事業内容
Institution for a Global Society株式会社は2010年設立の東証グロース上場企業。「人を幸せにする評価と教育で、幸せを作る人、をつくる」をビジョンに掲げ、AIによるバイアス補正技術を核とした人材評価システム「GROW360+」(HR事業)、学校・自治体向け非認知能力可視化ツール「Ai GROW」(教育事業)、予測市場プラットフォーム「Signals」およびインドGCC支援(グローバルプラットフォーム事業)の3セグメントを展開。
累計評価データ約2億件・登録ユーザー約130万人を蓄積し、企業・学校・個人の意思決定を高度化する人的資本データインフラの構築を目指している。主要顧客は大手企業の人事・経営企画部門および全国の学校・自治体。
ビジネスモデル
HR事業では企業向けに「GROW360+」の利用料(1人あたり4,000円以下)とコンサルティング・研修フィーを組み合わせて収益を得る。教育事業では学校単位のサブスクリプション(年間契約)を基本とし、経済産業省補助金採択を入口に有償継続契約へ転換するモデルを確立。
グローバルプラットフォーム事業はブロックチェーンコンサルティングおよびGCC支援フィーが収益源。三井住友信託銀行・内田洋行・JTBなどパートナー経由の間接販売チャネルも活用し、営業効率を高めている。
企業の強み
2026年3月末時点でGROW360+の累計他者評価件数8,504万件、Ai GROWの累計他者評価件数11,820万件、合計約2億件の評価データを蓄積。IAT(潜在連合テスト)を活用したバイアス補正技術など国内6件・海外1件の特許を取得済みであり、ハーバード・ビジネス・スクールのケースにも採用されるなど技術的差別化が確立されている。
2026年3月期においてHR事業は売上高282百万円・セグメント利益72百万円(前期はセグメント損失)、教育事業は売上高329百万円・セグメント利益124百万円(前期比26.5%増)と、主力2事業が揃って黒字を達成。顧客数は教育事業で523校(前年463校)に拡大し、継続契約率の高さが収益の安定性を支えている。
2024年1月に三井住友信託銀行と業務提携し大手企業顧客基盤へのアクセスを獲得。内田洋行との「Ai GROW Lite」専売連携により自治体・教育委員会単位での広域導入が本格化。
2025年11月にはプルータス・グループと資本業務提携を締結し、M&A局面での人的資本デューデリジェンス領域へ展開。複数の有力パートナーとの連携が営業力を補完している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は659百万円(前期比+9.3%)と2期ぶりの増収。HR事業(+18.3%)・教育事業(+6.5%)の主力2事業が牽引した一方、Web3事業は△13.6%の減収。
営業損失は△227百万円(前期△303百万円)と縮小し、売上総利益率は32.7%から58.1%へ大幅改善(売上原価の削減が主因)。ただし販管費610百万円が売上高を上回る構造は変わらず。
特別損失に投資有価証券評価損103百万円・減損損失15百万円を計上し、親会社帰属純損失は△282百万円。外部環境として人的資本開示要件の高度化・教育DX推進が追い風となり、2027年3月期は売上高850百万円・営業利益10百万円の黒字転換を予想。
成長戦略
HR・教育の主力2事業黒字化を固めつつ、Web3予測市場で第3の収益軸を構築
GROW360をより使いやすく機能拡充した「GROW360+」のソフトウェア開発を推進。プルータス・グループとの資本業務提携に基づく人的資本デューデリジェンス・共同コンサルティングを本格展開し、大手企業向け収益を拡大する。2026年3月期にセグメント利益72百万円の黒字化を達成済み。
2026年3月期に計上した経済産業省補助金関連売上の翌期一巡による減収リスクに対し、Ai GROWの大幅機能アップデート、JTB・内田洋行・ヤマハとのパートナー連携による新規市場開拓、自治体向け導入支援強化で補完する。インド市場等グローバル展開も加速。
2026年3月にローンチした予測市場プラットフォーム「Signals」を企業向けに本格展開し、ブロックチェーンコンサルティング売上を拡大。インド市場での事業立ち上げ・国際機関との連携による新規案件創出を通じ、前期のセグメント損失△181百万円から営業損益の黒字転換を目指す。
前期比15%のコスト削減目標を掲げ、AI活用による業務効率化を全社的に推進。2026年3月期に営業CFが4期ぶりにプラス転換(26百万円)し、コスト最適化の成果が確認された。創出した経営資源をマーケティング投資・人財戦略投資へ重点配分する。
最終更新: 2026年7月19日

