Candleへの大型設備投資リスク
2028年3月完成予定の日本‐フィリピン‐シンガポール間国際海底ケーブル「Candle」は当社グループ過去最大の設備投資であり、段階的な借入により資金調達を行う。建設工事の中断・遅延や未完成、または販売計画の遅れが生じた場合、財政状態および経営成績に重大な影響を与える可能性がある。2026年3月末時点の有利子負債依存度は24.8%であり、今後さらに上昇する見込みで財務体質悪化リスクも伴う。
フィリピン通信規制・ライセンスリスク
InfiniVANはフィリピン国内通信事業に必要なCPCNのProvisional Authority(仮免許)を保有しているが、PAの更新が認められない場合、当社グループの国際通信事業の展開に支障が生じる。また、R.A.10898に基づく株式売り出し義務(事業開始後5年内に30%以上)の適用延長をフィリピン国会に申請中であり、法令違反が発生した場合にはVAS登録やCPCNの取り消しリスクがある。当社グループは許認可の更新申請を継続しているが、規制当局の判断次第で事業継続が困難になる可能性がある。
国際通信回線の価格下落リスク
伝送技術の進化による既存通信回線の高速化や新規回線の設置により、1Mbpsあたりの国際通信回線料金は年々下落傾向にある。当社は長期IRU契約で回線を調達しているため、調達コストを下回る価格での新規契約獲得が困難になるリスクや、保有回線の陳腐化リスクがある。また、フィリピンのCATV事業者が長期IRU契約から短期リース契約へシフトする動きが顕著になっており、収益構造への影響が懸念される。
フィリピン競合激化リスク
フィリピン国内通信市場ではPLDT,Inc.およびGlobe Telecom,Inc.の2大事業者が寡占しており、これらの仕入先が当社の販売先であるCATV事業者に直接販売する場合、競争が激化する。さらに3番目の携帯電話事業者Dito社の参入や、Converge ICT Solutions,Inc.との通信ケーブル共同利用など競合他社の競争力強化が進んでおり、当社グループが価格競争で劣勢に立たされ顧客の獲得・維持が困難になる可能性がある。外資規制緩和により他の外国資本の参入による競争激化も見込まれる。
特定仕入先への依存リスク
国際通信事業の回線調達はTelstra International Limited、Telekom Malaysia Berhad、PLDT,Inc.、Globe Telecom,Inc.の4社に集中しており、供給停止・値上げ・品質問題が発生した場合にサービス提供に支障をきたす可能性がある。国内通信事業のコールセンターシステム「AmeyoJ」はDrishti-Soft Solutions(現Exotel Techcom)との契約に依存しており、3か月前通知でいつでも解約可能な条件のため代替手段がない。これらの仕入先リスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性がある。
為替変動リスク
当社グループはフィリピン等海外で通信サービスの仕入・販売を行っており、契約締結時と決済時の為替変動が収益に影響する。2026年3月末時点でIRU取引に関連するリース投資資産5,277百万円および外貨建て借入金5,478百万円を保有しており、為替変動による評価替えが財政状態に直接影響する。連結財務諸表作成時の円換算レートの変動も業績に影響を与える可能性がある。
国内通信事業の需要縮小リスク
IPSPが主力とする音声通話サービスは、チャット・メール・SNS等の普及により需要が減退しており、当連結会計年度の国内通信事業売上の約3割を音声通信が占める。コールセンター運営事業者もチャットロボ等への移行を進めており、中長期的に音声通信市場の縮小が見込まれる。当社はコールセンターシステムやデータセンターコロケーションサービス等への事業構造転換を進めているが、転換が想定どおりに進まない場合、財政状態および経営成績に影響を与える可能性がある。
フィリピンカントリーリスク
当社グループはフィリピンに8社のグループ会社を展開しており、台風・火山噴火等の自然災害による通信システム障害や都市機能麻痺、反政府組織によるテロ活動等による治安悪化が事業活動に影響を与える可能性がある。また、賃金水準の向上により希望する人材確保が困難になるリスクや、中東情勢の影響による原油調達問題・物価高騰も生じている。海底ケーブルが地震や事故で切断された場合、迂回路がないためサービス提供に支障をきたし、復旧に相当時間を要する可能性がある。
メディカル事業の合弁・医療リスク
SLACCは当社と医療法人社団翔友会理事長との合弁会社(当社議決権約50.5%)であり、医療機器選定・医師研修等を翔友会グループに委託しているため、合弁関係が解消された場合にメディカル&ヘルスケア事業の継続が困難となる。レーシック(近視矯正手術)は長期的な安全性が完全には実証されておらず、医療事故発生時には信用低下や損害賠償責任が生じる可能性がある。人間ドック・健診センターSDPCCは2025年第4四半期に四半期黒字化を達成したが年間黒字化は未達であり、設備先行投資の回収リスクが残る。
特定人物依存・小規模組織リスク
代表取締役の宮下幸治氏は当社グループの経営方針・戦略策定および事業推進に重要な役割を果たしており、同氏に不測の事態が生じた場合、事業展開および経営成績に影響を与える可能性がある。2026年3月31日現在、当社単体の従業員数は31名と小規模組織であり、内部管理体制もこの規模に応じたものにとどまっている。事業拡大に応じた組織整備・内部管理体制の拡充が順調に進まない場合、グループ全体のガバナンスに支障が生じる可能性がある。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

