事業内容
株式会社ミルボンは1960年創業の美容室専売化粧品メーカーで、ヘアケア用剤・染毛剤・パーマネントウェーブ用剤・化粧品等を製造・販売する。主要顧客はヘアデザイナー(美容師)および美容室であり、エンドユーザーへの直接販売は行わない。
国内では「オージュア」「エルジューダ」「オルディーブ」等のブランドを展開し、海外は日本・韓国・中華圏・ASEAN・北米・EU・中東の7リージョンで事業を推進。2025年12月期の売上高は52,863百万円で、海外売上高比率は25.8%まで拡大している。
子会社9社・関連会社1社を含むグループで、三重県伊賀市のゆめが丘工場を主力生産拠点とし、タイにも海外生産拠点を持つ。
ビジネスモデル
独自の「フィールドパーソンシステム」により、9ヶ月間の社内研修を受けた営業員が美容室に対して商品販売にとどまらず教育・経営支援を行い、長期的な取引関係を構築する。製品開発は成功美容師の技術を標準化する「TAC製品開発システム」で行い、市場ニーズに即した高付加価値品を継続投入する。
美容室経由でエンドユーザーへ届く店販品はmilbon:iD会員基盤(100万人超)を通じて拡大しており、業務用品と店販品の両輪で安定的な収益を確保する構造となっている。
企業の強み
9ヶ月間の社内研修を経たフィールドパーソンが美容室の教育・経営支援まで担う独自体制は、1984年のスタート以来40年超の蓄積がある。単なる商品販売ではなく美容室の増収・増益に貢献するモデルは競合他社が模倣困難とされ、主要代理店(トピー商事12.7%、ガモウ8.4%、MASS-HD6.9%)との安定的な流通網を形成している。
2025年12月期の研究開発費は2,672百万円(売上高比5.1%)。日本・米国・中国・タイの4拠点で連携するグローバルR&D体制を構築し、2023年12月には東京・羽田にイノベーションセンターを開設。2025年度は国際・国内学会で4件の賞を受賞するなど、基礎研究から製品開発への応用力を持つ。
2025年12月期末の自己資本比率は84.9%(前期82.9%)、現金及び現金同等物は11,513百万円。営業キャッシュフローは5,383百万円を確保し、設備投資2,701百万円・配当2,864百万円・自己株式取得2,000百万円を賄う財務体力を有する。
無借金経営に近い財務構造が事業投資の柔軟性を支えている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期41,582百万円から2025期52,863百万円へ緩やかな成長を継続してきたが、営業利益は2023期以降コスト増により低迷し2025期は5,653百万円と2021期比で大幅に低下した。2026年1Q(1-3月)は売上高12,415百万円(前年同期比11.0%増)、営業利益1,250百万円(同75.4%増)と急回復。
外部要因として前年同期の為替差損113百万円が消滅し円安の恩恵も加わった。海外売上高が前年同期比31.1%増と急拡大し売上総利益を牽引。
通期予想(売上高54,800百万円・営業利益6,300百万円)は前回予想から変更なし。
成長戦略
海外重点3エリア(米国・EU・韓国)集中投資と国内高付加価値戦略の両輪で成長
中期事業構想(2022-2026)の7リージョン戦略を再検証し、市場性・成長力の高い米国・EU・韓国を重点エリアに設定。2026年1Qで海外売上高が前年同期比31.1%増の3,952百万円に達し、売上構成比が31.8%まで上昇するなど成果が着実に顕在化している。
新ブランド「スワエ」やスタイリング剤「ニゼル」新商品を国内市場に投入し、計画的な営業・教育活動と組み合わせることで好調な売上を実現。ICEA認証「ヴィラロドラカラー」等の高付加価値カラー製品も高成長を維持しており、競争激化する染毛剤市場での差別化を図る。
デジタル会員プラットフォームmilbon:iDを通じて美容室の店販品売上を構造的に支援し、国内ヘアケア用剤の安定成長を持続させる。2026年1Qの国内売上高は前年同期比3.6%増と安定成長を維持しており、会員基盤の拡大が継続的な売上貢献をもたらしている。
2026年4月10日の取締役会決議に基づき、取締役6名・執行役員7名に対して計32,274株(処分総額89,689,446円)の譲渡制限付株式を付与(2026年5月8日処分)。中長期的な企業価値・株主価値の持続的向上を図るインセンティブ付与と株主との価値共有を目的とする。
最終更新: 2026年7月17日

