事業内容
ナトコ株式会社は1948年創業の合成樹脂塗料メーカーを祖業とし、現在は塗料事業・ファインケミカル事業・蒸留事業の3セグメントで構成される。塗料事業では建材用・金属用塗料を国内外で製造販売し、主力顧客ニチハ株式会社向け売上高は5,358百万円(全社売上高の24.1%)に達する。
ファインケミカル事業では光学フィルムやPC・スマートフォン向けコーティング剤を手掛け、蒸留事業では再生溶剤製造と産業廃棄物処理を担う循環型ビジネスを展開する。中国・フィリピン・ベトナム・タイに海外製造・販売拠点を持ち、アジア向け売上高は3,020百万円を計上。
2025年6月には三丸化学株式会社を子会社化し蒸留事業を拡充した。
ビジネスモデル
「ポリマー合成・分散・コーティング・色彩」の4要素技術を基盤に、塗料・コーティング剤・再生溶剤を自社製造して直接販売または特約代理店経由で販売する。蒸留事業では廃液回収から再生溶剤販売・産業廃棄物処理まで一貫して手掛ける循環型モデルを採用。
設備投資・研究開発費(997百万円)は全額自己資金で賄い、有利子負債残高は335百万円と財務健全性を維持しながら成長投資を継続する。
企業の強み
2025年10月期末の自己資本比率は78.7%と5期連続で78%台を維持。有利子負債残高は335百万円に対し現金及び現金同等物は7,809百万円と実質無借金経営。営業CFは1,847百万円を創出し、設備投資554百万円・研究開発費997百万円を全額自己資金で賄う。
ファインケミカル事業の2025年10月期セグメント利益率は21.6%(売上高2,484百万円、利益536百万円)。光学フィルム向けコーティング剤が堅調に推移し、4要素技術を活用した高付加価値製品が高マージンを支える。全社営業利益率6.3%を大幅に上回る収益性を有する。
2013年の巴興業株式会社完全子会社化、2014年の有限会社アイシー産業取得に続き、2025年6月に三丸化学株式会社(議決権66%取得)をグループ化。三丸化学参加により蒸留事業売上高は前年同期比4.2%増の5,494百万円、セグメント利益は前年同期比30.6%増の489百万円に拡大した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023・2024期の踊り場を経て2025期(22,275百万円)から回復基調に入り、2026年10月期中間期は11,514百万円(前年同期比4.5%増)と増収継続。営業利益864百万円(同33.5%増)は塗料・ファインケミカル・蒸留の全3セグメントが増益となった結果。
経常利益は前年同期の為替差損(157百万円)から当期の為替差益(75百万円)への転換という外部要因も加わり90.3%増の1,024百万円に急拡大。通期予想(売上高23,000百万円、営業利益1,450百万円)は据え置きで、中間期進捗率は売上50.1%、営業利益59.6%と順調。
成長戦略
環境対応・M&A・技術革新の3軸で2027年10月期EBITDA28億円・ROE6%を目指す
日本ゼオンよりトウペ社全株式を取得原価2,190百万円で取得予定(2026年11月2日予定)。三重・茨城の広大な工場敷地を活用し、老朽化したみよし本社工場の生産体制再構築と物流・調色業務の効率化を図る。工業用・粉体塗料分野での事業重複はあるが、蒸留・ファインケミカルとの相互補完でシナジーを期待。
2025年6月30日付で三丸化学株式会社がナトコグループに参加し、蒸留事業の売上高・利益が上乗せ。半導体関連需要増や中東情勢を背景とした再生品ニーズの高まりという市場環境としての追い風も受け、2026年10月期中間期の蒸留事業売上高は前年同期比11.6%増の2,937百万円を達成。
廃液回収割合の増加によるリサイクル製品販売拡大も進行中。
PC・スマートフォンアクセサリー向けコーティング剤の需要増加を取り込み、2026年10月期中間期のセグメント利益率は22.4%を維持。塗装レス技術・電子材料・モビリティ分野での事業拡大を中期経営計画の重点課題として推進。
ポリマー合成・分散・コーティング・色彩の4要素技術を活用した高付加価値製品開発を継続。
中期経営計画(2025〜2027年度)に基づきDX投資・R&D投資・人的資本投資を推進。低VOC・工程短縮・低温焼付塗料等の環境配慮型製品の拡充によりユーザーの環境対応ニーズに対応。なお、物流センター新設プロジェクトは中止を決定し、関連費用25百万円を特別損失として計上済み。
最終更新: 2026年7月17日

