事業内容
大日精化工業は1931年創業の機能性材料メーカーで、顔料・着色剤・樹脂コンパウンド・合成樹脂・印刷インキを中心に、自動車・情報電子・包装・建材など幅広い産業向けに製品を供給する。国内外24社のグループ体制を持ち、タイ・インド・台湾・インドネシア・中国・イタリア・米国等に製造・販売拠点を展開。
有機無機合成・顔料処理技術、分散加工技術、樹脂合成技術の3つのコア技術を基盤に、液晶ディスプレイ用顔料・分散体、半導体関連材料、環境配慮型インキ等の高付加価値製品を開発・供給し、「機能性マテリアル分野のエクセレントカンパニー」を目指している。
ビジネスモデル
顔料処理・分散加工・樹脂合成の3コア技術を起点に、顧客ニーズとオープンイノベーションによるシーズを組み合わせて製品を開発し、国内外の製造拠点で見込生産を行い多様な産業向けに販売する。売上高124,294百万円(2026年3月期)のうち約55%をカラー&ファンクショナル プロダクトが占め、高付加価値製品の価格転嫁と収益性改善により営業利益率6.1%を確保している。
企業の強み
有機無機合成・顔料処理技術、分散加工技術、樹脂合成技術の3つのコア技術を1931年の創業以来蓄積。液晶ディスプレイ用カラーフィルター顔料の新製品採用拡大、半導体向けカーボンナノチューブ分散体の新規採用など、技術主導による差別化製品が2026年3月期の増収増益(カラー&ファンクショナル プロダクト営業利益前年比32.1%増)を牽引した。
タイ・インド・台湾・インドネシア・中国・イタリア・米国等に製造・販売拠点を持ち、「地産地消」を基本方針に展開。2026年3月期においてタイ・インド・台湾の現地法人が好調に推移し、インドネシア現地法人も競争激化後に商権を奪還するなど、多拠点体制が特定地域リスクを分散しつつ成長機会を捉える基盤となっている。
2026年3月期末の自己資本比率は67.5%(前年比2.5ポイント上昇)、有利子負債は18,705百万円でD/Eレシオは0.13倍と極めて低水準。取引銀行4行と計6,500百万円のコミットメントライン契約を締結し流動性も確保。
財務健全性の高さが中期経営計画における設備投資・M&A等の成長投資余力を支えている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期122,005百万円を底に緩やかな回復基調にあり、2026年3月期は124,294百万円と微減収ながら概ね横ばい圏で推移。営業利益は2023年3月期2,635百万円の底打ち後に急改善し、2026年3月期は7,610百万円と過去5期で最高水準。
売上高営業利益率も6.1%まで回復した。当期純利益は前期10,289百万円(旧川口工場売却益7,761百万円含む)から8,101百万円へ減少したが、一過性要因を除いた実力ベースでは改善傾向にある。
外部要因として、国内自動車生産の回復、液晶ディスプレイ向け需要の堅調、インドネシア市場の下期回復が追い風となった一方、中国・北米向けの低調と輸送機器向けウレタン樹脂の不振が重石となった。
成長戦略
技術主導・海外拡大・ESG経営の3本柱で機能性マテリアル分野のエクセレントカンパニーを目指す
2024年4月開始の3か年中期経営計画のもと、事業ポートフォリオ見直し・国内生産販売効率化・事業所再編を推進。2026年3月期に営業利益率6.1%を達成し改善軌道に乗る。2026年5月に事業構造改革の実施を開示し、次期以降の収益構造変革を加速。
政策保有株式の売却を計画的に進め、2026年3月期に投資有価証券売却益2,812百万円を特別利益に計上。売却収入3,408百万円をキャッシュ・フローに反映。保有株式の時価上昇により投資有価証券残高は20,630百万円に増加しており、引き続き売却余地が存在する。
中期経営計画期間中の総還元性向50%以上を方針とし、2026年3月期は年間配当220円(普通配当190円+特別配当30円)、配当性向46.5%を実現。自己株式取得も1,114百万円実施。2026年4月の1対4株式分割後は年間配当55円(予想)を設定し投資家層の拡大を図る。
タイ・インド・台湾・インドネシアの現地法人が2026年3月期に好調推移。アジア向け売上高は25,088百万円。インドネシア現地法人は下期に競争力を回復し好調に転じた。2027年3月期も環境対応型水性フレキソインキの増加等により海外事業の堅調継続を見込む。
液晶ディスプレイ向け顔料・分散体の新製品採用拡大、産業・商業印刷向けインクジェット用顔料・分散液の伸長を成長ドライバーとして位置付け。無形固定資産取得支出が1,081百万円(前期232百万円)に急増しており、ソフトウェア・技術開発への投資が加速している。
最終更新: 2026年7月19日

