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トレンドマイクロ株式会社

4704東証プライム情報通信業

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トレンドマイクロ株式会社4704

事業内容

トレンドマイクロ株式会社は1989年創業、東京証券取引所プライム市場上場のサイバーセキュリティ専業企業。コンピュータセキュリティ対策製品の開発・販売および関連サービスの提供を主事業とし、日本・アメリカズ・欧州・アジア・パシフィックの4地域セグメントでグローバルに展開する。

主要顧客は法人(企業・公共機関)と個人の双方で、エンドポイント・ネットワーク・クラウド・メールなど多層的なセキュリティ領域をカバー。2025年12月期の連結売上高は275,984百万円。

研究開発は日本・米国・オーストラリア・アイルランドの4拠点を中心に実施し、台湾・カナダへの業務委託も活用している。

ビジネスモデル

当社はAnnual Recurring Revenue(ARR)の継続的増加を主要経営指標に掲げ、サブスクリプション型の収益構造を基盤とする。法人向けには統合セキュリティプラットフォーム「Trend Vision One™」を中核に、SaaS型・オンプレミス型のハイブリッド構成で多様な顧客環境に対応。

個人向けは携帯電話ショップ等の販売チャネルを活用する。繰延収益(流動負債計上分236,085百万円)が示す通り、契約締結時に前受収益を計上し、契約期間に応じて収益認識する構造が安定的なキャッシュフローを生む。

企業の強み

AI技術を活用した法人向け統合セキュリティ基盤「Trend Vision One™」を展開。複数領域のセキュリティ製品を連携させ、脅威の予測・検出・対処を一元化するCREM(Cyber Risk Exposure Management)機能を中核に据え、AI活用次世代SOC関連セキュリティが日本・欧州・アジア・パシフィックの各地域で大きく伸長した。

2025年12月期の営業利益は57,777百万円(前年同期比20.1%増)、営業利益率は約20.9%。売上高が1.2%増に留まる中、人件費・外注費を中心に合計費用を218,207百万円(前年同期比2.8%減)に抑制し、利益率を大幅に改善した。

2028年12月期に営業利益率25%〜27%を目標として掲げている。

2025年12月期末の現金及び預金残高は220,092百万円、現金及び預金・有価証券の合計は231,030百万円。営業キャッシュフローは64,637百万円のプラスと前年比17,855百万円増加。資本集約的でないビジネス構造を背景に、高いROEの実現を目指す財務方針を明示している。

エンヴァリスの着眼点

2026年第1四半期において、Vision One関連ARRは順調に増加しているものの、単体SaaS製品等の非Vision One関連ARRが減少しており、為替影響除去ベースの全体ARR成長率は前年同期比3%増にとどまる。クレジット方式への完全移行がVision One ARR成長を加速させる見込みだが、移行期の全体ARR成長鈍化が続く間は、売上高成長率(9.4%増)との乖離が投資家の注目点となる。

2026年第1四半期の経常利益は17,651百万円(前年同期比42.2%増)と大幅増益だが、前年同期に計上された為替差損2,892百万円が当期はゼロとなり、代わりに為替差益1,340百万円を計上したことが主因。営業利益の増益率は3.7%にとどまっており、本業の収益成長は緩やかである。

外部要因として円安が人件費増(費用側)と海外売上の円換算増(収益側)の両面に影響しており、為替感応度の高さが収益の不確実性要因となっている。

2026年3月末の純資産は114,532百万円(前期末比16,593百万円減)、自己資本比率は27.8%(前期末30.2%)に低下。配当金24,175百万円の支払いと自己株式取得4,999百万円が利益剰余金・自己資本を圧迫しており、利益剰余金は88,505百万円(前期末100,906百万円)に減少。

2026年12月期の期末配当は未定であり、通期純利益予想36,600百万円に対する還元水準の設定が株主還元政策の持続可能性を左右する。

成長戦略

Vision Oneクレジット方式への完全移行でARR成長を加速し、通期売上高301,500百万円を目指す

製品ごとの個別販売からVision Oneプラットフォーム機能をフレキシブルに利用できるクレジット方式に完全移行。顧客の利用拡大を促進しVision One ARRの構成比上昇と全体ARR成長の加速を図る。2026年第1四半期時点でVision One ARRは大きく成長中。

2026年より法人向けを「TrendAI」、個人向けを「TrendLife」として独立ブランド化。各ビジネスの特性に応じた戦略展開を推進。2026年第1四半期で法人向け59,341百万円(前年同期比10.4%増)、個人向け14,515百万円(同5.4%増)と両ビジネスが増収。

AIの普及に伴うサイバー脅威の高度化を背景に、Vision Oneを基盤としたAI活用次世代SOC関連セキュリティを全地域で展開。2026年第1四半期において欧州・アジア・パシフィックで各19.1%増と高成長を実現し、法人向けビジネスの主要成長ドライバーとして機能している。

割引額の縮小と高単価製品への誘導により個人向けビジネスの収益性を改善。日本以外の地域でのECビジネスパートナー移行影響がほぼ解消され、2026年第1四半期の個人向け売上高は14,515百万円(前年同期比5.4%増)と回復基調。

最終更新: 2026年7月17日