事業内容
ミライアル株式会社は1968年創業、シリコンウェーハ出荷容器(FOSB)・工程内容器(FOUP)を中核とするプラスチック成形事業と、竪型射出成形機を手掛ける成形機事業の2セグメントで構成される。主要顧客はSUMCO、日本サムスン等の半導体ウェーハメーカーで、販売の約49%を輸出(アジア中心)が占める。
熊本県菊池市に主力工場を構え、連結子会社3社(株式会社ミライアル東北、株式会社山城精機製作所、米来迩商貿(上海)有限公司)を擁する。東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
成形機・金型・成形品の製造ノウハウを一体保有するバリューシステムを強みに、半導体ウェーハメーカーへFOSB・FOUPを直販・代理店(丸紅プラックス)経由で供給する。受注生産を基本とし、受注残高の積み上がりが売上の先行指標となる構造。
成形機事業は部品・サービス収益が安定収益源として機能する。設備投資による生産能力増強と自動化で固定費は増加傾向にあるが、補助金収入や売電収入も収益を補完する。
企業の強み
1969年にシリコンウェーハ工程内容器を製品化し、1999年に300mmウェーハ出荷容器FOSBを発売。半導体微細化に対応した次世代容器の要素技術開発を継続しており、原料メーカーとの共同開発による高機能樹脂の改良も実施。50年超の技術蓄積が参入障壁を形成している。
2026年1月期末の有利子負債残高はリース債務含め28百万円と極めて低水準。純資産合計は22,989百万円、現金及び現金同等物は4,703百万円を保有。自己資本比率は高く、設備投資を自己資金で賄える財務健全性を維持している。
2026年1月期末のプラスチック成形事業受注残高は3,733百万円(前期比35.2%増)。売上高が前期比8.6%減の局面においても受注高は前期比0.9%増と底堅く推移しており、需要回復局面での売上反映が期待できる先行指標として機能している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の業績は2023期(売上高14,265百万円、営業利益2,457百万円)をピークに2期連続で悪化し、2026期は売上高12,572百万円、営業利益512百万円と大幅に落ち込んだ。外部要因として、シリコンウェーハの在庫調整長期化と半導体市況の低迷が主因であった。
2027年1月期第1四半期(2026年2月〜4月)は売上高3,925百万円(前年同期比26.4%増)、営業利益239百万円(同121.2%増)、四半期純利益193百万円(同87.2%増)と急回復。AIを中心とした先端半導体需要の旺盛な拡大とウェーハ在庫調整の底打ちが回復を牽引した。
第2四半期累計予想は売上高7,970百万円、営業利益480百万円と回復基調の継続を見込む。
成長戦略
中期成長戦略2028でウェーハ容器深耕・M&A・資本効率改善の三輪駆動
AIを中心とした先端半導体需要の拡大を取り込むべく、生産能力増強・自動化投資を継続推進。2027年1月期第1四半期のプラスチック成形事業売上高は3,558百万円(前年同期比21.9%増)と回復が鮮明であり、在庫調整底打ち後の需要取り込みが進んでいる。
2026年4月30日に布谷舶用計器工業株式会社を1,912百万円で完全子会社化。舶用計器・鉄道車両用機器という新領域を取得し、半導体市況依存からの分散を図る。2027年1月期第3四半期より連結損益に取り込まれる予定。のれん等の詳細は現時点で未確定。
有利子負債(短期借入金1,900百万円)を活用した最適資本構成への転換を図り、ROE11.1%(2028年度目標)の達成を目指す。2026年6月にシンジケートローンによる借換えを予定。自己株式取得を取締役会で決議し、総還元性向30%またはDOE2%を下限とする安定配当方針を継続。
自動車業界のHEV回帰への方向性明確化により、成形機事業は2027年1月期第1四半期に営業利益46百万円と黒字転換(前年同期は営業損失23百万円)。特に海外での受注活動活発化の兆しがあり、竪型成形機の技術的強みを活かした差別化展開を推進。
ただし中東情勢による樹脂供給不足が受注活動に影響する可能性がある。
最終更新: 2026年7月17日

