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日油株式会社

4403東証プライム化学

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事業内容

日油株式会社は1921年創業の総合化学メーカーで、当社および子会社30社・関連会社9社で構成される企業集団。機能化学品事業(脂肪酸誘導体・界面活性剤・特殊防錆処理剤・電子材料等)、医薬・医療・健康事業(DDS医薬用製剤原料・生体適合性素材・食用加工油脂等)、化薬事業(産業用爆薬・宇宙関連製品・防衛関連製品)の3セグメントを主軸とし、国内外に製造・販売拠点を持つ。

「バイオから宇宙まで」を経営理念に掲げ、ライフ・ヘルスケア、環境・エネルギー、電子・情報の3分野を重点領域として事業領域を拡大している。

ビジネスモデル

油脂化学・石油化学・火薬技術を核とした製品群を国内外の産業・医薬・防衛市場に供給する製造販売モデル。機能化学品・医薬は見込み生産、化薬は受注生産を採用し、防衛関連では前受金受領による資金効率も確保。

売上高営業利益率18.4%(2026年3月期)を維持しつつ、配当性向40%・総還元性向70%以上を目標とした株主還元を実施している。

企業の強み

活性化PEG・機能性脂質・医薬用界面活性剤等のDDS医薬用製剤原料において独自技術を保有し、NOF AMERICA CORPORATIONおよびNOF EUROPE GmbHを通じた欧米・アジア向け販売網を構築。LS愛知工場の新設備稼働により核酸医薬品・バイオ医薬品市場への供給能力を拡大しており、医薬・医療・健康事業の営業利益率は31.7%(2026年3月期)に達する。

防衛力整備計画を背景に化薬事業の受注残高は118,396百万円(前期比100.9%増)に達し、防衛関連前受金13,914百万円を受領済み。英国・ドイツ・米国・ノルウェーとの技術導入契約を保有し、早期装備化に向けた設備投資25,733百万円を実施。

2026年3月期の化薬事業売上高は前期比59.1%増の61,675百万円、営業利益は前期比154.9%増の7,979百万円を達成した。

NOFメタルコーティングスグループとして日本・北米・欧州・韓国・中国に製造・販売拠点を展開し、自動車ファスナー向け亜鉛フレーク処理剤で国際的な顧客基盤を構築。機能化学品事業全体が前期比3.4%減収の中、特殊防錆処理剤は国内外で堅調な需要を維持し増収を達成。

PFASフリーコーティング剤等の環境対応製品開発も進めている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の化薬事業は売上高61,675百万円(前期比59.1%増)・営業利益7,979百万円(同154.9%増)と突出した成長を示した。ただし、早期装備化に係る防衛関連設備の取引は「一定期間にわたり充足する履行義務に応じて収益を認識」する方式を当期より採用しており、固定資産取得費用を売上原価計上する特殊処理が含まれる。

減価償却費が前期7,965百万円から当期22,116百万円へ急増した背景もここにある。投資家は収益認識タイミングと工事進捗の関係を精査する必要がある。

2027年3月期の医薬・医療・健康事業は売上高50,200百万円(前期比0.5%増)・営業利益12,300百万円(同22.2%減)と大幅減益が予想されている。DDS医薬用製剤原料において一部顧客の上市製品の市場展開が想定より遅延していることに加え、LS愛知工場の減価償却費等の固定費増加が重なる。

会社側は「2028中期経営計画の後半から回復を見込む」としているが、遅延の長期化リスクは引き続き監視が必要である。

2026年3月期は自己株式取得20,006百万円・配当金支払11,546百万円を実施し、配当性向34.6%・年間配当61円(前期45円から35.6%増配)と株主還元を大幅強化した。2027年3月期は年間配当70円(配当性向41.3%予想)を計画。

後発事象として2026年5月に上限1,700,000株・50億円の追加自己株式取得も決議済み。一方、自己資本比率は前期78.0%から74.0%へ低下しており、化薬事業への大規模設備投資(固定資産増加額25,733百万円)と株主還元の両立が財務規律の観点から注目される。

成長戦略

「NOF VISION 2030」推進と化薬・医薬の戦略投資で次期中計「2028中期経営計画」へ移行

防衛関連製品の早期装備化に係る防衛関連設備への投資を推進。2026年3月期の化薬事業固定資産増加額は25,733百万円に達し、2027年3月期予想売上高112,800百万円・営業利益15,400百万円と継続的な増収増益が見込まれる。履行義務進捗方式による収益認識が工事進捗とともに拡大する構造。

LS愛知工場の稼働により核酸医薬品・バイオ医薬品向けDDS製剤原料の供給能力を拡充。一部顧客の上市製品市場展開が遅延しており2027年3月期は医薬・医療・健康事業の営業利益が12,300百万円(前期比22.2%減)と一時的に落ち込む見通し。「2028中期経営計画」後半からの回復を見込む。

2025中期経営計画(最終年度2025年度)の基本方針「実践と躍進」のもと、3分野を中心にソリューションビジネスモデルへの転換を推進。エレクトロニクス分野では「産学委託研究型オープンイノベーションプログラム2025」を実施し次世代素材・技術開発を加速。次期「2028中期経営計画」でも継続推進。

2025中期経営計画最終年度(2025年度)の総還元性向50%目標に対し、2026年3月期は配当13,907百万円+自己株式取得20,006百万円で合計約33,913百万円を還元。配当性向34.6%・年間配当61円を実現。

後発事象として上限50億円の追加自己株式取得を決議。2028中期経営計画でも安定的な利益還元を継続方針。

最終更新: 2026年7月19日