テクセンドフォトマスク株式会社
429A・東証プライム・その他製品
テクセンドフォトマスク株式会社
429A・東証プライム・その他製品
事業内容
テクセンドフォトマスク株式会社は、半導体製造工程に不可欠なフォトマスクの製造・販売を専業とする企業である。TOPPANグループのフォトマスク事業を2022年4月に承継し、2025年10月に東京証券取引所プライム市場に上場した。
アジア5拠点・米国1拠点・欧州2拠点の計8工場を擁し、ファウンドリ・IDM・研究機関等を主要顧客とする。EUVマスクを含む先端品からレガシーノード品まで幅広いラインナップを完全受注生産で提供し、2024年の外販フォトマスク市場シェアは37.8%(SEMI調査)とトップの地位を維持している。
フォトマスク事業に加え、微細加工技術を応用したナノインプリント用モールド等の新事業領域の開拓も進めている。
ビジネスモデル
顧客から支給された半導体回路パターンデータをもとに、電子ビーム描画・現像・エッチング・検査の各工程を経てフォトマスクを製造し納入する完全受注生産モデルを採る。研究開発・試作フェーズから量産フェーズまで継続的に受注が発生する構造であり、研究開発段階での採用が量産段階での技術的参入障壁となる。
グローバル8工場のバーチャル「1」工場化により稼働率を最大化し、高い営業利益率(2026年3月期21.2%)を実現している。
企業の強み
SEMI「2024 PHOTOMASK CHARACTERIZATION STUDY」によれば、当社グループの外販フォトマスク市場シェアは37.8%でトップ。1968年の量産開始以来50年超の技術蓄積に加え、DuPont Photomasks買収等を通じてグローバル8工場体制を構築。
研究開発段階での採用が量産段階での技術的参入障壁となり、顧客ロックインを実現している。
2000年初頭から業界に先駆けてEUVマスクの研究開発に着手し、現在は量産体制を確立。マルチビーム描画装置を朝霞・ドレスデン工場に導入済み。
IBM社と2nmロジック向けEUVマスクの5年間共同研究開発契約を2024年1月に締結。imecとの協働やHigh-NA向けブランクス開発も推進し、次世代技術での先行優位を構築している。
アジア・北米・欧州の8工場が連携し、拠点間の生産委託によりキャパシティを平準化。AIを活用した生産管理システムにより納期予測精度と設備稼働最適化を推進。
サイト間・設備間のデータマッチング技術により複数工場での顧客認定取得を短期間で実現。2026年3月期の設備投資総額は33,236百万円に達し、生産能力の継続的強化を図っている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は売上収益129,576百万円(前期比9.8%増)と2期連続の増収を達成。外部要因として、生成AI・クラウド向けデータセンター投資の高水準継続を背景に先端・成熟双方のフォトマスク需要が堅調に推移した。
一方、材料費・減価償却費の増加および上場一過性費用により営業利益は27,530百万円(前期比2.4%減)と微減。法人所得税費用が前期20,825百万円から8,484百万円へ大幅減少したことで当期利益は24,947百万円(前期比150.9%増)となった。
2027年3月期は売上収益140,100百万円(前期比8.1%増)、営業利益29,800百万円(同8.2%増)を予想しており、一過性費用剥落後の営業利益回復が見込まれる。
成長戦略
先端EUV技術深耕・グローバル生産能力拡大・外販需要取り込みの三軸戦略
シンガポールに新工場を建設中であり、2027年以降の生産開始を目指す。AI・データセンター向け先端フォトマスク需要の拡大に対応するキャパシティを確保し、アジア地域での供給体制を強化する。2026年3月期の有形固定資産取得支出33,207百万円の一部がこれに充当されている。
米国および韓国の既存拠点に新ラインを導入し、先端ノード対応の生産能力を増強する。経済安全保障・半導体サプライチェーン自国回帰の潮流を背景に、各地域での顧客需要に対応する体制を整備する。2027年以降の生産開始により業績拡大に貢献する見込み。
日本拠点でEUVマスクの量産ライン化を推進中。半導体の微細化・高集積化の進展に伴い高精度EUVマスクへの需要が拡大する中、量産体制の確立により先端領域での競争優位を維持・強化する。EUVマスクは高付加価値製品であり、収益性向上にも寄与する。
AI需要拡大に伴い最先端メモリ向け開発に注力するメモリメーカーが、フォトマスクの調達を外注化する動きが想定される。従来内製が主流だったメモリメーカーからの新規外注需要を取り込むことで、外販フォトマスク市場の成長を上回る売上拡大を目指す。
最終更新: 2026年7月19日

