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第一工業製薬株式会社

4461東証プライム化学

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第一工業製薬株式会社4461

事業内容

第一工業製薬は1918年創業の特殊化学品メーカーで、東京証券取引所プライム市場に上場。当社グループは当社・子会社12社・関連会社2社で構成され、電子・情報、環境・エネルギー、ライフ・ウェルネス、コア・マテリアルの4分野で事業を展開する。

主力製品はハイエンドサーバー向け低誘電樹脂材料、リチウムイオン電池負極用水系複合接着剤、ショ糖脂肪酸エステル、各種界面活性剤など。国内外の電子機器メーカー・食品メーカー・化学品商社を主要顧客とし、売上高82,886百万円(2026年3月期)を誇る。

創業以来の界面技術を核に、AI・データセンター投資拡大や電動化・脱炭素といった社会変革に対応した高付加価値素材を提供している。

ビジネスモデル

自社保有の界面技術・合成技術を基盤に、電子・情報から生活関連まで多分野向けに機能性素材を製造販売する。高付加価値品(低誘電樹脂材料・電池材料等)が収益を牽引し、汎用品(界面活性剤・難燃剤等)が安定収益基盤を担う二層構造。

研究開発費4,326百万円(売上高比5.2%)を投じ、特許出願195件(2026年3月期)の研究開発力で差別化を図る。国内外の製造・販売子会社を通じたグローバル展開も収益多様化に寄与している。

企業の強み

電子・情報セグメントの売上高は30,507百万円(前期比21.8%増)、営業利益6,203百万円・営業利益率20.3%を達成。ハイエンドサーバー向け低誘電樹脂材料が国内外双方で大幅伸長し、高付加価値品へのポートフォリオシフトが収益性を支えている。

競合が短期間で模倣困難な独自の低誘電材料技術が競争優位の源泉となっている。

研究開発費4,326百万円(売上高比5.2%)を投じ、研究開発人員258名体制を維持。2026年3月期の特許出願は195件、新製品化率17.3%を達成。

生産技術研究所・京都中央研究所を経営直轄組織として新設し、短期・中長期テーマを並行推進する体制を構築。電池材料・低誘電材料・医薬品応用など複数領域で具体的な研究成果を創出している。

高容量リチウムイオン二次電池の負極用水系複合接着剤「エレクセル® CRシリーズ」の量産化開発が完了し、滋賀工場の製造設備増強を実施。環境・エネルギーセグメントの設備投資額は2,295百万円と全社最大。

同セグメントの売上高は23,304百万円(前期比24.5%増)、営業利益は3,142百万円(前期は97百万円の損失)へ転換し、新規事業の収益化が実証された。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高82,886百万円(前期比13.1%増)、営業利益10,107百万円(同88.9%増)、親会社株主帰属当期純利益6,169百万円(同138.6%増)と全指標で過去最高を更新した。中期経営計画「SMART 2030」の最終目標である営業利益10,000百万円を初年度にして達成しており、計画の上方修正余地が注目される。

2027年3月期予想は売上高84,000百万円・営業利益11,000百万円と増収増益継続を見込む。

電子・情報セグメントの営業利益6,203百万円は全社営業利益10,107百万円の約61%を占め、収益集中度が高い。AI・データセンター投資という外部要因に依存する側面があり、需要サイクルの変動リスクには注意が必要。

一方、前期97百万円の損失だった環境・エネルギーが3,142百万円の利益に転換したことで収益の多様化が進んでいる点は評価できる。コア・マテリアルは売上高15,182百万円・営業利益162百万円(前期比46.4%減)と低迷が続いており、ポートフォリオ改善の課題として残る。

2026年3月期の年間配当は150円(前期100円から50円増)、配当性向24.7%。2027年3月期も年間150円を維持予定。

自己資本比率は45.2%(前期39.9%)、1株当たり純資産は4,904.22円(前期4,044.52円)へ改善し、ROEは13.6%(前期6.9%)と大幅に向上した。公募増資による自己株式処分で財務基盤を強化しつつ株主還元を拡充しており、資本効率改善の観点からバリュエーション再評価の余地がある。

原材料・エネルギー価格の高騰や中東情勢に起因する地政学リスクが業績の不確実性要因として残る。

成長戦略

「SMART 2030」で2030年3月期売上高100,000百万円・営業利益10,000百万円を目指す

ハイエンドサーバー向け低誘電樹脂材料を中心に国内外での販売拡大を推進。2026年3月期に設備投資額を前期比約2.8倍の1,489百万円に拡大し生産能力を増強。次世代高速通信・半導体材料への展開も視野に入れる。

電池用材料(負極水系複合接着剤)およびモビリティ電装向け封止剤・接着剤の拡販を推進。2026年3月期に同セグメントが黒字転換(営業利益3,142百万円)を達成し、設備投資額2,295百万円と全セグメント中最大の投資を実施。

2025年4月始動の5カ年計画初年度に営業利益目標10,000百万円を達成。「挑戦し、選ばれる会社へ」を年度標語に掲げ、人的資本投資・研究開発・設備投資を継続。調達先分散化や販売価格への適正反映で原材料リスクを管理。

最終更新: 2026年7月19日