事業内容
株式会社ファブリカホールディングスは、1992年に自動車鈑金塗装業として創業し、2024年に持株会社体制へ移行した東証スタンダード上場企業。連結子会社4社を通じ、「ビジネスコミュニケーション事業」「オートモーティブプラットフォーム事業」「AI事業」「オートサービス事業」の4セグメントを展開する。
主力のビジネスコミュニケーション事業では法人向けSMS配信サービス「メディアSMS」(現Aurora X)を中心に累計契約社数7,331社を擁し、独立系アグリゲーターとして5年連続配信数シェアNo.1を誇る。オートモーティブプラットフォーム事業では中古車販売業務支援SaaS「symphonyシリーズ」を有料アカウント4,966社に提供し、自動車アフターマーケット市場のDX化を推進している。
ビジネスモデル
ビジネスコミュニケーション事業はSMS配信数に応じた従量課金を主軸とし、双方向サービスやIVR連携等の追加機能で収益を拡大する。オートモーティブプラットフォーム事業は月額課金型SaaSで安定的な収益基盤を積み上げ、低レベニューチャーンレートを維持しながら有料アカウント数を拡大する。
両事業ともに既存顧客へのクロスセル・アップセルを通じたARPU向上を図り、AI事業の機能統合によって付加価値をさらに高める構造を志向している。
企業の強み
デロイトトーマツミック経済研究所「ミックITリポート2025年12月号」によると、メディア4uは国内法人向けSMS市場の配信数シェアで独立系アグリゲーターとして5年連続No.1を維持。2026年3月期末の累計契約社数は7,331社に達し、年間純増数は1,005社と前期の974社から加速している。
国内全キャリアへの直接接続による高いサービス品質が参入障壁を形成している。
オートモーティブプラットフォーム事業の「symphonyシリーズ」は月額課金型SaaSモデルを採用し、低水準のレベニューチャーンレートを維持しながら有料アカウント数を拡大。2026年3月期末の有料アカウント数は4,966件で、年間純増589件は前期の341件から大幅に加速した。
月次積み上げ型の収益構造が業績の安定性を支えている。
2026年3月期末の自己資本比率は60.6%、現金及び現金同等物の残高は2,454百万円を確保。営業活動によるキャッシュ・フローは1,247百万円(前期比189百万円増)と力強く、成長投資・自己株式取得(499百万円)・配当(301百万円)を同時に実施しながら財務健全性を維持している。
借入依存度が低く、機動的な資本政策の遂行余地が大きい。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期5,858百万円→2026年3月期10,567百万円と5期連続増収、直近の増収率は14.8%と加速傾向にある。営業利益は2024年3月期に一時的に低下(1,071百万円)したが、2025年3月期1,106百万円、2026年3月期1,219百万円と回復・拡大基調。
当期純利益は2025年3月期に投資有価証券評価損等の特別損失421百万円計上により332百万円に落ち込んだが、2026年3月期は特損がほぼ消滅(260千円)したことで665百万円と倍増した。外部要因として金融機関の本人認証需要拡大がSMS・IVR配信通数の増加を後押ししており、ビジネスコミュニケーション事業が全社成長を牽引している。
成長戦略
SMS統合ブランド「Aurora X」展開・自動車SaaS収益化・AI統合による三軸成長
2026年5月より法人向けコミュニケーションサービス群をSMS・IVR・AIコールを包括した統合プラットフォーム「Aurora X」に刷新。ブランド認知強化とクロスセル・アップセル促進により、2027年3月期のビジネスコミュニケーション事業売上高7,530百万円(前期比12.6%増)、セグメント利益1,970百万円(同5.4%増)を計画。
2027年3月期第1四半期連結決算よりAI事業をビジネスコミュニケーション事業に統合し、開発・営業・マーケティング機能を一体化。音声AIエージェント接続インフラ「Aurora SIP Trunking」の展開拡大により、AIサービスの市場投入スピード加速と新規収益化を図る。
2026年4月リリースの業者間取引サービス「symphonyワンプラ」の成約件数積み上がりと、2026年6月リリース予定の「symphonyインサイト」によるARPU向上により、2027年3月期の売上高2,000百万円(前期比14.4%増)、セグメント利益350百万円(同26.0%増)を計画。対象顧客母数を約150,000拠点に拡大済み。
利益率の低い中古車販売比率を削減し、単価上昇傾向にある事故車修理比率を拡大。車検基本料金の値上げ改定も実施し、2027年3月期のセグメント利益70百万円(前期比78.4%増)を計画。売上高は2,100百万円(前期比1.2%減)と微減を許容しつつ収益性改善を優先する方針。
2027年3月期より原則減配を行わない累進配当を基本方針とし、連結配当性向30%を目安に業績成長に応じた増配を実施。2027年3月期は年間40円(前期比2円増)を予定し6期連続増配見込み。自己株式取得は株価水準等を総合的に勘案し柔軟に実施する方針。
最終更新: 2026年7月19日

