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エーザイ株式会社

4523東証プライム医薬品

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エーザイ株式会社4523

事業内容

エーザイ株式会社は1936年創業の日本発グローバル製薬企業で、連結子会社49社・持分法適用会社1社を擁する。事業の中心は医療用医薬品の研究開発・製造・販売であり、神経領域(アルツハイマー病・不眠症・てんかん)とがん領域(肝細胞がん・腎細胞がん・子宮内膜がん等)に経営資源を集中する。

日本・アメリカス・中国・EMEA・イーストアジア・グローバルサウスの5セグメントでグローバル展開し、2025年度売上収益は825,378百万円と過去最高を更新。主要顧客は病院・専門医を中心とした医療機関であり、一般用医薬品(チョコラBBシリーズ等)も国内で展開する。

ビジネスモデル

エーザイは「レケンビ」(Biogen社との共同開発・共同販促)、「レンビマ」(米メルク社との共同開発・共同販促)など戦略的提携を活用して開発リスクを分散しつつ、グローバル5セグメントの販売網で収益を最大化する。アメリカス事業(売上収益300,440百万円、利益率58.0%)が最大の収益源であり、中国・イーストアジア等の新興市場が高成長を担う。

ライセンス収入・マイルストン収入も補完的収益として機能する。

企業の強み

レカネマブ(レケンビ)は2025年度末時点で53の国と地域で承認を取得し、2025年度売上収益は880億円(前期比98.7%増)と急拡大。米国では皮下注オートインジェクター製剤「LEQEMBI IQLIK」を2025年10月に新発売し、利便性向上による処方拡大が進行中。

早期AD領域での先行承認という競争優位を有する。

「レンビマ」は2025年度売上収益3,425億円(前期比4.3%増)を達成し、米国では2030年6月30日まで独占期間が継続。甲状腺がん・肝細胞がん・腎細胞がん・子宮内膜がん等の複数適応を保有し、米メルク社との2036年3月まで有効な戦略的提携契約が安定的な収益基盤を支える。

アメリカス事業のセグメント利益率58.0%、中国事業45.4%と主要セグメントが高収益構造を維持。2025年度末の有利子負債控除後ネットキャッシュは801億円と実質無借金を維持し、親会社所有者帰属持分比率は62.0%。

研究開発費158,662百万円(売上収益比19.2%)を投下しながら財務健全性を確保している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の「レケンビ」売上収益は880億円(前期比98.7%増)と急拡大しているが、営業利益率は5.3%(前期6.9%)と低下した。「レケンビ」への積極的な資源投入や欧州構造改革費用が利益を圧迫しており、一過性費用を除いたコア営業利益は501億円(前期比110.7%増)と本質的収益性は改善している。

2027年3月期は営業利益700億円(前期比58.6%増)を予想しており、「レケンビ」の売上拡大に伴う利益レバレッジの発現が焦点となる。

「レンビマ」は売上収益の約41%を占める主力製品だが、ジェネリック品・競合製品の台頭と各国価格抑制策により2027年3月期予想は前期比0.7%増の3,450億円と成長鈍化が見込まれる。一方、米国でのベルズチファン併用腎細胞がんのsNDA審査(PUDFAアクションデート2026年10月4日)が承認されれば新たな成長軸となり得る。

食道がんフェーズⅢ試験の中止やMORAb-202・E7386の試験終了など開発パイプラインの絞り込みも進んでおり、R&D効率化の成果が問われる局面にある。

2026年3月期の配当性向は117.0%と親会社所有者帰属当期利益38,558百万円を大幅に上回る配当総額45,138百万円を支払った。2027年3月期予想では親会社所有者帰属当期利益52,300百万円に対し年間配当160円(配当性向86.5%)を維持する方針だが、依然として高水準。

外部要因として為替(前提:1米ドル153円)の変動が業績に与える影響も大きく、円高局面では予想達成に下振れリスクが生じる。「レケンビ」の処方拡大ペースと米国SC-AI初期療法承認の動向が2027年3月期業績の鍵を握る。

成長戦略

「レケンビ」のグローバル製剤革新・適応拡大と「レンビマ」価値最大化を両輪に長期成長を目指す

皮下注オートインジェクター製剤による初期療法は米国でsBLAがFDA優先審査指定(PUDFAアクションデート2026年8月24日)、日本でPMDA申請済み、中国でBLA受理・優先審査指定。承認取得により在宅投与が可能となり処方拡大が加速する見込み。

2027年3月期「レケンビ」売上収益予想は1,435億円(前期比63.1%増)。

米メルク社のベルズチファンとの併用療法でPFS統計学的有意改善を達成し、米国FDAがsNDAを受理(PUDFAアクションデート2026年10月4日)。日本でも2026年3月に申請済み。承認取得により「レンビマ」の独占期間(米国2030年6月まで)内での価値最大化が図られる。

ACTCとのパートナーシップのもと、無症状期ADを対象とするAHEAD 3-45試験が日本・米国・欧州等で進行中。2028年度中のトップライン取得に向け順調に進行しており、承認取得により「レケンビ」の適応対象患者層が大幅に拡大する可能性がある。

欧州での構造改革を推進し、当期に解雇給付8,728百万円を計上。2027年3月期予想では欧州構造改革による費用低減効果を織り込み、販売費及び一般管理費は前期比1.4%増の4,415億円に抑制する計画。グローバル全体のオペレーション最適化により全社収益構造の変革を図る。

2025年6月にエコナビスタ株式会社を完全子会社化(取得対価15,527百万円、のれん9,545百万円)し、SaaS型高齢者見守りシステム「ライフリズムナビ」を認知症プラットフォームのコアソリューションとして統合。中国では銀髪通を通じたオンライン診療を展開し、医療較差の是正に取り組む。

最終更新: 2026年7月19日