事業内容
ダイトーケミックスは1938年創業の大阪発ファインケミカルメーカーで、化成品事業(売上高の約91%)と環境関連事業(同約9%)の2セグメントで構成される。化成品事業では半導体用フォトレジスト材料・ディスプレイ材料・イメージング材料・医薬中間体を製造販売し、富士フイルム・住友化学・東京応化工業など国内大手メーカーを主要顧客に持つ。
環境関連事業では子会社・日本エコロジーが産業廃棄物処理と化学品リサイクルを担う。韓国合弁会社DAITO-KISCO Corporationを通じた感光性材料の増産体制も整備しており、グループ全体で高付加価値化学品の製造・供給を行う。
ビジネスモデル
顧客企業と緊密な共同開発関係を構築し、先端フォトレジスト材料や機能性色材などの受託製造を主軸とする。技術開発センター・静岡工場・福井工場の一貫生産体制により、少量試作から量産まで対応する。
売上高の上位4社(富士フイルム・三木産業・住友化学・東京応化工業)で総販売実績の約73%を占める集中型顧客構造を持ち、長期的な取引関係が収益の安定性を支えている。
企業の強み
ArF液浸材料およびEUV材料の開発において、半導体・フラットパネルディスプレイ分野でトップクラスのメーカーと緊密な関係を維持し共同開発を推進。技術開発センターの試作ライン・福井工場の量産化専用ライン・極微量元素分析装置を整備し、少量試作から量産まで一貫した製品開発体制を構築している。
2026年3月期において富士フイルム向け4,220百万円(構成比21.7%)、住友化学向け4,104百万円(同21.1%)、三木産業向け4,142百万円(同21.3%)と上位3社で売上の約64%を占める。前期比でも各社向け販売が拡大しており、長期的な取引関係が収益基盤の安定に寄与している。
化成品事業に加え、子会社・日本エコロジーが産業廃棄物処理・化学品リサイクルを担う二軸構造を持つ。2026年3月期の研究開発費は1,206百万円(化成品1,132百万円・環境73百万円)で、売上高比約6.2%の水準を維持。設備投資も1,977百万円を実施し、生産能力増強と技術力強化を継続している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の売上高は19,476百万円(前期比4.5%増)と過去5期で最高を更新。営業利益は872百万円(同2.9%増)、経常利益は894百万円(同9.1%増)と増益を確保したが、親会社株主帰属当期純利益は791百万円(同3.5%減)と小幅減少した。
法人税等合計が33百万円から222百万円へ大幅増加したことが純利益を圧迫した主因。包括利益は投資有価証券の評価差額金増加(697百万円)等により1,621百万円と前期426百万円から大幅改善。
外部要因として半導体需要拡大が電子材料の追い風となった一方、医薬中間体の在庫調整長期化と販管費増加が利益率改善を抑制した。営業利益率は4.5%と2022年3月期(10.9%)から大幅低下した水準での横ばいが続いている。
成長戦略
3ヵ年中期計画のもと電子材料拡大・設備投資・環境事業強化を並行推進
半導体用感光性材料は2026年3月期に販売数量・売上高ともに増加し、電子材料売上高は前期比6.9%増の12,042百万円を達成。有機EL関連材料も需要回復の兆しが見られ、中期計画の主要成長ドライバーとして継続推進中。
2026年3月期の有形・無形固定資産増加額は1,979百万円(前期657百万円から大幅増)、建設仮勘定は51百万円から1,098百万円へ急増しており、次期以降の生産能力増強に向けた先行投資が本格化している。長期借入れによる収入3,100百万円を調達し投資財源を確保。
産業廃棄物処理分野は積極的な受託活動により売上高前期比12.6%増の1,154百万円、化学品リサイクル分野は新規分野参入により同2.2%増の579百万円を達成。環境関連事業全体の売上高は前期比8.9%増の1,734百万円と成長軌道に乗っており、設備投資も前期比218百万円増と拡大。
2026年3月期の年間配当は1株当たり8円(配当性向32.6%)と前期16円(分割調整後)から変動したが、配当金総額は257百万円と前期171百万円から増加。2027年3月期は1株当たり9円(配当性向34.1%予想)を予定しており、業績連動型の還元方針を維持している。
最終更新: 2026年7月19日

