事業内容
HENNGE株式会社は1996年創業、「テクノロジーの解放(Liberation of Technology)」を経営理念に掲げる東証グロース上場のSaaS企業。主力サービス「HENNGE One」は、クラウド移行を進める企業向けに、シングルサインオン・アクセス制御(Identity)、メール誤送信対策・ファイル共有管理(DLP)、標的型攻撃対策(Cybersecurity)の3機能を一体提供する総合クラウドセキュリティプラットフォームである。
銀行・自治体を含む多様な業種・規模の企業3,427社(2025年9月期末)、契約ユーザ数2,799,960人を擁し、台湾子会社・米国合弁会社HENNGE Inc.を通じた海外展開も開始している。
ビジネスモデル
HENNGE Oneはユーザ数×ARPU(ユーザあたり年額単価)で構成される年間サブスクリプション契約を採用し、原則として年間費用をサービス開始時に一括受領する。解約されない限り前期契約が翌期収益の基盤となる構造で、2025年9月期末ARRは11,135百万円、月次解約率は0.33%と低水準を維持。
売上高の99.2%(10,837百万円)がリカーリング性の高い収益で構成されており、先行投資を支える健全なキャッシュフロー基盤を形成している。
企業の強み
2025年9月期の月次平均解約率は0.33%(前期比0.21ポイント減)と極めて低水準。売上高10,924百万円のうち99.2%にあたる10,837百万円がリカーリング性収益で構成されており、前期積み上げ契約が翌期収益の基盤となる構造が安定成長を支えている。
2025年9月期のARRは前期末比27.2%増の11,135百万円。2024年4月の価格改定・新ライセンス体系導入によりARPUが上昇し、売上総利益率は前期比2.4ポイント増の86.5%を達成。営業利益は1,793百万円(前期比76.7%増)と利益成長が売上成長を大幅に上回った。
2025年9月期の主要販売先は大塚商会1,754百万円(売上比16.1%)、SB C&S株式会社1,581百万円(同14.5%)。両社を含む販売パートナーとの連携により、首都圏以外の地域を含む多層的な顧客獲得体制を構築。契約企業数は3,427社(前期比16.1%増)に拡大している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年9月期中間期(2025年10月〜2026年3月)の売上高は6,129百万円(前年同期比+17.7%)、営業利益は1,268百万円(同+13.3%)、親会社株主帰属中間純利益は884百万円(同+11.7%)。売上総利益率は86.8%と前年同期86.0%から改善。
HENNGE One事業が+19.2%増の5,792百万円と牽引した一方、プロフェッショナル・サービス等は△2.8%の337百万円と微減。過去5期の売上高成長率は概ね15〜30%台で推移しており、直近中間期の+17.7%は前年同期+33.6%から鈍化しているが、ARR14.7%増・解約率改善等の先行指標は良好。
外部環境として国内企業のDX投資継続が需要を下支えしている。
成長戦略
ARR最大化を軸に、国内契約拡大・ARPU向上・海外展開の三位一体で成長
販売パートナー網の活用と直販強化により契約企業数を拡大。2026年9月期中間期末に3,731社・2,964,065ユーザを達成(前年同期比それぞれ+17.2%・+11.9%増)。低解約率0.26%の維持と新規獲得の両立でARRを積み上げる。
2024年4月導入の新ライセンス体系(リブランディング後)により、既存顧客の上位プラン移行促進と新規顧客の高単価獲得を図る。ARRの前年同期比成長率14.7%はユーザ数成長率11.9%を上回っており、単価上昇効果が確認される。
2025年4月設立の米国合弁会社を通じて北米市場への展開を開始。当中間期は非支配株主損失77百万円が発生しており、先行投資フェーズにある。収益貢献の時期・規模は未確定で、今後の進捗開示が注目される。
2026年5月1日に第8回新株予約権(3,232個、対象株式323,200株、行使価格964円)を従業員339名に割当完了。長期的な事業成長と企業価値向上を目的とし、優秀人材の採用・定着を図る。
最終更新: 2026年7月17日

