継続企業の前提に関する重要な不確実性
当連結会計年度末時点の現金及び預金は516百万円にとどまり、翌連結会計年度以降の臨床試験実施に必要な研究開発資金が手許資金では十分でない可能性があることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象が存在すると判断されている。対応策として、2026年2月17日に第2回無担保普通社債(総額1,850百万円)・行使価額修正条項付新株予約権・新株式の発行により1,496百万円を実質調達したが、株価動向により新株予約権の行使が進まない場合は資金不足が生じる可能性がある。ライセンス契約締結による導出一時金獲得および創薬支援事業の営業キャッシュ・フロー確保を並行して推進しているが、これらの資金流入は未確定であり、重要な不確実性が残存する。
医薬品開発中止・承認遅延リスク
新薬の研究開発には長期間と多額の投資を要するが、有効性・安全性の観点から開発中止や延期となるリスクがある。各国規制当局による厳格な審査を経て製造・販売承認を得る必要があり、承認が得られない場合や予定時期に上市できない場合は、研究開発投資を回収できず業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性がある。当社が導出したパイプラインについても同様のリスクが適用される。
株式希薄化リスク
多額の研究開発資金を先行投資するビジネスモデルのため、創薬支援事業・創薬事業の収入が不足する場合は新株発行等による資金調達を実施する可能性がある。2026年2月17日に発行した行使価額修正条項付新株予約権(潜在株式数7,698,300株)が行使された場合、1株当たりの株式価値が希薄化する。行使価額は株価の90%水準に連動して修正される仕組みであり、株価下落局面では下限行使価額216.5円まで低下する可能性がある。
導出パイプラインの開発中断リスク
製薬企業等に導出した創薬パイプラインは導出先企業が研究開発を実施し、当社はマイルストーン収入・ロイヤリティ収入を受領するモデルであるが、導出先企業の経営戦略変更により開発スケジュールが変更または開発が中断された場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性がある。また、導出交渉中の医薬品候補化合物と同等以上の競合品が他社から創製された場合や、交渉相手の評価が想定を下回る場合は、導出スケジュール及び交渉の成否に影響が生じる。
キナーゼ阻害薬市場への特化リスク
創薬支援事業はキナーゼタンパク質に関する製品・サービスに特化しており、製薬企業等によるキナーゼ阻害薬の研究開発が減少した場合や、アウトソース市場が当社の予想どおりに拡大しない場合は、事業方針の変更を余儀なくされるか業績に影響を及ぼす可能性がある。また、製薬企業の研究部門を主要顧客とするため、顧客の研究テーマ変更等により予定通りの発注が行われないリスクも存在する。
サプライヤー依存・測定機器リスク
プロファイリング・スクリーニングサービスに使用する測定機器(SCIEX社BioPhase 8800)や消耗品、プロメガ社のアッセイキット等の購入に支障が生じた場合、サービス提供に影響が及ぶ可能性がある。なお、従来使用していたレビティ社のLabChip® EZ Readerは2024年末にサポートが終了しており、2024年5月にBioPhase 8800を用いた代替サービスを開始済みである。また、Oncolines社・SARomics社・IniXium社・AssayQuant社との提携関係が変化した場合も業績に影響が生じる。
為替変動リスク
海外売上高比率は2024年12月期68.8%、2025年12月期70.8%と高水準であり、売上・費用ともに米ドルやユーロ等の外貨で計上される。また、臨床試験に関わる業務を海外のCDMO・CROに委託しており、大幅な為替相場の変動があった場合は業績に影響を及ぼす可能性がある。
知的財産権リスク
創薬事業では、第三者による先行特許出願等により当社グループの想定どおりに特許が取得できない場合や、特許侵害訴訟を提起された場合は事業方針及び業績に影響を及ぼす可能性がある。創薬支援事業においても、技術的ノウハウが技術革新により陳腐化した場合や第三者に先行権利化された場合は競争優位性が損なわれ、さらに販売製品・提供サービスに関して特許侵害訴訟が提起された場合は販売差止・多額の賠償金支払いを求められる可能性がある。
事業所一極集中・災害リスク
本社機能・研究開発機能は神戸市ポートアイランドの神戸バイオメディカルセンター(BMA)に集中しており、大規模地震・台風・風水害等の自然災害により甚大な被害を受けた場合は研究開発設備の損壊や事業活動の停滞により経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性がある。対策として、キナーゼ遺伝子の二重保管・別地方バックアップ、米国子会社CarnaBio USA, Inc.へのタンパク質製品在庫分散、損害保険の付保等を実施しているが、長時間停電時には冷凍保管中のキナーゼタンパク質の失活やサービス提供遅延が生じるリスクも残存する。
人材依存・技術情報漏洩リスク
限られた人材により業務執行を行っており、取締役・従業員が持つ専門知識・技術・経験に依存する部分が大きいため、当該者の退職等により業務に影響を及ぼす可能性がある。また、キナーゼタンパク質の製造技術やアッセイ開発技術等が人材流出により社外へ流出した場合は模倣製品の出現等により技術的優位性が損なわれる可能性があり、プロファイリング・スクリーニングサービスで預かる顧客の化合物情報が漏洩した場合は信用低下を招く可能性がある。さらに、当社が創薬研究を自ら行っていることが顧客の秘匿性確保への懸念材料となり、サービス採算性の悪化や分社化を余儀なくされる可能性もある。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月27日

