事業内容
株式会社アイ・ピー・エスは「Open Door」を企業理念に掲げ、フィリピンを中心とした国際・国内通信回線の提供を主力とする通信インフラ企業である。フィリピンで3番目の国際通信キャリアとして、C2C回線使用権を保有しキャリアズキャリアのポジションを確立。
子会社InfiniVAN, Inc.を通じた法人向けインターネット接続サービス、フィリピン国内海底ケーブルネットワーク(PDSCN)の活用、新国際海底ケーブル「Candle」への参画など通信インフラ基盤を継続拡充している。国内では株式会社アイ・ピー・エス・プロがコールセンターソリューションを提供し、フィリピンではレーシック・予防医療事業も育成中。
連結子会社8社で構成される多角的グループである。
ビジネスモデル
国際通信事業では、C2C回線等の使用権(IRU)を長期契約で取得し、フィリピンのCATV事業者・通信事業者へ卸売(キャリアズキャリア)するホールセール部門と、InfiniVAN, Inc.が法人向けインターネット接続を月額課金で提供するエンタープライズ部門の二軸で収益を得る。国内通信事業はコールセンターシステム「AmeyoJ」ライセンス販売と秒課金サービスの組み合わせによるソリューション提供が主体。
メディカル事業はレーシック手術・健診センター運営による診療収入モデルである。
企業の強み
2020年にC2C回線使用権を取得し、フィリピンで海底ケーブル権利を保有する大手2社に次ぐ第3の国際通信キャリアとなった。フィリピンは外資規制等により新規参入が困難な寡占市場であり、既存ライセンス・使用権は競合他社が短期間で模倣困難な参入障壁として機能している。
2023年12月に完成したフィリピン国内海底ケーブルネットワーク(PDSCN)により、ルソン島・ビサヤ諸島・ミンダナオ島を結ぶ国内基幹網を構築。C2C回線と組み合わせることでフィリピン全土への通信サービス提供が可能となり、地方通信事業者・CATV事業者への販売エリアが大幅に拡大した。
InfiniVAN, Inc.による法人向けインターネット接続サービスの課金顧客数は、2025年12月末時点で2,103件(前年同期比510件増)に達した。月額課金型の継続収益モデルであり、顧客数の積み上げが安定的な収益基盤を形成している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期10,728百万円から2026年3月期16,999百万円へ5期で58.5%増加。営業利益は同期間に2,456百万円から5,370百万円へ倍増以上となり、営業利益率は22.9%から31.6%へ改善した。
2026年3月期は国際通信事業の大口契約獲得とPDSCN活用による地方展開拡大が増収を牽引。外部要因として円安進行による為替差益516百万円の計上が経常利益・純利益を押し上げた(前期は為替差損276百万円)。
2025年3月期に一時的に純利益が減少した要因(為替差損・子会社移転費用等)は解消されている。2027年3月期は売上高20,080百万円(前期比18.1%増)、営業利益6,100百万円(同13.6%増)を予想。
成長戦略
フィリピン通信インフラ拡充とCANDLE参画で国際回線収益を多様化、医療事業の黒字定着を図る
マニラ首都圏から地方への回線・サービス提供を継続拡大。フィリピン「コネクタドン・ピノイ法」成立により地方新興通信事業者の新規参入が加速する見通しで、顧客基盤の一層の拡大を見込む。InfiniVAN法人向けインターネット接続の課金顧客数は2025年12月末2,103件に到達。
フィリピン・ルソン島東岸Balerにおける国際海底ケーブル陸揚局を建設中。完成後はグローバル企業・ハイパースケーラー向けの容量販売やFP販売など国際回線販売収益の獲得を目指す。建設仮勘定は11,067百万円に拡大しており投資が本格化している。
着信側課金「0120」等の自社提供開始による収益性向上を図るとともに、インドのスタートアップ企業が開発したVoice AI技術による「AIエージェントサービス」等の新領域での販売拡大に取り組む。新サービス関連投資費用増により2027年3月期は増収減益計画。
SDPCCは2025年下期に単月黒字化を達成し、2026年3月期通期でセグメント利益80百万円を計上。法人・個人の来院数が着実に伸長しており、2027年3月期は増収増益を計画。レーシックは競争環境が厳しいものの、マーケティング見直しと事業運営効率化で収益性改善を継続する。
最終更新: 2026年7月19日

