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東ソー株式会社

4042東証プライム化学

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東ソー株式会社4042

事業内容

東ソー株式会社は1935年創業の総合化学メーカーで、連結子会社89社・持分法適用会社15社を含むグループを形成する。事業は「チェーン事業」(食塩電解・ナフサ熱分解を起点とした石油化学・クロル・アルカリ)と「先端事業」(機能商品・エンジニアリング)の2区分で構成される。

主要顧客は自動車・半導体・バイオ医薬・建材・食品など幅広い産業に及び、国内では南陽・四日市・日向等の大型コンビナートを擁する。海外はアジア・北米・欧州に製造・販売拠点を持ち、グローバルに事業を展開している。

2026年3月期の連結売上高は1,019,917百万円。

ビジネスモデル

南陽・四日市の大型コンビナートにおいて食塩電解・ナフサ熱分解を起点に、苛性ソーダ・塩ビ・MDI・ポリエチレン等を一貫製造する垂直統合モデルを基盤とする。チェーン事業で安定的な量産収益を確保しつつ、機能商品事業(営業利益率14.6%)・エンジニアリング事業(同21.7%)の高付加価値製品・サービスで全体収益を底上げする構造。

設備投資は中期計画3ヵ年で2,200〜2,500億円を計画し、成長分野への能力増強と脱炭素対応を並行推進する。

企業の強み

四日市事業所に中京地区唯一のナフサクラッカーを保有し、オレフィン・ポリマーの一貫製造体制を構築。競合が短期間で模倣困難な地域独占的インフラであり、半導体向け高純度薬液容器用HDPE樹脂など特定用途への安定供給力を持つ。2026年3月期の石油化学事業生産額は196,332百万円。

子会社オルガノ株式会社を中核とするエンジニアリング事業は、2026年3月期に売上高186,412百万円・営業利益40,383百万円・営業利益率21.7%を達成。日本・台湾・米国での先端半導体向け水処理プラント案件が順調に進捗し、売上高前期比10.1%増・営業利益同20.1%増を実現した。

設備保有型サービス・メンテナンス等の安定収益も積み上がっている。

機能商品事業は2026年3月期に売上高272,858百万円・営業利益39,933百万円・営業利益率14.6%を達成。バイオ医薬品向け分離精製剤は南陽事業所で2026年5月に商業運転を開始し、四日市事業所でも2027年春の新設を進める。

ハイシリカゼオライト・ジルコニア・臭素等の高機能材料も複数用途で出荷増加が継続している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の親会社株主帰属当期純利益は41,615百万円と前期比28.3%減。主因は米国子会社トーソー・SMD, Inc.のスパッタリングターゲット固定資産に係る減損損失19,572百万円(前期1,589百万円から急増)。

経常利益は106,752百万円と前期比3.6%増であり、一過性の特別損失を除いた事業実力は維持されているが、米国半導体材料事業の収益性悪化は継続監視が必要。

エンジニアリング事業は売上高186,412百万円(前期比10.1%増)・営業利益40,383百万円(同20.1%増)と好調を維持し、AI関連半導体向け水処理需要の外部環境追い風も寄与。一方、クロル・アルカリ事業の営業利益は1,915百万円と前期9,469百万円から79.8%急減し、中国需要低迷・海外市況下落・定期修繕影響が重なった。

同事業の市況依存リスクは依然として連結業績の変動要因として大きい。

2027年3月期の業績予想は中東情勢悪化に伴う原燃料コスト・需要面の不確定要素を理由に「未定」とされており、投資家にとって業績の視界が極めて限られた状況。国産ナフサ価格は2025年度65,225円/KLと前期比10,425円/KL下落したが、中東情勢次第では原燃料コストの急騰リスクがある。

セグメント再編(2027年3月期より5区分化)による開示変更も過去比較の連続性に影響する点に留意が必要。

成長戦略

先端事業の能力増強と脱炭素投資で「成長と脱炭素の両立」を推進

南陽事業所での能力増強設備が2026年春に商業運転開始。さらに四日市事業所での新設設備が2027年春の商業運転開始を見込む。バイオ医薬品製造工程の革新的技術(連続クロマトグラフィー・プレパックカラム)開発にも注力し、機能商品セグメントの収益基盤を強化する。

中長期的な市場成長が見込まれるクロロプレンゴムの生産能力増強を決定。2030年春の商業運転開始を予定しており、石油化学セグメントの付加価値製品比率向上と中長期的な販売数量拡大に寄与する。

東南アジアでの需要拡大が続くMDIについてベトナムにトーソー・ベトナム・ポリウレタンCo.,Ltdを設立し粗MDIスプリッターを建設中(2027年春稼働予定)。HDI誘導品は2026年夏に能力増強を予定しており、クロル・アルカリセグメントの高付加価値化を推進する。

南陽事業所にバイオマス発電所を建設し2026年5月から稼働を開始。エネルギー多消費型のクロル・アルカリ事業におけるCO2排出量削減と再生可能エネルギー利用拡大を実現し、脱炭素目標達成に向けた具体的な取り組みとして機能する。

2028年3月期を最終年度とする中期経営計画において総還元性向50%を目標に設定。年間1株当たり100円を下限とした配当を継続しつつ、3年間で500百万円の自己株式取得を計画。2025年8月から2026年3月までに250百万円の取得を完了し、残り250百万円の実施時期を検討中。

2026年4月21日の取締役会において報告セグメントの変更を決議。従来の4区分から「基礎素材」「付加価値素材」「バイオサイエンス」「高機能材料」「水処理エンジニアリング」の5区分に再編し、中期経営計画の事業ポートフォリオ戦略を反映した組織体制へ2026年6月から移行する。

最終更新: 2026年7月19日