事業内容
森六株式会社は1663年創業の老舗企業で、自動車用樹脂部品の製造・販売を担う「樹脂加工製品事業」と、化学品・合成樹脂製品の販売・製造・輸出入を担う「ケミカル事業」の二事業を柱とする。樹脂加工製品事業では日本・北米・中国・アジアの四極にグローバル生産・開発体制を構築し、主要顧客はHonda Development & Manufacturing of America, LLCおよび本田技研工業株式会社で、両社合計で売上高の約55%を占める。
ケミカル事業は創業以来360年超の化学品知識とグローバル販売網を活かし、モビリティ・電機電子・ファインケミカル・メディカル等の多分野に展開する。連結子会社26社・関係会社6社で構成され、2026年3月期連結売上高は133,871百万円。
ビジネスモデル
樹脂加工製品事業では自動車メーカーから受注した内外装樹脂部品を開発から量産まで一貫して手掛け、製造マージンを収益源とする。ケミカル事業では化学品・合成樹脂製品の輸出入・販売に加え、四国化工株式会社の高機能多層フィルムや五興化成工業株式会社のケミカル合成等「ものづくり」機能も持つ。
両事業間では化学品知識・グローバル販売網・製造ノウハウを相互共有し、シナジーを創出する構造となっている。
企業の強み
樹脂加工製品事業において日本(関東工場・鈴鹿工場)、北米(米国・カナダ)、中国(広州・武漢)、アジア(タイ・フィリピン・インドネシア・インド)に製造・開発拠点を展開し、設計から量産までの一貫体制を構築している。1986年の米国進出以来40年近くかけて構築した拠点網は競合が短期間で模倣困難な固有資産である。
ホットスタンプ工法(箔押し)の大型外装部品への新規適用完了、多層加飾と照明技術の融合研究、植物繊維活用の基礎研究など、独自の加飾・軽量化技術を継続的に高度化している。2026年3月期の研究開発費は3,567百万円(うち樹脂加工製品事業3,406百万円)で、国内外の顧客へのプレゼンテーション活動を通じた新規顧客開拓も展開している。
ケミカル事業は創業以来360年超にわたり蓄積した化学品知識を基盤に、アジア・欧州・北米・中東に販売拠点を展開する。モビリティ・電機電子・ファインケミカル・メディカル・フード等の多分野に対応し、韓国企業への出資によるバッテリー部材分野参入やドイツ駐在員事務所設置など継続的な拠点拡充を実施している。
この販売網は樹脂加工製品事業への原材料供給・ノウハウ共有にも活用されている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期128,842百万円→2024年3月期145,638百万円とほぼ横ばい成長後、2026年3月期は133,871百万円(前期比8.4%減)に落ち込んだ。外部要因として中国・アジアにおける日系自動車メーカーの減産と化学品販売の減少が主因。
一方、営業利益は4,638百万円(前期比12.2%増)と改善し、経常利益は為替差損の縮小(前期1,472百万円→当期20百万円)により3,993百万円(同81.2%増)に急回復。親会社株主帰属純利益は2,447百万円と黒字転換(前期は7,814百万円の純損失)。
前期に計上した減損損失4,628百万円・関係会社整理損失引当金6,626百万円の一巡が最終損益を大きく押し上げた。2027年3月期はレゾナック事業取得3社の連結化により売上高194,400百万円、営業利益6,000百万円を予想。
成長戦略
レゾナック事業取得による規模拡大と、北米・インド増産・ケミカル新領域開拓で収益基盤を再構築
2026年4月1日付で森六ReNova株式会社、森六モビリティプロダクツ株式会社、Moriroku Mobility Products (Thailand) Co., Ltd.の3社を連結子会社化。外装発泡成形・モジュール化技術を獲得し、自社の加飾・電装・軽量化技術との融合により高付加価値製品・ソリューションを創出。
2027年3月期売上高予想194,400百万円の主要増収要因。
2027年3月期において北米およびインドでの増産が見込まれ、既存事業の売上拡大を牽引する見通し。北米では2026年3月期に半導体供給不足による一時的減産があったものの挽回生産が順調に進み、影響は限定的だった。日本・北米を中心とした販売価格適正化交渉の継続が収益性改善に寄与。
ドイツ駐在員事務所の設置やアセアン地域における事業拡大を推進。韓国企業への出資を通じたバッテリー部材分野の新規ビジネス創出にも取り組む。国内モビリティ分野では二輪・バギー向け樹脂部品販売や金型取引が増加しており、付加価値の高いコンパウンド材料の販売強化も継続。
2025年4月に吸収分割により森六テクノロジー株式会社および森六ケミカルズ株式会社の事業を当社に承継。グループ経営体制の見直しにより事業間連携の強化とシナジー創出を図る。第14次中期経営計画(2026年3月期初年度)のもと、主力事業の利益追求と将来製品化に向けた開発を推進。
最終更新: 2026年7月19日

