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クオリプス株式会社

4894東証グロース医薬品

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事業内容

クオリプス株式会社は2017年設立の再生医療ベンチャーで、ヒトiPS細胞由来心筋細胞シート「リハート®」の研究開発・製造販売を主軸事業とする。リハートは薬物治療や手術では回復が見込めない虚血性心筋症による重症心不全患者を対象とした世界初のiPS細胞由来再生医療等製品であり、2026年3月に厚生労働省から条件及び期限付き製造販売承認を取得した。

主要顧客は国内外の医療機関・病院であり、並行して大阪府箕面市の商業用細胞培養加工施設「CLiC-1」を活用したCDMO事業(細胞製品の製造受託)も展開。大阪大学・第一三共・朝日インテック等との産学連携アライアンスを基盤に、カテーテル治療や体内再生因子誘導剤(YSシリーズ)など複数のパイプラインも保有する。

ビジネスモデル

現時点の主収益源はCDMO・コンサルティングサービス(2026年3月期売上高212百万円のうち210百万円)と共同研究開発パートナーからの共同研究開発費受入(当期336百万円)。これらにより研究開発費総額970百万円のうち自社負担を634百万円に抑制するキャッシュバーン管理型モデルを採用。

2026年秋頃の薬価収載・保険適用後にリハートの販売を開始し、製品売上による本格的な収益化フェーズへの移行を計画している。

企業の強み

2026年3月に厚生労働省から「リハート®」の条件及び期限付き製造販売承認を取得。8例の医師主導治験で全例「有効」判定、副作用・重篤な副作用なし。

2025年10月には希少疾病用再生医療等製品に指定され、保険償還価格算定時の加算対象となった。世界初のiPS細胞由来心筋細胞製品として先行者優位を確立している。

大阪大学との共同研究講座設置以来、iPS細胞の大量培養・高純度精製・未分化細胞除去技術を確立。日本(特許第7609440号)・米国・欧州で施設設計特許を取得済み。

大阪大学からの独占的実施権(特許第6938154号、存続期間2035年11月まで)および第一三共からの知的財産ライセンスを保有し、技術的参入障壁を形成している。

2020年8月稼働の商業用細胞培養加工施設「CLiC-1」は、製造プロセス開発から商用生産まで対応可能なラボ一体型施設。2024年8月に製造販売業許可、2025年4月に製造業許可を取得。

CDMO事業でも同施設を活用し、2026年3月期のCDMO売上高は210百万円(前年同期比25.4%増)を計上。経済産業省「再生CDMO補助金」新技術導入促進枠にも採択されている。

エンヴァリスの着眼点

リハート®の製造販売承認取得は事業の重要マイルストーンを達成したが、本資料提出時点で薬価が未定であり、2027年3月期の売上高予想は非開示。希少疾病用製品指定による加算は追い風だが、再生医療等製品の薬価算定は前例が少なく、収益規模の見積りが困難な状況が続く。

2026年秋頃の薬価収載・販売開始後に業績予想が修正される予定であり、薬価水準の開示が株価の重要なカタリストとなる。

2026年3月期の営業損失は1,081百万円と前期(590百万円)から大幅に拡大。販売費及び一般管理費が758百万円から1,212百万円へ急増したことが主因で、製造販売承認申請・審査対応や海外展開加速に伴うコスト増が反映されている。

営業CFは△1,059百万円と現金消費ペースが加速しており、期末現金残高は3,900百万円。2027年3月期も営業損失1,430百万円(売上高・売上原価除く)を予想しており、薬価収載後の販売立ち上がり速度次第では追加資金調達の可能性を排除できない。

スタンフォード大学との共同研究本格化、FDA preIND会議での概ね合意、欧州規制当局との相談準備開始と、海外展開が具体化しつつある。外部環境として再生医療分野への国際的な関心の高まりは追い風だが、米国IND申請・臨床試験実施には多額の費用が見込まれ、国内販売立ち上げと並行した海外開発コストの増加が損失拡大要因となるリスクがある。

体内再生因子誘導剤(YS-1301)の海外製薬会社1社との導出協議進展は収益多様化の観点から注目に値する。

成長戦略

国内承認取得を起点に薬価収載・販売開始、海外展開・CDMO強化で多層的成長を目指す

2026年3月に条件及び期限付き製造販売承認を取得済み。2026年秋頃の薬価収載を予定し、下期より販売開始見込み。希少疾病用製品指定による保険償還価格算定時の加算対象であり、製造販売後調査に向けた供給体制整備を推進中。

スタンフォード大学心臓胸部外科との共同研究を本格化し、心筋梗塞ブタを用いた動物実験プログラムを実施中。FDA preIND会議でFirst-in-Human試験計画を含む開発方針について概ね合意を得ており、IND申請に向けた準備を進めている。

翌期(2027年3月期)において欧州規制当局との相談準備を開始予定。米国と並行した欧州展開により、グローバルな製造販売承認取得を目指す。

経済産業省の再生CDMO補助金(新技術導入促進枠)採択を受け、中之島クロスに建設中のパイロットプラントが翌期まもなく本格稼働予定。細胞安定供給製造バリューチェーンコンソーシアム(VMaCS)を通じた大量培養システムの実用化を推進し、受託製造能力を向上させる。

大阪大学との共同研究を継続し、肝硬変に関する研究論文が発表されるなど成果が蓄積。現在、海外製薬会社1社と導出・協業に向けた協議を実施中であり、製薬企業への導出による収益多様化を目指す。

朝日インテック株式会社との共同開発により、カテーテルによる血管内アプローチでヒトiPS細胞由来心筋細胞を心臓へ移植する新治療技術を開発中。翌期は非臨床試験実施に向けた準備を進める予定。

最終更新: 2026年7月19日