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artience株式会社

4634東証プライム化学

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事業内容

artience株式会社(旧東洋インキSCホールディングス)は1896年創業の老舗インキ・機能材料メーカーで、連結子会社56社・持分法適用関連会社5社を擁するグローバルグループ。色材・機能材、ポリマー・塗加工、パッケージ、印刷・情報の4セグメントを軸に、有機顔料・リチウムイオン電池材料・光学粘着剤・缶用塗料・グラビアインキ等を幅広く展開する。

主要顧客は電子部品・自動車・食品包装・印刷業界に及び、アジア・欧州・北米・中東を含むグローバルな製造・販売網を持つ。2024年に商号変更とともに新中期経営計画artience2027/2030 GROWTHを策定し、ディスプレイ・先端エレクトロニクスおよびモビリティ・バッテリーの2領域を戦略的重点事業として資源集中を進めている。

ビジネスモデル

グループ各社が顔料・インキ・粘着剤・塗料・電池材料等を製造し、電子・自動車・食品包装・印刷等の多様な産業向けに販売する製造販売モデル。国内外56の連結子会社を通じたグローバル供給体制を強みとし、研究開発費10,159百万円(2025期)を投じた技術差別化により高付加価値製品の採用拡大を図る。

収益の柱はポリマー・塗加工(営業利益率9.2%)とパッケージ(同5.9%)であり、成熟市場の効率化と成長領域への集中投資を組み合わせた二軸経営を推進している。

企業の強み

ポリマー・塗加工関連事業は売上高90,305百万円・営業利益8,292百万円・営業利益率9.2%と全セグメント最高水準。ディスプレイ用光学粘着剤の中国向け拡販が大きく伸長し、前期比15.9%増益を達成。缶用塗料もタイ・トルコで拡販が進み、半導体関連材料の開発品採用も拡大している。

連結子会社56社を擁し、東南アジア・中国・欧州・北米・インド・中東(トルコ)に製造拠点を展開。2025期にはトルコ新工場稼働、インドでの生産能力増強決定、中国での生産拠点再編を実施。主要顧客で販売実績の10%超を占める先が存在しない分散構造を持つ。

グループ全体の研究開発費は10,159百万円(2025期)。有機合成・粒子制御・分散加工・ポリマー設計等のコア技術を基盤に、ディスプレイ・先端エレクトロニクスおよびモビリティ・バッテリーの2領域に資源を集中。

CMOSイメージセンサー用レジストインキの採用進展、低誘電樹脂材料の新規採用など先端分野での実績が拡大している。

エンヴァリスの着眼点

2026年12月期第1四半期の親会社株主帰属純利益は6,572百万円(前年同期比+123.0%)と大幅増益だが、特別利益に投資有価証券売却益3,556百万円が計上されており、経常利益ベース(6,115百万円、+45.4%)との乖離が大きい。営業利益ベースの増益率は+16.1%と堅実であり、一時利益を除いた実力値の評価が重要。

保有株式の売却・株価下落により投資有価証券残高が61,997百万円から54,193百万円へ減少しており、今後の特別利益計上余地は縮小する可能性がある。

会社側は中東情勢の不安定化が石油由来原料の調達環境悪化・原料価格上昇をもたらしていると明示。外部要因として、当1Qは溶剤・ナフサ由来原料を使用する製品で顧客の前倒し発注が売上高増加に寄与したと説明しており、2Q以降の反動減リスクが存在する。

通期業績予想(売上高360,000百万円、営業利益23,000百万円)は据え置かれているが、原材料価格の急激な上昇が続く場合は製品価格改定の遅れによる利益圧迫が懸念される。

2026年12月期第1四半期末の自己資本比率は58.8%(前期末57.5%)と財務健全性は維持されている。一方、取締役会決議に基づき542,400株の自己株式取得を実施し、自己株式残高は11,103百万円に増加。

年間配当予想は120円(前期100円から20円増配)と株主還元を強化。ただし、期中平均株式数が前年同期の50,374,002株から46,983,385株へ減少しており、EPS押し上げ効果も含めた実質的な利益成長の評価が求められる。

成長戦略

先端エレクトロニクス・モビリティ・バッテリーへの資源集中と2029期ROE10%以上を目指す

価格改定の継続浸透と環境対応型製品の拡販により既存事業の採算を改善。2026年12月期第1四半期において全4セグメントで増収増益を達成し、ポリマー・塗加工事業が営業利益率8.9%を記録するなど高収益化が進展している。

光半導体材料(CMOSイメージセンサー用)・カラーフィルター用材料・車載用リチウムイオン電池材料・導電性接着シート等の機能性フィルムを重点育成。欧州での車載電池材料出荷量増加や光半導体材料の顧客採用拡大が進むが、車載電池材料は費用を補うまでには至っておらず収益化が課題。

インド・トルコ・東南アジアでのリキッドインキ・粘着剤・缶用塗料の拡販を推進。2026年12月期第1四半期においてトルコでの新規顧客・周辺国拡販、インドでのリキッドインキ拡販が進展し、パッケージ関連事業の売上高が前年同期比+10.3%増と牽引役となっている。

統合基幹業務システム導入によるグループ全体の業務効率化と、自己株式取得・増配による株主還元強化を並行推進。2026年12月期の年間配当予想は120円(前期比+20円)に引き上げ、取締役会決議に基づく自己株式542,400株の取得を実施済み。

最終更新: 2026年7月17日