武田薬品工業株式会社 logo

武田薬品工業株式会社

4502東証プライム医薬品

武田薬品工業株式会社 logo
武田薬品工業株式会社4502

医薬品事業

グローバル展開する単一セグメントの研究開発型バイオ医薬品事業

期間今期前期増減率
売上収益(2026年3月期通期)4,505,720百万円4,581,551百万円
営業利益(2026年3月期通期)6,217百万円342,586百万円
当期損失・親会社所有者帰属(2026年3月期通期)△152,390百万円107,928百万円
Core売上収益(2026年3月期通期)4,505,700百万円4,579,800百万円
Core営業利益(2026年3月期通期)1,172,500百万円1,162,600百万円
Core EPS(2026年3月期通期)517円491円
基本的1株当たり当期損益(2026年3月期通期)△96.75円68.36円
営業活動によるキャッシュ・フロー(2026年3月期通期)1,041,431百万円1,057,182百万円
調整後フリー・キャッシュ・フロー(2026年3月期通期)684,500百万円769,000百万円
調整後純有利子負債/調整後EBITDA倍率(2026年3月期末)2.6倍2.8倍
年間配当金(2026年3月期)200円196円

事業詳細

消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー、ワクチン、ニューロサイエンスの6つの主要ビジネスエリアを軸に、約80カ国で医薬品を研究・開発・製造・販売する。米国・日本・欧州に高いプレゼンスを持ち、アンメット・メディカル・ニーズへの対応を重視。2026年3月期の売上収益は4,505,720百万円で、海外売上比率は引き続き高水準を維持。AMITIZA反トラスト訴訟引当金402,544百万円の計上により財務ベースの営業利益・当期利益は大幅に悪化したが、Core業績は堅調を維持した。

直近の概況

AMITIZA反トラスト訴訟の陪審評決を受け402,544百万円の訴訟引当金を修正後発事象として計上、財務ベース業績が大幅悪化

2026年5月18日(米国東部時間)、米国マサチューセッツ州連邦地方裁判所においてAMITIZA(ルビプロストン)に係る反トラスト訴訟で陪審が武田薬品に不利な評決を下し、884,943,990米ドルの損害賠償を認定(反トラスト法上、一部は自動的に三倍となる)。同評決は2026年3月31日時点に存在していた事象に関連する後発事象として、2026年3月期の決算数値を修正。連結損益計算書においてその他の営業費用に402,544百万円の訴訟引当金を追加計上し、関連する税務便益58,393百万円を計上した。この結果、修正後の営業利益は6,217百万円(修正前408,761百万円)、当期損失(親会社帰属)は△152,390百万円(修正前191,762百万円)となった。なお、本修正はCore業績に影響を与えず、2025年度期末配当金(1株当たり100円)および2026年度業績予想・マネジメントガイダンスも変更なし。当社は評決後申立ておよび控訴を行う予定で、控訴審係属中は判決の執行停止を求める方針。また、2026年3月期の財務ベース業績においても、VYVANSE後発品浸透によるニューロサイエンスの大幅減収(△26.8% AER)が継続した一方、消化器系疾患(+3.7% AER)・血漿分画製剤(+2.4% AER)・オンコロジー(+3.5% AER)は増収を維持。Core営業利益は1,172,500百万円(+0.8% AER)と前期比増益を達成し、Core EPSは517円(+5.2% AER)に改善した。

主要プロダクト

product
ENTYVIO(ベドリズマブ)

2026年3月期の売上は958,000百万円(+439億円、+4.8% AER)。米国では皮下注射製剤の伸長により増収、欧州・カナダでも皮下注射製剤の使用拡大と患者数増加により+12.9% AER。対米ドル円高の影響を一部受けたが、消化器系疾患全体の売上収益は1,407,500百万円(+3.7% AER)に達した。

product
免疫グロブリン製剤(GAMMAGARD LIQUID/KIOVIG・ハイキュービア・キュービトル)

2026年3月期の免疫グロブリン製剤合計売上は790,600百万円(+328億円、+4.3% AER)。皮下注射製剤のキュービトルとハイキュービアの売上が伸長。静脈注射製剤のGAMMARD LIQUID/KIOVIGはメディケア・パートDの再設計および対米ドル円高の影響を受けたものの、わずかに増収。血漿分画製剤全体は1,057,500百万円(+2.4% AER)。

product
VYVANSE/ELVANSE(リスデキサンフェタミン)

2026年3月期の売上は203,200百万円(△1,474億円、△42.0% AER、△43.0% CER)。米国において後発品の市場浸透が引き続き進んだことが主因。ニューロサイエンス全体の売上収益は414,300百万円(△26.8% AER)に落ち込んだ。なお、VYVANSE/ELVANSEに係る無形資産の償却は2026年1月に終了しており、2027年3月期以降の無形資産償却費は大幅に減少する見込み。

product
タクザイロ(ラナデルマブ)

希少疾患の成長製品として位置づけられ、米国・欧州・成長新興国での市場浸透が継続。希少疾患全体の売上収益は762,700百万円(+1.3% AER、△0.3% CER)。リブテンシティ(+42.2% AER)、アジンマ(+68.8% AER)、ボンベンディ(+20.8% AER)も成長を継続。

product
QDENGA(4価デング熱ワクチン)

2026年3月期の売上は40,800百万円(+52億円、+14.6% AER、+10.7% CER)。成長新興国における高い需要により上市以降、売上が増加。ワクチン全体の売上収益は59,600百万円(+7.6% AER)。なお、日本における麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)の一時的な出荷停止継続がその他ワクチンの減収要因となった。

product
タケキャブ/VOCINTI(ボノプラザン)

2026年3月期の売上は143,700百万円(+129億円、+9.9% AER、+9.6% CER)。中国および日本における堅調な需要によるもの。消化器系疾患の成長製品として位置づけられ、地理的拡大が継続している。

product
FRUZAQLA(フルキンチニブ)

2026年3月期の売上は55,100百万円(+72億円、+14.9% AER、+14.6% CER)。転移性大腸がんにおける新たな治療選択肢として欧州・日本・成長新興国で着実に市場浸透。米国ではメディケア・パートDの再設計による影響で減少したが、それ以外の地域での増収が上回った。

product
アドセトリス(ブレンツキシマブ ベドチン)

2026年3月期の売上は140,200百万円(+112億円、+8.7% AER、+5.3% CER)。欧州および成長新興国における堅調な需要に加え、対ユーロでの円安による増収影響。オンコロジー全体の売上収益は580,100百万円(+3.5% AER)。

成長ドライバー

  • ENTYVIOの皮下注射製剤普及による消化器系疾患の継続的成長(2026年3月期+3.7% AER)および好酸球性食道炎治療剤EOHILIAの米国での堅調な需要拡大
  • 免疫グロブリン製剤(ハイキュービア・キュービトル)の需要拡大による血漿分画製剤の増収(+2.4% AER)
  • リブテンシティ(+42.2% AER)・アジンマ(+68.8% AER)・ボンベンディ(+20.8% AER)等の希少疾患成長製品の市場浸透拡大
  • FRUZAQLA・アドセトリス等オンコロジー製品の欧州・成長新興国への地理的拡大(オンコロジー全体+3.5% AER)
  • QDENGAのデング熱流行国への普及加速(+14.6% AER)
  • VYVANSE/ELVANSEに係る無形資産償却の2026年1月終了による2027年3月期以降の無形資産償却費大幅減少(2026年3月期予想△4,135億円、前期比△908億円)
  • 後期開発パイプライン3品(oveporexton、rusfertide、ザソシチニブ)の臨床第3相試験での良好な結果(いずれも数十億米ドル規模の売上収益ポテンシャル)
  • 2028年度までに年換算2,000億円以上の費用節減を目指すトランスフォーメーション・プログラムによるコスト規律の強化
  • タケキャブ/VOCINTIの中国・日本での堅調な需要継続(+9.9% AER)

リスク

  • 米国でのVYVANSE後発品浸透継続によるニューロサイエンス売上の大幅減収(2026年3月期△26.8% AER)および2027年3月期以降も継続する影響
  • AMITIZA反トラスト訴訟リスク:陪審評決で884,943,990米ドルの損害賠償が認定され(一部は三倍化)、最終的な負債額は未確定。評決後申立・控訴の結果次第では追加の財務負担が生じる可能性
  • メディケア・パートDの再設計および340Bプログラム拡大による米国製品への価格圧力(GAMMAGARD LIQUID/KIOVIG、FRUZAQLA等に影響)
  • 為替変動リスク(売上収益の約90%が海外、特に米ドル・ユーロの影響大。2026年3月期は対米ドル円高が米国売上に△1,000億円超の影響)
  • のれん・無形資産の減損リスク(2026年3月期末残高:のれん5,809,010百万円、無形資産3,419,348百万円)。当期はガンマ・デルタT細胞療法プラットフォーム(582億円)・アルンブリグ(319億円)等の減損損失を計上
  • 調整後純有利子負債が3,817,600百万円(2026年3月期末)と高水準を維持しており、金利上昇・為替変動による財務費用増加リスク
  • RESOLOR/MOTEGRITYの米国後発品参入(2025年1月から複数参入)による消化器系疾患内での減収圧力
  • 血漿分画製剤における原料血漿の安定調達リスクおよびファイバ等の遺伝子組換え製剤との競争激化(ファイバ△16.6% AER)
  • EU・日本から米国への医薬品輸入に対する関税措置リスク(地政学的分断・貿易政策の不確実性)
  • 日本におけるMRワクチンの一時的な出荷停止継続によるワクチン事業への影響
  • 後期開発パイプライン(oveporexton、rusfertide、ザソシチニブ等)の規制当局による承認取得の不確実性

最終更新: 2026年6月17日