き、海外売上高比率は51.9%に達します。社員約60名のうち約8割が理系出身の技術者で構成される少数精鋭の研究開発型企業です。
ビジネスモデル
大型製造設備を持たない「ファブライト経営」を採用し、原材料を外部調達してフォーミュレーション(秤量・調合)工程に特化することで固定資産投資を抑制します。付加価値の源泉は技術者集団が長年蓄積した独自の有機化合物技術「Protecting Agent」を含む製品レシピ(知的財産)であり、省貴金属性能・短納期・トータルプロセス提案を組み合わせた顧客密着型ソリューションで差別化を図ります。
売上原価率は約89%と高いものの、貴金属の仕入・販売を当日建値連動とすることで価格変動リスクを抑制しています。
企業の強み
1971年の創業以来、海外技術導入に頼らない自社独自の開発体制で技術を集積。FC-BGA用無電解金めっき薬品のシアンフリー化を業界に先駆けて達成するなど、独自の有機化合物技術「Protecting Agent」を核とした製品レシピが競合他社が短期間で模倣困難な知的財産として機能しています。
当社めっき薬品は「限りなく薄く・ムラなく・確実に皮膜形成」を実現する省貴金属性能を共通特長とし、顧客の貴金属消費量節減とライン全体の低コスト化に貢献します。この優位性がコネクター用でのスマートフォン向け堅調推移(2026年3月期売上高2,599百万円、前期比40.6%増)にも表れており、長期的な顧客関係の基盤となっています。
大型製造設備を持たない「持たざる経営」により固定資産投資を抑制し、2026年3月期末の純資産は18,064百万円、ROEは11.5%(前期比0.2ポイント改善)を達成。現金及び現金同等物6,952百万円を保有し、無借金経営を維持しながらDOE5%下限の安定配当方針を採用しています。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期の11,420百万円を底に2期連続で回復し、2026年3月期は18,073百万円(前期比43.3%増)を達成。外部要因として生成AI向けハイパースケーラーの設備投資拡大と高水準の貴金属価格が売上を押し上げた。
一方、営業利益は576百万円(前期比14.7%増)にとどまり、営業利益率は3.2%と前期4.0%から低下。売上原価率の高止まりと販管費増加が利益率を圧迫した。
当期純利益は1,803百万円(前期比14.2%増)だが、政策保有株式売却益1,655百万円への依存度が高い。営業キャッシュフローは△772百万円と前期の579百万円から悪化し、売上債権増加と法人税支払増が主因。
成長戦略
AI・半導体向け既存事業の深化と電池材料等新事業創出、政策保有株式縮減による資本効率改善を並行推進
生成AI向けハイパースケーラーのインフラ投資拡大を背景に、半導体パッケージ・モジュール・メモリー向けめっき薬品の販売を強化。2026年3月期のプリント基板・半導体パッケージ基板用売上高は8,680百万円(前期比52.1%増)と高成長を実現。次期も同用途が牽引役として継続する見込み。
次世代製品創出に向け、新材料向けめっき薬品および電池材料の開発を軸とした積極的な研究開発投資を計画。2026年3月期には本社製造スペースの再編(増床・効率化)に着手し、安定調達・安定供給体制の強化を図っている。
中期経営計画FY2025-2027の期間中に政策保有株式の純資産割合を20%未満まで縮減する方針。2026年3月期末時点の保有時価は10,743百万円(純資産比59.5%)と目標水準を大幅に上回っており、売却を継続推進。
売却益は株主還元(2026年3月期年間配当200円、配当性向64.1%)の原資にも活用。
最終更新: 2026年7月19日

