事業内容
株式会社Finatextホールディングスは「金融をサービスとして再発明する」をミッションに掲げ、証券・保険・クレジット向けSaaS型次世代クラウド基幹システム(BaaS・Inspire・Crest)を中核とする金融インフラストラクチャ事業を展開する。既存金融機関や非金融大企業(Embedded Finance参入企業)をパートナーとして、初期導入から運用まで一貫支援する。
加えて、金融機関向けDX支援(フィンテックシフト事業)と、POSデータ・クレジットカードデータ等を活用したビッグデータ解析・データAIソリューション事業(ビッグデータ解析事業)を展開し、金融サービスのデジタル変革を包括的に支援する体制を構築している。
ビジネスモデル
金融インフラストラクチャ事業では、パートナー企業への初期システム開発費(フロー収益)、月次定額利用料(ストック収益)、証券売買・保険料・金利手数料に連動する従量課金収益の三層で収益を得る。パートナー企業が自社顧客へのマーケティングを担うため当社の顧客獲得コストが低く抑えられ、パートナー数・エンドユーザー数の増加に伴い利益率が向上する構造を持つ。
ビッグデータ解析事業ではデータライセンス料と開発委託費を受領する。
企業の強み
金融インフラストラクチャはパートナー企業のオペレーションに深く組み込まれるため解約率が低く、顧客LTVの最大化が図りやすい。2026年3月期末時点でBaaS稼働28サービス、Inspire導入17社、Crest稼働5社と累積パートナー数は50件(前期比+18件)に達し、ストック収益基盤が着実に拡大している。
2026年3月末時点でエンジニア・PM・デザイナー・ウェブディレクターがグループ全体の69%を占め、金融とテクノロジーを融合した高度な開発・運用体制を構築している。研究開発費は当期146,485千円を投じ、設備投資(ソフトウェア)は234,680千円と継続的な機能拡充を実施している。
金融インフラストラクチャ(基幹システム)、フィンテックシフト(DX・マーケティング支援)、ビッグデータ解析(データAI活用)の三事業を一体提供できる体制が競合との差別化要因となっている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券やSBI損害保険など大手金融機関への導入実績がその競争力を裏付けている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2027年3月期第1四半期は売上高2,843百万円(前年同期比35.1%増)と5期連続増収の流れを継続した一方、営業利益188百万円(同15.8%減)、経常利益167百万円(同21.8%減)と主力の金融インフラストラクチャ事業における先行投資により減益となった。ただし親会社株主に帰属する四半期純利益は繰延税金資産の計上により565百万円(同54.2%増)と増加。
通期業績予想(売上15,500百万円、営業利益3,338百万円、前期比75.6%増)は修正されておらず、季節性により下期に売上・利益が集中する構造上、Q1時点の減益が通期トレンドを損なうものではないと会社側は判断している。
成長戦略
金融インフラのパートナー拡大・機能拡充と、データ・AI領域の新事業育成による多層的成長
証券インフラでは新規2社がDWM活用サービスを開始しBaaS稼働数29に、保険インフラではInspire導入企業数18社、クレジットインフラではCrest稼働社数6社に拡大。各領域で新規パートナー獲得が進展している。
不動産業界向け「DataLensHub」や個人情報を扱えるローカルLLM基盤の構築により、データAIソリューションビジネスが急拡大。セグメント利益は前年同期比347.7%増となり、新たな収益柱として成長している。
既存顧客向けの追加機能拡充支援によりセグメント損失は72,362千円と前年同期の82,847千円から縮小。売上高は281百万円(前年同期比57.9%増)と拡大し、損益改善が進行中。
最終更新: 2026年8月13日

