化学事業の原料・市況変動リスク
同業他社の生産能力増強による供給過剰やベンゼン等主原料価格の急激な変動により、製品と主原料の価格差(スプレッド)が著しく縮小し業績に悪影響を与える可能性がある。また、特定地域・供給元への原料依存により、事故等で必要な原料を確保できないリスクも存在する。対応策として、原料市況の注視と製品価格への迅速な転嫁、不採算事業の能力縮小・撤退等に取り組んでいる。
機械事業の需要変動リスク
内燃エンジン系自動車販売台数の伸び悩みや公共事業の減少、脱炭素化に伴う設備投資抑制により、受注・出荷・サービス提供が減少する可能性がある。また、各国の景気減速、貿易摩擦、中東情勢、競合メーカーの台頭等によるグローバルな販売減少リスクも内在する。アフターサービス事業の拡充やカーボンニュートラル・EV化対応等の成長市場への対応強化で収益基盤の安定化を図っている。
気候変動・環境規制リスク
2026年度開始の排出量取引制度や2028年度導入予定の化石燃料賦課金等の規制強化によりコスト増加が予想されるほか、脱炭素移行への対応遅れがステークホルダーからの評価低下や製品販売低迷につながる可能性がある。自然災害の激甚化・高頻度化による製造拠点の設備被害や物流網遮断リスクも高まっている。地球環境問題対策委員会を設置し、省エネ推進・再生可能エネルギー利用最大化・GHG排出量削減に注力している。
大規模事故(爆発・火災・漏洩)
化学製品製造工場では多種・大量の高圧ガスや危険物を使用しており、設備故障・人為的ミス・自然災害により大規模な爆発・火災・漏洩が発生する可能性がある。事故発生時には従業員・地域住民の生命・財産・環境への重大影響に加え、生産停止による機会損失や顧客・地域住民への補償が生じ業績に深刻な影響を与える。環境安全委員会の設置、HAZOP等リスクアセスメントの実施、DXを活用したスマートファクトリー化等により事故予防に取り組んでいる。
情報セキュリティ・サイバー攻撃
年々高度化するサイバー攻撃により業務システムやプラント制御システムが停止した場合、生産活動の停止・重要情報の漏洩・損害賠償・信用失墜により業績に悪影響を与える可能性がある。情報セキュリティ委員会の設置、CSIRT体制の構築、外部SOCによる24時間365日のインシデント監視に加え、サプライチェーン全体のセキュリティ向上にも取り組んでいる。IT-BCPの整備・訓練や全役員・従業員へのセキュリティ教育も継続的に実施している。
海外事業展開(カントリーリスク)
連結売上高の約55%を占める海外事業において、海外の政治・経済情勢の悪化、戦争・紛争・テロ、外資規制強化、経済・通商政策の変更等のリスクが内在し、これらが顕在化した場合は業績に悪影響を与える可能性がある。アジア・北中南米・欧州等に生産・開発・サービス拠点を有しており、地政学的リスクの影響範囲は広範にわたる。海外危機対応部会を中心に情報収集・現地拠点との情報共有体制を整備し、有事には対策本部を設置して従業員の安全を最優先に対応する体制を構築している。
サプライチェーン途絶リスク
中東地域を中心とした地政学的リスクの高まりにより重油等燃料価格の上昇やナフサ供給制約を起点とする石油化学関連原料の調達環境不安定化が懸念されるほか、戦争・紛争・自然災害等による調達ルート寸断リスクが存在する。物流面ではドライバー不足・時間外労働規制強化・燃料費高騰による物流コスト上昇や輸送遅延・寸断も業績に影響を与える可能性がある。サプライチェーンマネジメント委員会を設置し、調達先・生産拠点の分散、適正在庫確保、モーダルシフト推進等の対策を講じている。
人的資本・人材確保リスク
高い専門性を持つ人財の獲得困難や重要人財の社外流出が生じた場合、イノベーション創出力の低下や業務・プラント運転ノウハウの喪失により企業活動に悪影響を与える可能性がある。また、サプライチェーンを含む人権問題への対応が不十分な場合、企業価値に悪影響を及ぼすリスクも高まっている。ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進、賃金を含む待遇改善、人権デューデリジェンス体制の整備等により人的資本リスクの低減に取り組んでいる。
法令・規制違反リスク
国内外に製造・営業拠点を有し多様な法令・規制に服しているため、規制改定時の設備改修費用発生や違反時の多額の罰金・制裁金・事業活動制約・社会的信用失墜のリスクがある。近年は安全保障の観点から貿易管理の必要性も高まっており、安全保障輸出管理委員会を設置して関連法令違反リスクへの対応体制を構築している。コンプライアンス委員会の設置、通報窓口(UBE C-Line)の運営、全役員・従業員へのe-ラーニング・研修の定期実施等によりコンプライアンス体制を強化している。
買収・資本提携リスク
事業拡大・技術獲得・競争力強化を目的とした国内外の企業買収・資本提携において、期待を下回るシナジー効果、想定外の瑕疵・債務の拡大、出資先企業の業績悪化による企業価値低下等により業績に悪影響を与える可能性がある。事前の適切な市場調査・デューデリジェンス・慎重な事業評価と契約交渉・十分な社内審議プロセスを経ることでリスクを低減している。買収・資本提携実施後も十分な経営資源を投入し適切なモニタリングを継続することで円滑な統合・協力関係の実現に努めている。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

