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カルナバイオサイエンス株式会社

4572東証グロース医薬品

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カルナバイオサイエンス株式会社4572

事業内容

カルナバイオサイエンスは2003年に日本オルガノンからスピンオフしたキナーゼ専門の創薬ベンチャー(東証グロース上場)。事業は「創薬事業」と「創薬支援事業」の2本柱で構成される。

創薬事業ではBTK阻害剤docirbrutinib(血液がん)・sofnobrutinib(免疫炎症疾患)、CDC7阻害剤monzosertib(固形がん・AML)の3パイプラインを臨床開発中。創薬支援事業では750種類超のキナーゼタンパク質製品やプロファイリングサービスを世界の製薬企業・バイオベンチャー・研究機関に提供し、創薬事業の研究開発資金を内部創出する構造を持つ。

主要顧客は国内外の製薬企業・CRO・AI創薬企業で、中国・北米・欧州に販売網を展開している。

ビジネスモデル

創薬支援事業はキナーゼタンパク質販売・プロファイリングサービス等の製品・受託サービスで継続的な売上を確保し、創薬事業の研究開発費を補填する。創薬事業は医薬品候補化合物の知的財産権を製薬企業にライセンスアウトし、契約一時金・開発マイルストーン・上市後ロイヤリティを受領するモデル。

がん領域は最大フェーズ2まで自社実施してパイプライン価値を高めてから導出し、それ以外はフェーズ1または前臨床段階で早期導出する方針を採る。

企業の強み

変異体含む750種類超のキナーゼタンパク質と200種類超のビオチン化タンパク質を保有。SCIEX社BioPhase 8800を用いたMobility Shift Assay Systemによるプロファイリングサービスを提供できる世界唯一の企業であり、既存顧客の継続利用と新規顧客獲得の双方で差別化優位性を発揮している。

ギリアド社(2019年6月)へDGKα阻害剤を契約一時金20百万ドルで導出し、マイルストーン2回達成で累計35百万ドルを受領済み。住友ファーマとは2018年から精神神経疾患領域の共同研究を継続中(2025年3月に2027年3月まで延長)。

J&J・シエラ・バイオノバ等複数のメガファーマへの導出実績が信頼性を裏付ける。

docirbrutinibは2025年12月のASH2025において、複数前治療歴を有するCLL・MCL・WM患者で有望かつ持続的な奏功を報告。用量拡大パートへ前倒し移行(2024年10月)し、治験施設は13施設に拡大。

既存BTK阻害薬市場は2024年時点で約120億ドルに達しており、ブロックバスターポテンシャルを有する。

エンヴァリスの着眼点

継続企業の前提に重要な疑義が存在すると開示されており、2026年中のdocirbrutinibライセンス契約締結が資金繰りの鍵を握る。EHA2026(2026年6月)での新たな途中結果発表がパートナリング活動の加速につながるか注目される。

契約締結が遅延した場合、追加の資金調達(希薄化)が不可避となるリスクが高い。

2026年1Qの創薬支援事業は営業利益19百万円と黒字転換(前年同期は12百万円の営業損失)し、改善が確認された。ただし米国では大口タンパク質受注の減少とAI創薬企業からの受注一時減少により低調に推移しており、最大市場での回復が持続的な収益改善の条件となる。

外部要因として、AI創薬ブームの継続が同社の受注動向に影響を与える点にも留意が必要。

2026年2月に第2回無担保普通社債(1,850百万円)と行使価額修正条項付新株予約権(潜在株式7,698,300株)を発行。1Q末時点で純資産は△163百万円、自己資本比率△8.1%と債務超過状態。

新株予約権の行使価額は株価の90%に連動して修正される仕組みであり、株価下落時には調達額が想定を下回るリスクがある。後発事象として転換社債の一部転換(500,801株)が進捗しており、希薄化圧力は継続する。

成長戦略

docirbrutinib早期導出による大型一時金獲得と創薬支援事業の収益拡大を両輪とした財務基盤の再構築

米国フェーズ1b試験(全米13施設)の用量拡大パートを実施中。ASH2025での有望な途中結果発表、Blood Cancer Journal論文掲載(2026年5月)を経て、EHA2026(2026年6月)での新たな途中結果発表によりパートナリング活動を加速。

2026年中の契約締結・導出一時金獲得が最優先目標。

固形がん用量拡大パートおよび血液がん単剤試験の最後の患者が治験終了、データ解析中。米国MDアンダーソンがんセンターとのCTA締結準備を進め、AML対象3剤併用フェーズ1b試験(医師主導治験)の開始を目指す。データ解析完了後にパートナリング活動を本格化する方針。

フェーズ1試験完了済み。胚・胎児発生毒性試験で催奇形性なしという差別化データを取得し、妊娠可能な女性への使用制限がない点を訴求。CSU(慢性突発性蕁麻疹)市場(2032年予測約54億ドル)を主要ターゲットとしてパートナリング活動を継続中。

2026年1Qに営業黒字転換(19百万円)を達成。国内・欧州・中国・AI創薬企業向けの受注拡大を継続し、米国での回復を図る。アッセイバッファー・基質の単品販売、キナーゼアッセイサポートポータル(日英中3言語)の活用で顧客利便性を高め、製品利用促進と新規顧客獲得を推進。

2026年2月17日に第2回無担保普通社債(1,850百万円)、行使価額修正条項付新株予約権(潜在株式7,698,300株)、新株式(46,200株)を発行し、実質1,496百万円を調達。本社債の償還は新株予約権行使による調達金額を充当する予定。

転換社債の転換も一部進捗(後発事象:500,801株)。

最終更新: 2026年7月17日