中国・アジア市場環境変動
当社グループの海外売上収益比率は約90%に達し、とりわけ中国を含むアジアが重要な事業地域となっている。中国の不動産市況悪化や規制強化、地政学リスク、世界的なインフレ・金融引き締めによる景気減速が塗料需要やサプライチェーンに影響を及ぼす可能性がある。対応策としてM&Aによる地理的分散や新規需要開拓、サプライヤーモニタリングを推進しているが、予測を超えた悪化時には財政状態・経営成績に重大な悪影響が生じ得る。
のれん・無形資産の減損
2025年度末時点でのれんは1,468,989百万円、その他の無形資産は614,148百万円と巨額に上り、M&A積極展開の結果として連結財政状態計算書に計上されている。毎期実施する減損テストにおいて、将来キャッシュ・フロー予測や割引率等の仮定が経済条件の変動により変化した場合、重大な減損損失が発生するリスクがある。減損損失の計上は財政状態・経営成績に直接的かつ重大な悪影響を与える可能性がある。
有利子負債・金利上昇リスク
2025年度末における借入金合計(1年内返済分除く)は1,297,704百万円に達しており、固定・変動金利での借入が混在している。今後の金利上昇局面では追加的な利息負担が生じるほか、信用力低下や金融市場悪化により資金調達条件が悪化・制限されるリスクがある。キャッシュ・フローへの悪影響が財務規律の確保を困難にし、事業継続に支障をきたす可能性がある。
M&A統合・シナジー未達リスク
当社グループはDuluxGroup、Cromology、AOC等の大型M&Aを継続的に実施しており、買収後の市場・競争環境の著しい変化や統合の遅延により、期待したシナジーやスケールメリットが得られないリスクがある。のれんの減損、追加費用の発生、主要経営幹部・顧客・仕入先との関係維持失敗が重なった場合、収益悪化と財政状態への悪影響が生じる可能性がある。M&A案件選別においては資本コストを上回るリターンとEPS増大を基準としているが、事前調査の限界から完全なリスク排除は困難である。
原材料価格変動・調達リスク
当社グループの原材料は石化原料への依存度が約50%と高く、原油・ナフサ価格はOPEC動向、地政学的紛争、各国金融政策など複合的要因で変動する。原材料価格の急騰時に製品価格への転嫁が遅延・不能となった場合、収益性が大きく損なわれる。また、経済安全保障上の資源囲い込みや海上輸送混乱による調達難が顧客への供給責任を果たせなくするリスクも存在し、調達先の多様化・複数社購買等で対応しているが完全な排除は困難である。
大株主Wuthelamとの利益相反
Wuthelamグループは当社普通株式の58.7%を保有する親会社であり、株主総会の特別決議・普通決議に重大な影響力を有している。当社とWuthelamグループの利益が少数株主の利益と異なる可能性があり、欧州自動車用塗料事業の譲渡に伴うマネジメント・サービス契約や買い戻しオプションを通じた継続的商業関係において将来の利益相反を完全に排除できない。また、Wuthelamグループが保有株式数を増減した場合、当社株式の市場価格に影響が生じる可能性がある。
技術革新による塗料需要縮小
自動車メーカーや材料エンジニアリング会社が装飾フィルム等の塗装代替技術を開発しており、カーボンニュートラル推進政策とあいまって代替品が主流化した場合、塗料需要の構造的減少と代替品対応への多額投資が必要となるリスクがある。また、競合他社が当社の既存技術を上回る画期的製品を先行開発した場合、市場シェアの低下が生じる可能性がある。当社グループは社外ネットワークとのコラボレーション強化や新製品開発に注力しているが、技術革新スピードが想定を上回る場合には対応が困難となり得る。
情報セキュリティ・サイバー攻撃
当社グループは事業運営・財務報告において情報・ITシステムへの依存度が高く、不正アクセス、ランサムウェア、フィッシング等のサイバー攻撃により内部システムが侵害されるリスクがある。機密情報の漏洩・消去や事業中断が発生した場合、対応費用の増大、法律違反、社会的信用の毀損につながる可能性がある。バックアップ手順・災害復旧策・情報システムセキュリティガイドラインを整備しているが、これらの対策によっても障害を完全に回避できない場合がある。
環境・化学物質規制強化リスク
中国・欧州を中心に塗料業界に関連する環境規制、化学物質規制、安全衛生規制の改正・強化が進んでおり、予測を超えた規制強化や法改正対応の遅延が生じた場合、対応費用の増加や製造販売活動・調達活動の制約、行政処分のリスクがある。気候変動対応として温室効果ガス排出に関する新たな税負担や再生可能エネルギー調達コストの上昇も財政状態・経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。当社グループは低VOC製品・環境配慮型製品の開発・導入や排出削減目標の設定で対応しているが、規制の不確実性は依然として高い。
グローバル人材確保・定着リスク
「アセット・アセンブラー」モデルによる成長戦略の遂行において、各地域の経営陣・専門人材の確保・育成・定着が不可欠であるが、労働市場の流動化により有能な社員の離職リスクや後継者育成不足が課題となっている。予期せぬ離職や経営陣交代要員の確保遅延は、ノウハウ・技術力の流出、効率性・生産性の低下、競争力の毀損につながる可能性がある。当社グループはグローバルネットワークを活用したボーダーレスな人材活用やエンゲージメント向上施策を推進しているが、想定通りの効果が得られない場合には事業・財政状態に悪影響が生じ得る。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月27日

