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株式会社エーアイ

4388東証スタンダード情報通信業

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株式会社エーアイ4388

事業内容

株式会社エーアイは2003年設立の音声合成技術専業企業。2024年10月に株式会社フュートレックを吸収合併し、音声合成・音声認識を中核とする「音声事業」と、20年超の実績を持つCRMプラットフォーム「Visionary®」を展開する「CRM事業」の2軸体制に移行した。

音声事業では防災・通信・車載・エンターテインメント等の幅広い分野に「AITalk®」シリーズを提供し、法人・コンシューマー双方を顧客とする。CRM事業はアパレル・ホテル・流通等の多業種法人を対象にCDP機能を強化したオールインワンサービスを提供。

2025年12月には東証グロース市場からスタンダード市場へ移行し、ガバナンス強化を進めている。

ビジネスモデル

音声事業では音声合成エンジンの使用許諾(月額・ロイヤリティ型)を主軸に、クラウド・SaaS型サービス(AITalk® WebAPI、声の職人クラウド版)や受託開発・コンテンツ制作を組み合わせる。CRM事業ではVisionary®のライセンス・カスタマイズ開発・SaaS型Visionary Cloudにより継続収益を獲得。

2026年3月期の売上高は1,850百万円、営業利益は101百万円(営業利益率5.4%)。

企業の強み

2007年にAITalk®のライセンス提供を開始し、防災無線・カーナビ・鉄道放送・ゲーム・オーディオブックなど多岐にわたる分野で採用実績を積み上げてきた。深層学習を活用したAITalk®6まで継続的に技術進化を遂げており、NTTドコモ(2026年3月期売上208百万円、構成比11.3%)等の大手顧客との取引実績が技術力の裏付けとなっている。

CRM事業の中核製品Visionary®はアパレル・ホテル・コンビニ・鉄道・クレジットカード会社等の多業種に20年以上採用されてきた実績を持つ。フュートレック合併による合理化効果が前倒しで実現し、前期赤字だったCRM事業が2026年3月期に営業利益16百万円の黒字転換を達成した。

2026年3月期末の自己資本比率は87.0%(前期末79.6%)と高水準を維持。有利子負債は社債残高のみで財務健全性が高く、運転資金を内部留保で賄う方針を堅持している。現金及び現金同等物は976百万円(期末)を確保しており、研究開発投資や事業拡大への対応余力を有する。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高1,850百万円(前期比24.5%増)を達成したが、Lapis Live取得関連費用27百万円・事業所移転費用等10百万円が営業利益を圧迫し、営業利益は100百万円(同7.8%減)、営業利益率は5.4%に低下。売上規模の拡大に対して利益率が追いついていない構図であり、2027年3月期以降の費用コントロールと各セグメントの収益性向上が株価評価の鍵となる。

後発事象として子会社スーパーワン(売上高84百万円、営業利益22百万円)のMBOによる譲渡(譲渡価額106百万円、2026年9月末予定)が開示された。音声・CRM2軸への経営資源集中という戦略的合理性はあるが、譲渡損益が未確定であり、2027年3月期の連結業績予想も現時点で未開示。

個別業績予想では売上高1,490百万円(前期比11.6%減)、経常利益15百万円(同95.3%減)と大幅減益が見込まれており、ATR-Trekからの配当金244百万円(一過性)の剥落と防災分野の駆け込み需要反動が主因。投資家は2027年3月期の業績着地を慎重に見極める必要がある。

前期の主要顧客であった国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、前期売上高222百万円)に代わり、当期はNTTドコモ(209百万円)が最大顧客となった。外部要因として2027年3月期以降NICTの音声収録入札案件が大幅減少する見込みであり、音声事業の売上・利益への下押し圧力となる。

特定顧客依存リスクの分散と新規法人顧客の獲得状況が今後の重要モニタリング指標となる。

成長戦略

音声×CRM2軸への集中と、LLM活用音声対話・CDP展開による持続成長

深層学習音声合成エンジン「AITalk6」搭載の「AITalk® 声の職人 クラウド版」および「AITalk® WebAPI」を新規提供開始。オンプレミスからクラウドへの移行需要を取り込み、法人顧客の利用環境を多様化することで継続課金収益の拡大を図る。

20年超の実績を持つCRMサービス「Visionary」を顧客データ連携・活用機能強化によりCDPツールとしてリニューアル。顧客行動の可視化・マーケティング支援機能を付加し、法人顧客の多様なDXニーズに対応することでCRM事業の売上拡大と収益性向上を目指す。

音声合成・音声認識にLLM(大規模言語モデル)を組み合わせた音声対話プラットフォームの開発・展開を推進。AI・DX活用加速という市場環境を追い風に、法人向け新規ソリューションとして収益化を目指す。

デジタル教科書受託開発を行うスーパーワン(売上高84百万円)をMBOにより譲渡(譲渡価額106百万円、2026年9月末予定)し、限られた経営資源を音声事業・CRM事業に集中投下。中長期的な企業価値向上を目指す事業ポートフォリオの再編。

400名超のVライバーを擁するLapis Liveを完全子会社化し、A.I.VOICEシリーズとのキャラクターIPシナジーを追求。IRIAMにおける年間表彰受賞など躍進を続けており、コンシューマー向けサービスの多角化と収益基盤の拡充を図る。ただし2026年3月期は営業損失4百万円と黒字化が課題。

最終更新: 2026年7月19日