事業内容
ノイルイミューン・バイオテックは、2015年に山口大学・国立がん研究センター発のバイオテック企業として設立。独自のPRIME(Proliferation-inducing and migration-enhancing)技術を基盤に、固形がんに対するCAR-T細胞療法・TCR-T細胞療法等の遺伝子改変免疫細胞療法を開発する研究開発型企業である。
固形がんは全がんの約9割を占めるが、既存CAR-T療法の有効性が確立されていない領域であり、PRIME技術はIL-7とCCL19を産生させることで免疫細胞の固形がん組織への集積・増殖を誘導する点に独自性がある。2023年6月に東証グロース市場に上場。
がん免疫療法創薬事業の単一セグメントで事業を展開している。
ビジネスモデル
収益モデルは「自社創薬」と「共同パイプライン」の2軸で構成される。自社創薬では当社主導で臨床試験を実施し、承認段階またはその中途で製薬企業にライセンスアウトすることで大型収入を狙う。
共同パイプラインではPRIME技術を製薬企業にライセンスし、開発コストを抑えながら技術アクセス料・契約一時金・開発マイルストン・ロイヤリティを獲得する。Adaptimmune、Autolus、中外製薬との契約実績を有する。
現時点の事業収益は5百万円と極めて限定的であり、将来のマイルストン・ロイヤリティ収入が収益化の鍵となる。
企業の強み
PRIME技術はIL-7とCCL19をCAR-T細胞に産生させ、固形がん組織への免疫細胞集積・増殖・長期生存を誘導するプラットフォーム技術。マウスモデルで通常CAR-T比較で顕著な治療効果を示し、Nature Biotechnology誌に掲載。
CAR-T・TCR-T・腫瘍溶解性ウイルス等多様なモダリティへの応用可能性を有する。
2019年にAdaptimmune Therapeutics plc、同年Autolus Therapeutics plc、2022年に中外製薬とPRIME技術のライセンス契約を締結済み。各社が全世界における独占的ライセンスを保有し、開発マイルストン・ロイヤリティ受領権を当社が有する。
グローバル製薬企業による技術評価が実証されている。
2025年6月にNIB103(Mesothelin標的)の治験計画届書をPMDAへ提出・調査完了し、第Ⅰ相臨床試験が進行中。2025年12月末時点の現金及び現金同等物は3,918百万円と手元資金が潤沢であり、当期純損失793百万円の水準であれば約5年分の開発資金を確保している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
年次推移では売上高(事業収益)が2023期317百万円→2024期8百万円→2025期5百万円と急減し、2026年第1四半期は事業収益ゼロ。営業損失は2024期△1,069百万円→2025期△797百万円→2026年第1四半期△202百万円(年率換算△808百万円相当)と縮小傾向。
2026年第1四半期は山口県・宇部市補助金45百万円の計上により経常損失が△153百万円に圧縮された。研究開発費は前年同期比30%減の86百万円。
業績予想は未定のまま継続。
成長戦略
NIB103臨床推進を軸に自社創薬と共同パイプライン拡大で収益化を目指す
固形がん向け自社創薬パイプラインNIB103の第Ⅰ相臨床試験を推進。2026年第1四半期に第1例目患者への投与を達成しており、安全性・有効性データの蓄積を通じてPRIME技術の臨床的価値を実証することが最優先課題。
NIB103に続く自社創薬パイプラインNIB104・NIB105について、共同開発を含むあらゆるアプローチを通じて早期の臨床ステージ移行を目指す。共同開発パートナーの獲得が開発加速と費用分担の両面で重要。
Adaptimmune・Autolus・中外製薬との既存共同パイプラインの開発進捗を支援しつつ、新たなパートナーとの提携を目指す。マイルストン収入・ロイヤリティの獲得が収益化への主要経路。
2017年より継続する山口大学との共同研究において、次世代型PRIME技術・他家細胞を利用したがん免疫細胞療法の研究を継続。新規パイプラインの創出と将来的なライセンス機会の拡大を目指す。
最終更新: 2026年7月17日

