事業内容
株式会社シノプスは「世界中の無駄を10%削減する」をビジョンに掲げ、小売業・卸売業・製造業の流通三層向けにAI需要予測・自動発注サービス「sinopsシリーズ」を提供する。主力の「sinops-CLOUD」は食品スーパーマーケットを中心に展開し、惣菜・日配・生鮮など多様なカテゴリの自動発注を1機能・1カテゴリ・1店舗から利用可能なクラウド型サービスとして提供。
食品スーパーマーケット向けシェア率36.7%、富士キメラ総研調査の食品ロス削減ソリューション市場で3年連続シェア1位を獲得。2023年には伊藤忠商事と共同でサプライチェーン全体を繋ぐ「DeCM-PF」を開始し、流通三層一気通貫のディマンド・チェーン・マネジメント構築を経営戦略の柱としている。
ビジネスモデル
売上高2,041百万円のうち、クラウド売上高1,112百万円(54.5%)とサポート売上高400百万円(19.6%)を合計したストック売上高が1,511百万円(74.1%)を占め、安定的な収益基盤を形成。クラウドサービスは1機能・1カテゴリ・1店舗から利用開始でき、既存ユーザーのアップセル・クロスセルにより単価拡大を図る。
導入支援サービスは必須提供とすることで導入効果を担保し、継続利用率の維持に貢献している。
企業の強み
富士キメラ総研「業種別IT投資動向/DX市場の将来展望 2026年版」において、需要予測・自動発注ツールを対象とした食品ロス削減ソリューション市場で2022年度調査開始以来3年連続シェア1位を獲得。食品スーパーマーケット向けシェア率は36.7%と高水準を維持しており、ARRは1,587百万円(前年同期比18.8%増)に達している。
クラウド売上高1,112百万円とサポート売上高400百万円を合計したストック売上高は1,511百万円(前期比16.6%増)で、売上高全体の74.1%を占める。月額課金型のクラウドサービスが成長を牽引し、有償店舗数3,363店舗・有償アカウント数13,278アカウントを確保。
収益の可視性と安定性が高い事業構造となっている。
賞味期限が短く価格変動が激しい日配食品や、カニバリゼーション考慮が必要な惣菜・精肉カテゴリへの需要予測・自動発注に対応。エキスパート法によるAI機能と「中食・惣菜向け需要予測・自動発注ロジック」の特許(2021年取得)を保有し、競合他社の参入が限定的な技術領域で差別化を図っている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期1,202百万円から2025期2,041百万円へ5期連続増収。2025期は営業利益309百万円と前期比約2倍に急回復した。
しかし2026年12月期第1四半期累計では、売上高483百万円(前年同期比6.5%増)と増収を維持する一方、クラウド展開に伴う製造部門人員増・通信費増で売上原価が15.6%増、外注費増で販管費が3.8%増となり、営業利益は26百万円(同39.4%減)と大幅に悪化。経常利益は経済産業省補助金収入・為替差益等の営業外収益16百万円に支えられ42百万円(同5.7%減)にとどまった。
通期予想は変更なく、後半の収益回復が焦点。
成長戦略
コアSaaS深耕とDeCM-PF・WLMS育成による流通三層インフラ化
既存121社・3,317店舗への追加機能提案と店舗数拡大を通じてARRを継続成長させる。2026年12月期第1四半期累計でクラウド売上高が前年同期比21.9%増と牽引役となっており、有償アカウント数も前年同期比1,083アカウント増の13,496に拡大中。
伊藤忠商事と共同提供する「DeCM-PF」の収益拡大を図るとともに、経済産業省補助事業「持続可能な物流を支える物流効率化実証事業」を活用し、メーカー物流最適化に向けた段階的な機能拡大を推進。2026年12月期第1四半期に補助金収入10百万円を計上。
小売業の人時生産性改善・向上を目的としたsinops-WLMSシリーズについて、既存・新規ユーザーへの提案と実証実験を継続し、中長期の新収益柱として育成中。人件費上昇・労働需給ひっ迫という外部環境が追い風となっているが、本格収益貢献は中長期課題。
最終更新: 2026年7月17日

