事業内容
日華化学株式会社は1941年創業の界面活性剤メーカーで、現在は当社・子会社20社・関連会社2社の計23社体制で事業を展開する。主力の化学品事業では繊維加工用薬剤・電子材料向け機能性化学品をアジア・北米を中心とするグローバル17社体制で製造・販売し、化粧品事業ではプロフェッショナル向けヘアケア製品を国内外サロンに提供する。
売上高55,705百万円のうち化学品事業が約72%、化粧品事業が約27%を占め、環境・健康衛生・デジタル(EHD)領域への集中戦略を軸に高付加価値製品へのシフトを進めている。東京証券取引所スタンダード市場および名古屋証券取引所プレミア市場に上場。
ビジネスモデル
化学品事業では自社の界面科学技術を活かしたフッ素フリー撥水剤・半導体工程薬剤等の機能性化学品を製造し、繊維加工場・電子材料メーカー等B2B顧客に販売する。化粧品事業ではプロフェッショナル向けヘアケア製品を国内サロンチャネルで販売するほか、山田製薬株式会社を通じた受託製造でも収益を得る。
研究開発費2,732百万円を投じた技術差別化と、グローバル17社体制による現地密着営業が収益基盤を支える。
企業の強み
2025期において化学品事業は売上高39,894百万円・セグメント利益3,948百万円・利益率9.9%、化粧品事業は売上高15,259百万円・セグメント利益1,966百万円・利益率12.9%をそれぞれ過去最高として更新。両セグメント同時の最高益達成は事業ポートフォリオの安定性を示す。
化学品事業はアジア(中国・台湾・韓国・インドネシア・ベトナム・インド・バングラデシュ)・北米・タイ等に17社を擁するグローバル体制を構築。中国拠点を中心にフッ素フリー系撥水剤等EHD関連製品の売上伸長と新規ビジネス獲得を実現し、特定地域依存リスクを分散している。
2019年開設のNICCAイノベーションセンター(NIC)を中核に、界面科学研究所・毛髪科学研究所・海外子会社研究部門が連携。2025期の研究開発費は2,732百万円(売上高比4.9%)で、国内特許188件・海外特許121件を保有。
半導体・環境対応型撥水剤・スカルプケア等の新製品を継続的に創出している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は2023期50,169百万円を底に回復基調が続き、2025期は55,705百万円・営業利益3,847百万円に達した。2026年12月期第1四半期は売上高15,017百万円(前年同期比13.8%増)、営業利益1,159百万円(同35.4%増)、経常利益1,176百万円(同46.2%増)と加速感が増している。
化学品事業が中国・南西アジアでの新規ビジネス獲得と高付加価値EHD製品シフトにより第1四半期として過去最高を更新した。外部要因として為替換算調整勘定がプラスに転じ(前年同期△1,390百万円→当期114百万円)、包括利益も1,109百万円と前年同期の△1,141百万円から大幅改善した。
一方、純利益の急増には法人税等の大幅減少(425百万円→162百万円)が寄与しており、実力ベースの収益改善幅の精査が必要。
成長戦略
INNOVATION30で化学品EHD傾注・化粧品拡大・財務資本戦略強化の3軸成長を推進
フッ素フリー撥水剤・電子材料関連工程薬剤等の高付加価値EHD製品を中心に、中国・南西アジア・韓国等の海外拠点で新規顧客獲得を推進。2026年12月期第1四半期に化学品事業が第1四半期として過去最高の売上高・利益を達成しており、戦略の実効性が確認されている。
デミコスメティクスの注力ブランド拡販・山田製薬の受託事業拡大・大型設備投資による生産能力増強を通じて化粧品事業の収益力向上を図る。2026年12月期第1四半期は物価上昇・韓国市況悪化・戦略的コスト増により減収減益となっており、回復に向けた施策の効果発現が課題。
2026年12月期の年間配当予想を70円(前期60円から16.7%増)に引き上げ、株主還元を強化。自己資本比率は46.4%(2026年12月期第1四半期末)と前期末47.5%からやや低下しており、成長投資と財務健全性のバランス管理が継続課題。
企業パーパス「Activate Your Life」のもと、フッ素フリー撥水剤等の環境対応製品開発を通じてサステナビリティと事業成長を両立させる方針。INNOVATION30の基本戦略の一つとして位置付けられており、規制強化という外部環境を自社の製品競争力強化に転換する取り組みを継続。
最終更新: 2026年7月17日

