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日本化薬株式会社

4272東証プライム化学

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日本化薬株式会社4272

事業内容

日本化薬グループは1916年創業の産業火薬メーカーを源流とし、現在は「モビリティ&イメージング」「ファインケミカルズ」「ライフサイエンス」の3事業領域を軸に、子会社37社・関連会社10社を擁するグローバル化学グループである。エアバッグ用インフレータ・マイクロガスジェネレータ等の自動車安全部品、半導体・AI向け機能性材料・色素材料・触媒、がん領域新薬・バイオシミラー・アグロケミカルを主要製品とし、日本・欧州・中国・北米・東南アジアに製造・販売拠点を持つ。

2026年3月期の連結売上高は241,851百万円と過去最高を更新した。

ビジネスモデル

自社保有の火工品技術・機能性化学技術・医薬品開発技術を核に、各事業領域で高付加価値製品を製造し、自動車メーカー・半導体関連企業・医療機関等に販売する製造販売モデルを採る。医薬事業では外部からの技術導入(ライセンスイン)によりパイプラインを拡充し、アグロ事業では海外向け自社創製農薬の販売拡大で収益を補完する。

研究開発費は年間125億円規模を投じ、技術革新による製品競争力の維持・向上を図る。

企業の強み

エアバッグ用インフレータ・マイクロガスジェネレータ・スクイブをチェコ・中国・メキシコ・マレーシア・韓国・米国の海外拠点で製造・販売する体制を構築。2026年3月期のセイフティシステムズを含むモビリティ&イメージング事業領域売上高は94,714百万円と前期比3.7%増加し、中国ローカルメーカー向けが好調に推移した。

抗悪性腫瘍剤「イブトロジー®」「ポートラーザ®」「ダルビアス®」「アラグリオ®」の新薬群に加え、抗体バイオシミラー「ベバシズマブBS」「アダリムマブBS」、ジェネリック医薬品「レナリドミドカプセル」等を揃えるがん領域特化ポートフォリオを保有。2026年3月期ライフサイエンス事業領域のセグメント利益は9,680百万円と前期比52.3%増加した。

エポキシ樹脂・マレイミド樹脂・MEMS用レジスト・半導体用クリーナー等の機能性材料と、感熱顕色剤・産業用インクジェットインク・イメージセンサー用材料等の色素材料を自社開発・製造。2026年3月期ファインケミカルズ事業領域売上高は74,142百万円と前期比12.0%増加し、セグメント利益は11,929百万円と前期比20.5%増加した。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高241,851百万円(前期比8.7%増)、営業利益22,454百万円(同10.1%増)、親会社株主帰属当期純利益24,641百万円(同40.7%増)と好調。ただし純利益の押し上げには投資有価証券売却益9,431百万円という特別利益が寄与しており、実力ベースの収益力を見極める必要がある。

2027年3月期予想は売上高260,600百万円(7.8%増)・営業利益25,400百万円(13.1%増)と増収増益を見込む一方、経常利益は前期比1.1%減、純利益は同9.5%減の22,300百万円と減益予想であり、特別利益の剥落が影響する見通し。

2026年3月期に自己株式取得16,581百万円・配当10,559百万円を実施し、財務活動CFは20,235百万円の支出超過。後発事象として2026年5月に上限13,000,000株・15,000百万円の追加自己株式取得と11,300,000株の消却を決議しており、資本効率向上への姿勢は明確。

一方、有形固定資産取得24,498百万円の設備投資継続と借入金増加(短期11,013百万円・長期24,171百万円)により、インタレスト・カバレッジ・レシオは2022年3月期の273.9倍から2026年3月期61.7倍へ低下しており、財務規律の観点から注視が必要。

モビリティ&イメージング事業は売上高94,714百万円(前期比3.7%増)と増収ながら、原材料高騰の影響でセグメント利益は10,654百万円(前期比20.0%減)と大幅減益。価格転嫁が追いついていない状況が続いており、外部要因として原油・原材料価格の動向が引き続き収益を左右する。

また2027年3月期予想の前提為替レートは148円/米ドルであり、米国関税政策の影響も一部顕在化している。ポラテクノ事業の液晶プロジェクター用部材・X線分析装置用部材の低迷も継続しており、セグメント内の事業ミックス改善が課題。

成長戦略

KV25完遂後の次期中計へ向け、3領域の製品拡充・設備投資と積極的な株主還元を両立

エアバッグ用インフレータ・MGG・スクイブの拡販に加え、火薬基盤技術を活用した新製品の研究開発に注力。中国ローカルメーカー向けが好調に推移し、2026年3月期は前期を上回る実績を達成。米国関税政策の影響は一部あるものの、グローバル自動車生産の堅調推移が下支え。

5G/6G・AIサーバ・データセンタ向け基板・封止用高機能樹脂、炭素繊維強化プラスチック用エポキシ樹脂、半導体用クリーナー等の開発・拡販を推進。2026年3月期はセグメント売上高前期比12.0%増・セグメント利益前期比20.5%増と顕著な成果を達成。調光ガラス用二色性色素等の新製品販売も開始。

新薬「イブトロジー®」「ポートラーザ®」「ダルビアス®」「アラグリオ®」の市場浸透と、抗体バイオシミラー・特徴あるジェネリック医薬品を含むがん関連製品ラインアップの拡充を推進。2026年3月期セグメント利益は前期比52.3%増の9,680百万円と大幅改善。

セグメント資産は104,101百万円と3領域中最大規模に拡大し、将来の収益基盤を整備。

KV25期間中の配当性向40%以上目標のもと、2026年3月期年間配当66.00円(配当性向40.9%)を実施。自己株式取得16,581百万円に加え、後発事象として上限15,000百万円の追加取得と11,300,000株の消却を決議。発行済株式総数の削減を通じてEPS向上と株式価値の向上を図る。

最終更新: 2026年7月19日