事業内容
フジプレアム株式会社は、独自の「精密貼合技術」を中核技術として、ディスプレイ用部材・タッチパネルセンサー基板・車載部品を製造する「精密貼合及び高機能複合材部門」と、太陽電池モジュール・フィルムラミネートガラス・FA装置を手掛ける「環境住空間及びエンジニアリング部門」の2セグメントで事業を展開する。親会社1社・連結子会社3社を含むグループ体制で、パネルメーカーや自動車部品業界を主要顧客とし、素材調達から製造・販売まで一貫して対応する。
東京証券取引所スタンダード市場に上場。
ビジネスモデル
素材メーカーからガラスや機能性フィルムを調達し、自社構築の生産ライン・官能検査・多能工教育体制を活用してミクロレベルの精度で貼合加工を行い、パネルメーカー等に納入する。太陽電池・FA装置事業では製造・施工・販売を一体提供する。
収益は製品販売対価が主体で、研究開発投資により技術の高度化と新用途開拓を継続的に行う。
企業の強み
精密貼合技術は自社の生産技術開発部門が構築した独自ラインであり、官能検査・多能工教育を組み合わせた体制で顧客ごとの多様な品質基準に対応する。競合他社が短期間で模倣困難な社内体制として有報に明記されており、差別化の核と位置付けられている。
グループ全体で22名(従業員比10.1%)が研究開発に携わり、先端技術開発室と事業化推進部を設置。精密貼合の高度化(曲面対応・異種材料接合・宇宙環境対応等)やペロブスカイト太陽電池封止技術・車載用軽量モジュール試作など、複数領域で研究開発を継続している。
令和3年に株式会社飯沼ゲージ製作所(現プレマテック)、令和6年に株式会社東陽社製作所を子会社化し、機械設計・製造技術と自動車部品加工機能をグループ内に取り込んだ。これにより車載部品業界への関与深化と部品加工の内製化によるシナジー創出を図っている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期19,235百万円をピークに5期連続で減少し、2026期は8,115百万円(前期比23.6%減)となった。営業損益は2026期に78百万円の損失(前期は220百万円の利益)と初めて赤字に転落し、売上高営業利益率は前期2.1%からマイナスへ悪化した。
特別損失として固定資産の減損損失2,027百万円(精密貼合部門1,250百万円、環境住空間部門777百万円)、関係会社出資金評価損189百万円、役員退職慰労金50百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純損失は2,301百万円に達した。外部要因として、ディスプレイ・タッチパネル市場の需要回復遅延、中国経済減速、海外メーカーとの競争激化が業績を圧迫した。
一方、営業キャッシュ・フローは1,451百万円(前期437百万円)と改善しており、仕入債務の増加1,827百万円が主因である。
成長戦略
ディスプレイ量産案件の本格寄与と精密貼合・次世代太陽電池の技術深化で収益回復を図る
精密貼合及び高機能複合材部門において、顧客との供給条件等を踏まえ合理的に見込まれる範囲でディスプレイ量産案件を2027期連結業績予想に織り込んでいる。同案件が実現すれば売上高13,800百万円(前期比70.1%増)・営業利益454百万円の達成に直結する最重要施策である。
先端設備・新素材を活用した高付加価値製品の開発を継続し、車載用ディスプレイや産業用タッチパネル向けの受注拡大を目指す。ただし2026期は採用拡大が限定的にとどまり、操業度低下も影響して精密貼合部門は営業損失149百万円と損失が拡大しており、成果の顕在化には至っていない。
次世代型太陽電池であるペロブスカイト太陽電池について将来の事業化を見据えた研究開発段階にあり、現時点での収益への寄与は限定的。建材一体型太陽電池の生産体制強化も並行して進めており、ニッチ市場での差別化を図る。
東陽社製作所の部品加工・製造機能およびプレマテック株式会社の機械設計・製造技術を活用し、グループ内連携の効率化と既存事業の生産性向上を推進する。2026期は一部改善が見られたものの、採算改善や新規案件創出にはなお課題が残る状況である。
環境住空間及びエンジニアリング部門において、アジア新興国を含む海外販売体制の整備を進めているが、地域・分野により装置需要にばらつきがあり、2026期の装置販売は低調に推移した。中長期的な販路拡大に向けた取り組みを継続している。
最終更新: 2026年7月19日

