事業内容
株式会社東計電算は1970年創業の独立系システムインテグレーターで、神奈川県川崎市に本社を置く。情報処理・ソフトウェア開発業務(売上高の約90%)、機器販売業務、リース等その他の業務の3セグメントで構成される。
業種別組織体制のもと、製造・流通・建設など特定業種に専門特化したSEを育成し、業種固有の業務ノウハウを蓄積したパッケージシステムの開発・販売・運用を行う。自社データセンターを活用したシステム運用業務(アウトソーシング)が成長を牽引しており、特定顧客への売上依存度が100分の10以上の先が存在しないほど顧客基盤は分散している。
東京証券取引所スタンダード市場上場。親会社は株式会社アップワード。
ビジネスモデル
業種別SEが顧客の業務課題を深く理解した上でパッケージシステムを開発・導入し、その後の運用保守・アウトソーシングを自社データセンターで継続受託することで、ストック型の安定収益を積み上げる。2025期のシステム運用業務売上高は11,995百万円(前期比10.2%増)と主力収益源に成長。
ハードウェア販売は導入時の補完的収益、リース・不動産賃貸は小規模ながら安定的なキャッシュを生む。運転資金は全額自己資金で賄い、無借金経営を維持している。
企業の強み
2025期の情報処理・ソフトウェア開発業務の営業利益率は31.0%(売上高18,703百万円、営業利益5,802百万円)。自社開発パッケージの横展開とシステム運用業務のストック収益化により、業界平均を大きく上回る高利益率を実現している。
売上高は2021期16,782百万円から2025期20,836百万円へ、営業利益は3,743百万円から6,271百万円へ、当期純利益は3,008百万円から5,374百万円へと5期連続で増収増益を達成。2025期の当期純利益は前期比19.5%増と加速している。
2025期末の受注残高は合計2,086百万円(前年同期比116.9%増)。うち情報処理・ソフトウェア開発業務が1,998百万円(同113.6%増)、機器販売業務が88百万円(同335.4%増)と大幅に積み上がっており、次期業績の下支えとなる可視性が高い。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
令和8年12月期第1四半期(1月〜3月)は売上高5,483百万円(前年同期比4.3%増)、営業利益1,695百万円(同6.7%増)、経常利益1,836百万円(同7.6%増)、親会社株主帰属純利益1,475百万円(同18.0%増)。純利益の伸びが売上高の伸びを大幅に上回る高品質な拡大が継続。
特別利益として固定資産売却益284百万円を計上したことが純利益の押し上げに寄与。セグメント別では情報処理・ソフトウェア開発業務がシステム運用業務の堅調推移により牽引し、機器販売業務もハードウェア入替え需要増加で売上高前年同期比11.3%増と好調。
リース等その他業務は賃貸用不動産の一部売却に伴う仲介手数料発生等で営業利益が前年同期比80.7%減と大幅減少。通期業績予想(売上高21,884百万円、営業利益6,825百万円)は令和8年2月公表値から変更なし。
市場環境として、AI関連需要増加がIT投資を下支えする一方、原油価格上昇による先行き不透明感が存在する。
成長戦略
情報システム資産活用によるサービス商品拡販とAI機能内蔵化で付加価値向上
自社データセンターと業種特化ノウハウを活用したシステム運用業務の受託拡大を重点課題とする。令和8年第1四半期においてもシステム運用業務が堅調に推移し、情報処理・ソフトウェア開発業務の売上高は前年同期比4.0%増を達成。ストック型収益の積み上がりが利益率改善を構造的に支えている。
自社が保有する情報システム資産をサービス商品として商品化し、積極的な営業展開を推進。令和8年第1四半期の経営者コメントでも「商品化の促進やシステム運用業務売上の拡大」を重点課題として明示。企業のIT化・デジタル化推進への関心の高まりを取り込む戦略。
各プロダクトへのAI機能内蔵化により付加価値を向上させ、運用負荷低減と顧客満足度向上を図る。市場環境としてAI関連需要の増加が製造業・非製造業の景況感改善に寄与しており、自社製品へのAI統合が差別化要因となることが期待される。
最終更新: 2026年7月17日

