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ハリマ化成グループ株式会社

4410東証プライム化学

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ハリマ化成グループ株式会社4410

事業内容

ハリマ化成グループは1947年創業のパインケミカル専業メーカーを源流とし、松から得られる粗トール油を精留・加工して塗料用樹脂・印刷インキ用樹脂・製紙用薬品・電子接合材料などを製造・販売する。国内では樹脂・化成品(売上高21,420百万円)・製紙用薬品(28,716百万円)・電子材料(13,718百万円)を展開し、海外では子会社LAWTER B.V.を中心とするローター事業(35,931百万円)が世界8ヵ国で粘接着剤用樹脂・路面標示塗料用樹脂等を供給する。

主要顧客は製紙・塗料・印刷・自動車・半導体メーカーと幅広く、2026年3月期の連結売上高は103,763百万円に達する。

ビジネスモデル

粗トール油という再生可能バイオマス原料を精留・化学合成し、塗料・製紙・電子・接着剤など多様な産業向けに機能性化学素材を供給する。国内製造子会社ハリマ化成が高付加価値品を担い、海外はLAWTER B.V.傘下の現地製造拠点が各市場に対応する。

見込生産方式を採用し、研究開発費2,868百万円を投じて製品差別化を図ることで、原料コスト変動を価格転嫁・製品ミックス改善で吸収する収益構造を持つ。

企業の強み

1958年に国内初の粗トール油連続式真空精密分留装置を稼働させて以来、パインケミカル分野の技術を深化させてきた。2025年2月にはトール油蒸留パイロットプラントが日本化学会の化学遺産に認定されており、業界における技術的先駆性が公的に評価されている。

この蓄積がISCC認証取得やバイオマス代替製品開発の基盤となっている。

2011年の米国モメンティブ社ロジン関連事業買収を契機に、北米・欧州・南米・アジアに製造拠点を展開し、現在10ヵ国体制を構築している。ローター事業は売上高35,931百万円とグループ最大規模を誇り、北米での路面標示塗料用樹脂や欧州での印刷インキ用樹脂でシェアを確保している。

この地理的分散が特定市場への依存リスクを低減している。

製紙用薬品セグメントは売上高28,716百万円・営業利益率8.8%とグループ最高水準の収益性を誇る。米国子会社Plasmine Technology, Inc.を通じた販売先拡大によりサイズ剤の販売数量が増加し、中国では3拠点体制で現地需要に対応している。

FDA・BfR・中国GB9685等の主要規制に適合した食品包装向け薬剤を商用化しており、規制対応力が参入障壁となっている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は親会社株主帰属当期純利益が2,345百万円(前期比+207.5%)と急回復し、営業利益率も3.2%まで改善した。ただしローター事業の営業利益は38百万円(前期622百万円から△93.9%)と原材料費・燃料等の製造コスト上昇により急落しており、グループ最大の売上規模を持つセグメントの収益安定性は構造的課題として残る。

2027年3月期のローター売上高計画393,000百万円(前期比+9.4%)の達成可否が利益水準を左右する。

2026年3月期末の自己資本比率は39.7%(前期37.3%)に改善し、純資産も41,506百万円へ増加した。一方で短期借入金を70,950百万円削減した代わりに長期借入金が41,430百万円増加しており、支払利息は1,099百万円(前期987百万円)に増加している。

外部要因として国内金利上昇局面が続く中、有利子負債の借り換えコスト上昇リスクは引き続き注視が必要。インタレスト・カバレッジ・レシオは7.2倍(前期6.5倍)と改善しており、現時点での財務的余裕度は確保されている。

2027年3月期の会社予想は売上高110,000百万円(前期比+6.0%)・営業利益3,500百万円(+6.6%)・当期純利益2,650百万円(+13.0%)と増収増益を見込む。ただし経営者コメントでは米国関税政策の動向、中国景気回復の遅れ、中東情勢によるエネルギー価格上昇、円安長期化による原材料・エネルギー価格の高止まりを主要リスクとして明示している。

海外売上比率58.9%のグローバル企業として為替変動の影響も大きく、予想達成には外部環境の安定が前提条件となる。

成長戦略

「NEW HARIMA 2026」のもと製紙薬品・電子材料への重点投資と海外事業拡大を推進

米国での販売先増加によるサイズ剤の販売数量拡大が2026年3月期に実績として顕在化(売上高28,716百万円・営業利益2,538百万円)。2027年3月期計画では売上高299,000百万円(前期比+4.1%)を見込み、北米・アジア成長市場での継続的な顧客基盤拡充を推進する。

半導体レジスト用樹脂の市況好調と熱交換器用ろう付け材料の海外需要増加により2026年3月期売上高13,718百万円(前期比+3.2%)を達成。ただし原材料価格高騰と人員増加コストにより営業利益は374百万円(前期比△2.1%)と微減。

2027年3月期計画では売上高165,000百万円(前期比+20.3%)と大幅成長を見込む。

2026年3月期のローター営業利益は原材料費・燃料コスト上昇により38百万円(前期比△93.9%)と急落。北米・南米での路面標示塗料用樹脂は好調だが、印刷インキ用樹脂の価格低下・販売数量減少が足を引っ張る。

2027年3月期計画では売上高393,000百万円(前期比+9.4%)を見込むが、収益性回復が最重要課題。

SunPine ABは2026年3月期に持分法投資利益452百万円を計上し、前期の損失(△329百万円)から黒字転換を達成。グループ全体の経常利益改善に大きく寄与した。引き続きバイオマス原料調達の安定化と収益貢献の持続が期待される。

2026年3月期の設備投資実績は4,660百万円(有形固定資産取得3,580百万円)。機械装置及び運搬具(純額)が前期比1,571百万円増加し、生産体制の整備が進捗。2027年3月期の設備投資計画は4,700百万円と前期並みの水準を維持し、継続的な生産能力増強を図る。

最終更新: 2026年7月19日