事業内容
株式会社大阪ソーダは1915年創業のクロール・アルカリメーカーを起源とし、現在は基礎化学品・機能化学品・ヘルスケア・商社部門の4セグメントを展開する研究開発型化学企業グループ。かせいソーダ・エピクロルヒドリン等の基礎化学品を製造する一方、アリルエーテル類(世界トップシェア)・エピクロルヒドリンゴム・ダップ樹脂等の高付加価値機能化学品、さらに医薬品精製材料・医薬品原薬・中間体を擁するヘルスケア事業を育成。
連結子会社12社を含むグループで国内外の製造・販売網を構築し、製薬・自動車・電子材料等の多様な産業を顧客基盤とする。
ビジネスモデル
基礎化学品事業が売上高の約42%を占める収益基盤を形成しつつ、機能化学品・ヘルスケアが高い利益率で全体収益を押し上げる構造。特にヘルスケアセグメントは2026年3月期のセグメント営業利益率が48.9%に達し、売上高14,635百万円に対しセグメント利益7,156百万円を計上。
自社製造・グループ内販売会社・海外現地法人を組み合わせた垂直統合型モデルにより、製造から販売まで一貫した価値提供を行う。
企業の強み
ヘルスケアセグメントは2026年3月期にセグメント営業利益率48.9%を達成。糖尿病・肥満治療薬向け医薬品精製材料の需要拡大を背景に、松山工場(2024年9月完工)・尼崎工場(2025年9月完工)の増強で生産能力を2023年度比約2倍に拡大。
さらに2028年2月までに総額100億円超の追加増強計画を実行中であり、供給能力の先行投資が競争優位を形成している。
機能化学品セグメントにおいてアリルエーテル類で世界トップシェアを保有。2027年3月までに現有の約1.2倍への生産能力増強を計画・実行中であり、シェア維持・拡大に向けた先行投資を継続している。
ダップ樹脂・ダップモノマーでも欧州・米国・中国市場での置き換え進展など、グローバルニッチトップ製品群を複数保有する点が競合との差別化要因となっている。
兵庫県尼崎市の研究センターを中核に、2026年3月期の研究開発費は2,991百万円を計上。全固体電池用高イオン伝導性材料・次世代通信材料・バイオ医薬品製造・精製技術など複数の先端領域で研究開発を推進。
1961年の研究所開設以来60年超にわたり蓄積した自主技術が、グローバルニッチトップ製品の創出基盤となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高推移は2022期88,084百万円→2023期104,208百万円(ピーク)→2024期94,557百万円(原材料高・需要減で落込み)→2025期96,434百万円→2026期99,961百万円と緩やかな回復基調。営業利益は2024期10,492百万円を底に2025期13,246百万円、2026期17,634百万円と急回復し、利益率は2024期11.1%→2026期17.6%へ大幅改善。
外部要因として糖尿病・肥満治療薬市場の拡大、エピクロルヒドリン海外市況の改善、水島工場の供給問題解消が追い風となった。売上原価は前期67,487百万円から当期66,232百万円へ減少し、売上総利益率が28,946百万円→33,728百万円へ改善したことが利益拡大の主因。
包括利益は21,675百万円(前期比+118.8%)と投資有価証券の評価益増加も寄与した。
成長戦略
ヘルスケア増産・機能化学品ニッチ深耕・次世代材料事業化の三本柱で2030年度営業利益300億円を目指す
松山・尼崎両工場の増強により生産能力は2023年度比約2倍に拡大済み。さらに2028年2月までに総額100億円超を投じて現有の約2倍に引き上げる計画を決定。糖尿病・肥満治療薬向け需要の継続拡大を背景に世界トップシェアの維持・拡大を図る。
2026年3月期に出荷設備の能力増強を実施済み。2027年3月までに生産能力を現有の約1.2倍に拡大する計画を推進中。中国市況の回復を取り込みつつ、世界トップシェアの地位をさらに強固にする。
NEDOグリーンイノベーション基金事業として採択された全固体電池用超高イオン伝導性ポリマーの開発が着実に進捗。量産体制確立に向けてパイロット設備の建設を決定。新中期経営計画では次なるグローバルニッチトップ製品と位置づけ、2030年の事業化・2035年までの収益柱化を目指す。
2026〜2030年度の5カ年計画として策定。「既存事業の価値再構築とヘルスケア領域の成長加速」「全社総力を結集して挑む新事業創出」「事業環境の変化にしなやかに応える経営基盤の強靭化」の3本柱のもと、2030年度営業利益300億円の達成を目指す。
2026年3月期の年間配当は28円(前期比較では実質増配)、配当性向22.5%。2027年3月期予想も28円を維持。当期は自己株式取得6,005百万円を実施し、累進配当方針を導入。従業員持株会向け譲渡制限付株式の付与も決定し、資本効率向上と従業員エンゲージメント向上を両立する。
最終更新: 2026年7月19日

