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キッズウェル・バイオ株式会社

4584東証グロース医薬品

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キッズウェル・バイオ株式会社4584

事業内容

キッズウェル・バイオ株式会社は、バイオシミラー事業と細胞治療事業(再生医療)の2事業を展開するバイオベンチャーである。バイオシミラー事業では2012年以降、フィルグラスチム・ダルベポエチンアルファ・ラニビズマブ・ペグフィルグラスチムの4製品を上市し、富士製薬工業・千寿製薬・持田製薬等のパートナー製薬企業に原薬等を供給することで持続的な収益を確保している。

細胞治療事業では100%子会社S-Quatreが独自開発した乳歯歯髄幹細胞(SQ-SHED)を活用し、脳性麻痺(遠隔期)を最重要適応症として臨床開発を推進。バーチャル型研究開発体制のもと、アカデミア・CDMO・製薬企業との連携により限られた経営資源を効率的に活用している。

ビジネスモデル

バイオシミラー事業では、開発マイルストンペイメントによる一時金収益とパートナー製薬企業への原薬等供給による販売収益の二本柱で収益を得る。細胞治療事業では、パートナー製薬企業との提携時の契約一時金・マイルストン収益・SQ-SHED供給収益・ロイヤリティ収益を想定する。

バイオシミラー事業で生み出す安定収益と蓄積したノウハウを細胞治療事業の研究開発に再投資することで「安定と成長の両立」を目指す構造である。

企業の強み

2012年以降、フィルグラスチム・ダルベポエチンアルファ・ラニビズマブ・ペグフィルグラスチムの4製品を上市。国内で承認されているバイオシミラー23製品中4製品の開発と3製品の安定供給に携わっており、バイオベンチャーとしては類を見ない実績を有する。

GBS-001・GBS-011は先行品からの置き換え率80%超を達成している。

自社で全工程を抱えず、CDMO・アカデミア・製薬企業との連携による「バーチャル型」研究開発体制を構築。開発初期段階からパートナー製薬企業候補と協議を開始し、開発リスクと費用負担を分散させながら複数プロジェクトを同時並行で推進できる柔軟な体制を確立している。

子会社S-Quatreが独自開発した乳歯歯髄幹細胞(SQ-SHED)を活用し、名古屋大学との共同臨床研究で全3例への投与を完了。2025年10月に独立安全性評価委員会が「投与後4週までの安全性に問題なし」と評価し、中間解析で運動機能の大きな改善が報告された。

2026年1月には国際的トップ学術誌に共同研究論文が掲載されている。

エンヴァリスの着眼点

2025年3月期に上場来初の連結営業黒字(28百万円)を達成したものの、2026年3月期は研究開発費が1,120百万円(前期比352百万円増)に膨らみ営業損失138百万円に転落。加えて棚卸資産廃棄損125百万円・シンジケートローン手数料75百万円等の営業外費用が重なり経常損失374百万円、当期純損失414百万円と損失が拡大した。

バイオシミラー事業単体では営業黒字を確保しているとされるが、連結ベースでの収益安定性の実現時期は依然不透明であり、翌期の営業黒字回帰(予想100〜600百万円)の達成可否が注目点となる。

2026年3月期の千寿製薬向け売上高は3,468百万円(全体の52.6%)、持田製薬向けは2,240百万円(34.0%)と上位2社で86%超を占める高度な売上集中構造が継続。特に眼科領域の主力品GBS-007(ラニビズマブ)については、アフリベルセプトバイオシミラーおよびバイオAGが薬価収載・販売開始され競合環境が変化しつつある。

会社側は現時点でGBS-007の見通しを保守的に見積もっているとしており、競合品の処方動向次第では売上・利益の下振れリスクが顕在化する可能性がある。

2026年3月期末の現金及び現金同等物は3,295百万円と前期比299百万円増加し、シンジケートローン2,500百万円の調達により短期的な資金繰りは安定化。継続企業の前提に関する重要な不確実性は存在しないと会社は判断している。

一方、転換社債型新株予約権付社債(残高125百万円)の転換継続や新株予約権の行使(当期310百万円の株式発行収入)による株式希薄化は継続しており、発行済株式数は前期比5,742千株増加の49,623千株となった。細胞治療事業の臨床開発費用増加に伴う追加資金調達の可能性も残り、希薄化懸念は払拭されていない。

成長戦略

既存バイオシミラーの収益性改善・新規品開発・国内製造施設整備・再生医療臨床進展の4本柱

GBS-007・GBS-010を中心に供給価格改定および製造原価低減品への切替を推進。2026年3月期中に一部実施済みで、翌期は通期寄与により利益率改善効果が見込まれる。円安・海外物価上昇への対応としてパートナー企業との価格交渉を継続。

2025年5月にMBIとのMaster Service Agreementを締結し複数候補品の細胞株構築を開始。同10月にアルフレッサHDを加えた3社間の基本合意書・基本契約書を締結。細胞株構築の進捗に応じてアルフレッサHDからの対価を受領する契約構造で、2026年3月期に一部を売上計上済み。

厚生労働省バイオ後続品国内製造施設整備支援事業に採択(2025年5月)。アルフレッサHD・カイオム・MBIの4社で合弁会社「Alfenax Biologics株式会社」を2025年11月に設立し、アルフレッサファインケミカル敷地内での製造施設建設を開始。中長期的な国内製造・収益基盤の確立を目指す。

国内:名古屋大学主導の自家SQ-SHED臨床研究(全3例投与完了・安全性確認・中間解析公表)、持田製薬との共同事業化によるGCT-103国内治験準備(GMP本製造準備中)。海外:米国FDAとのPre-IND Meeting完了・IND申請準備をTreehill Partnersと推進。

2026年3月に研究開発体制を再編し脳性麻痺へ経営資源を集中投下。

最終更新: 2026年7月19日