事業内容
株式会社アズジェントは1997年設立のネットワークセキュリティ専業企業で、東京証券取引所スタンダード市場に上場。海外先進セキュリティ製品の国内独占的輸入販売を核に、自社SOCによるマネージドセキュリティサービス(セキュリティ・プラス)を組み合わせたソリューションを提供する。
主要顧客は官公庁・エンタープライズ企業で、Check Point社製品を中心とした大型ネットワーク案件から、ブラウザセキュリティ・脆弱性管理・AI環境向けセキュリティまで幅広いポートフォリオを持つ。単一セグメント(ネットワークセキュリティ事業)で事業を展開し、2026年3月期売上高は3,434百万円。
ビジネスモデル
海外セキュリティベンダーとの販売契約に基づき製品を輸入・販売するプロダクトビジネスを主軸とし、自社SOCを活用したマネージドセキュリティサービスを付加することで顧客単価の向上と継続収益を獲得する。VicariusやSecureLayer等の新規商材はサブスクリプション型のストックビジネスとして育成中であり、前受金残高の増加(前期比134百万円増)がその進捗を示している。
企業の強み
Interop Tokyoにおいて2021年・2022年グランプリ連続受賞を含め、2023年・2024年・2025年・2026年と毎年受賞を継続。最新のVicarius VRXは2025年セキュリティ(エンタープライズ)部門準グランプリ、HirundoおよびAcronis Cyber Protect Cloudは2026年審査員特別賞を受賞しており、業界内での商品選定・評価力の高さが第三者機関によって継続的に認定されている。
取り扱うMenlo社(旧VOTIRO社)のメール無害化・ファイル無害化ソリューションは、2025年8月時点で8年連続国内シェアNo.1を維持。長期にわたる市場支配的地位は顧客の継続利用と新規顧客獲得の双方に寄与しており、競合他社が短期間で模倣困難な販売実績・ブランド力の蓄積を示している。
SecureLayer Browser ExtensionがIIJ社のクラウド型統合エンドポイントセキュリティサービスに採用・販売開始され、IIJ社に続き他社でも採用が継続。自社直販に加えて大手ISP・SIerを通じた間接チャネルを構築しており、新規商材の市場浸透速度を高める販路基盤が形成されつつある。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期の2,370百万円を底に2期連続で回復し、2026年3月期は3,434百万円と2022年3月期(3,168百万円)を上回る水準に達した。営業利益は2022年3月期の23百万円以来4期ぶりの黒字となる146百万円を計上。
前期比で350百万円超の大幅改善を実現した。収益改善の主因は、①Check Point社製品を中心とするプロダクト受注の年間通じた堅調推移と大型案件獲得、②前期末の固定資産減損処理に伴う減価償却費の大幅減少(前期比約48百万円減)、③人員体制見直しによる人件費最適化。
外部要因として、DX推進・クラウドシフト・生成AI普及に伴うサイバーセキュリティ需要の構造的拡大が受注環境を後押しした。2027年3月期は先行投資増加により営業利益50百万円(前期比65.9%減)を予想しており、成長投資局面への移行を示している。
成長戦略
新商材のストックビジネス化・AI環境セキュリティ展開・SOC高度化による収益構造転換
Check Point社等の主力製品で官公庁・エンタープライズ向け大型案件を継続獲得し安定収益を確保。2026年3月期は大型案件が売上拡大を牽引し売上高3,434百万円を達成。2026年度末頃制度開始が公表されたSCS評価制度による新規需要喚起の取り込みも図る。
Vicarius VRXおよびSecureLayer Browser Extensionの販売スキームをストックビジネス型に確立し、これまでとは異なる販売チャネルの開拓につなげる。SecureLayerはIIJ社採用後に他社採用も続いており案件化が進展中。
Vicarius VRXはInterop Tokyo 2025で準グランプリを受賞し認知度が向上。
世界初の商用マシンアンラーニング技術を用いたプラットフォーム「Hirundo」の国内提供を2026年4月に開始。生成AIモデルから特定リスク要因を選択的に除去する独自技術により、従来の出力制御型対策とは異なるアプローチでAI安全性向上市場を開拓する。
パートナー連携構築と市場啓発を通じた新収益機会の創出を目指す。
基盤強化を進めてきたSOCビジネスの収益性向上を実現するとともに、AI-SOCサービスの提供に向けた開発を推進。顧客のセキュリティニーズに包括的に対応できるサービスメニューの拡充により、安定的かつ継続的な収益基盤の確立を図る。
中長期的な成長および競争力強化に向け、セキュリティやAIといった先端領域における高度人材の確保・育成への投資を強化。2027年3月期の営業利益大幅減益予想の主因の一つであり、将来成長に向けた必要不可欠な先行投資と位置付けている。
最終更新: 2026年7月19日

