事業内容
第一工業製薬は1918年創業の特殊化学品メーカーで、東京証券取引所プライム市場に上場。当社グループは当社・子会社12社・関連会社2社で構成され、電子・情報、環境・エネルギー、ライフ・ウェルネス、コア・マテリアルの4分野で事業を展開する。
主力製品はハイエンドサーバー向け低誘電樹脂材料、リチウムイオン電池負極用水系複合接着剤、ショ糖脂肪酸エステル、各種界面活性剤など。国内外の電子機器メーカー・食品メーカー・化学品商社を主要顧客とし、売上高82,886百万円(2026年3月期)を誇る。
創業以来の界面技術を核に、AI・データセンター投資拡大や電動化・脱炭素といった社会変革に対応した高付加価値素材を提供している。
ビジネスモデル
自社保有の界面技術・合成技術を基盤に、電子・情報から生活関連まで多分野向けに機能性素材を製造販売する。高付加価値品(低誘電樹脂材料・電池材料等)が収益を牽引し、汎用品(界面活性剤・難燃剤等)が安定収益基盤を担う二層構造。
研究開発費4,326百万円(売上高比5.2%)を投じ、特許出願195件(2026年3月期)の研究開発力で差別化を図る。国内外の製造・販売子会社を通じたグローバル展開も収益多様化に寄与している。
企業の強み
電子・情報セグメントの売上高は30,507百万円(前期比21.8%増)、営業利益6,203百万円・営業利益率20.3%を達成。ハイエンドサーバー向け低誘電樹脂材料が国内外双方で大幅伸長し、高付加価値品へのポートフォリオシフトが収益性を支えている。
競合が短期間で模倣困難な独自の低誘電材料技術が競争優位の源泉となっている。
研究開発費4,326百万円(売上高比5.2%)を投じ、研究開発人員258名体制を維持。2026年3月期の特許出願は195件、新製品化率17.3%を達成。
生産技術研究所・京都中央研究所を経営直轄組織として新設し、短期・中長期テーマを並行推進する体制を構築。電池材料・低誘電材料・医薬品応用など複数領域で具体的な研究成果を創出している。
高容量リチウムイオン二次電池の負極用水系複合接着剤「エレクセル® CRシリーズ」の量産化開発が完了し、滋賀工場の製造設備増強を実施。環境・エネルギーセグメントの設備投資額は2,295百万円と全社最大。
同セグメントの売上高は23,304百万円(前期比24.5%増)、営業利益は3,142百万円(前期は97百万円の損失)へ転換し、新規事業の収益化が実証された。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期62,672百万円→2023期65,081百万円→2024期63,118百万円と低迷後、2025期73,255百万円・2026期82,886百万円と急拡大。営業利益は2023期1,186百万円の底から2026期10,107百万円へ約8.5倍に回復し、営業利益率は12.2%(前期7.3%)に達した。
牽引役はハイエンドサーバー向け低誘電樹脂材料(電子・情報)と電池用負極水系複合接着剤(環境・エネルギー)。外部要因として、AI・データセンター投資拡大と電動化需要が追い風となった。
一方、原材料・エネルギー価格の上昇圧力や中国・アジア勢との価格競争激化が継続的なコスト負荷となっている。
成長戦略
「SMART 2030」で2030年3月期売上高100,000百万円・営業利益10,000百万円を目指す
ハイエンドサーバー向け低誘電樹脂材料を中心に国内外での販売拡大を推進。2026年3月期に設備投資額を前期比約2.8倍の1,489百万円に拡大し生産能力を増強。次世代高速通信・半導体材料への展開も視野に入れる。
電池用材料(負極水系複合接着剤)およびモビリティ電装向け封止剤・接着剤の拡販を推進。2026年3月期に同セグメントが黒字転換(営業利益3,142百万円)を達成し、設備投資額2,295百万円と全セグメント中最大の投資を実施。
2025年4月始動の5カ年計画初年度に営業利益目標10,000百万円を達成。「挑戦し、選ばれる会社へ」を年度標語に掲げ、人的資本投資・研究開発・設備投資を継続。調達先分散化や販売価格への適正反映で原材料リスクを管理。
最終更新: 2026年7月19日

