事業内容
太陽ホールディングス株式会社は、プリント基板(PCB)用ソルダーレジスト(SR)を中心とする電子部品用化学品部材の開発・製造販売を主軸とするエレクトロニクス事業と、長期収載品の製造販売・受託を行う医療・医薬品事業の2本柱で構成される。エレクトロニクス事業では国内外25社の連結子会社を通じてグローバルに展開し、海外売上比率は9割超。
主要顧客はPCB専業メーカーや電機メーカーのPCB内製部門で、スマートフォン・AIサーバー・車載機器など幅広い最終製品に部材を供給する。医療・医薬品事業では太陽ファルマ株式会社が19製品の長期収載品を販売し、太陽ファルマテック株式会社が製造受託を担う。
2026年3月期の連結売上高は137,851百万円。
ビジネスモデル
エレクトロニクス事業では、SRおよびドライフィルム(DF)製品を中心に、リジッド基板・半導体パッケージ基板向けに高付加価値化学品部材を販売する。製品販売価格は外貨建が多く、「地産地販」方針のもと現地生産・現地調達を推進してコスト競争力を維持する。
医療・医薬品事業では長期収載品の製造販売と製造受託の二軸で収益を得る。2026年3月期のエレクトロニクス事業セグメント利益率は約30.6%と高水準を維持している。
企業の強み
有報に「SRの市場において世界トップクラスのシェアを有し、海外での売上比率が9割を超えている」と明記されている。グローバルに製造・販売拠点を持ち、韓国・台湾・中国・米国・ベトナム等に連結子会社を展開。長年の顧客基盤と技術蓄積により競合他社が短期間で模倣困難な市場地位を確立している。
2024年に技術開発センター「InnoValley」を開設し、研究開発費は2026年3月期に7,637百万円(前期比425百万円増)。DFタイプSRはPKG基板の厚み精度・開口精度等の要求に対応し、AI向けメモリ・CPU・GPU用PKG基板に広く採用。
インクジェット対応SR・感光性カバーレイ・層間絶縁材等の新製品も量産・採用段階に達している。
太陽ファルマテック株式会社は第一三共プロファーマの高槻工場を承継した製造受託専業会社で、2026年3月期に新規委託元からの受託製造が本格化。医療・医薬品事業の売上高は36,490百万円(前期比15.6%増)、セグメント利益は5,063百万円(前期比147.1%増)と急拡大。
エレクトロニクス事業との二事業構造がリスク分散に寄与している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期97,966百万円→2026期137,851百万円と5期間で40.7%増加。営業利益は2022期17,958百万円→2026期32,529百万円と81.1%増加し、営業利益率は23.6%に達した。
2026年3月期の親会社株主帰属当期純利益は24,011百万円(前期比122.7%増)と倍増超。外部要因として、AIの普及を背景とした半導体メモリ向け需要拡大が主要ドライバー。
前期に計上した減損損失7,010百万円の消滅も純利益の大幅改善に寄与。期中平均為替レートは1米ドル150.9円(前期152.5円)と若干の円高だったが、販売数量増加が為替影響を上回った。
2027年3月期は売上高146,300百万円(前期比6.1%増)、営業利益34,300百万円(同5.4%増)と増収増益を予想。
成長戦略
エレクトロニクス事業の継続成長・医療事業の再構築・新事業創出を長期構想で推進
AIの普及を背景とした半導体メモリ向けドライフィルム製品の需要拡大を継続的に取り込む。2027年3月期もメモリ向け製品を中心に販売数量増加を見込み、エレクトロニクス事業売上高102,200百万円(前期比7.3%増)、セグメント利益31,300百万円(同7.3%増)を予想。
太陽ファルマテックにおける新規委託元からの受託製造本格化と既存顧客からの受託数量増加を推進。2027年3月期は増収を見込むが、売上原価・販売管理費増加により減益予想。第一三共向け売上高の継続拡大が収益安定の鍵となる。
2026年3月期の有形固定資産取得による支出は7,335百万円(前期6,312百万円)と増加。建設仮勘定は前期末3,477百万円から当期末6,410百万円へ大幅増加しており、次期以降の生産能力拡充に向けた投資が進行中。エレクトロニクス事業の有形・無形固定資産増加額は5,993百万円。
2026年3月31日付でKJ005株式会社による公開買付けの開始予定に関し取締役会が賛同の意見を表明。買付け等の価格は2026年3月31日を基準日とした配当が行われないことを前提に決定されており、2026年3月期期末配当および2027年3月期配当は実施しない方針。
今後の経営体制・資本政策の変化が注目される。
最終更新: 2026年7月19日

