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石原産業株式会社

4028東証プライム化学

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石原産業株式会社4028

事業内容

石原産業株式会社は1920年創業の総合化学メーカーで、農薬(除草剤・殺虫剤・殺菌剤)・動物用医薬品・医薬を軸とする有機化学事業と、酸化チタン・機能性色材・電子材料・ファインケミカルを軸とする無機化学事業の二本柱で構成される。当社及び子会社34社・関連会社5社からなるグループを形成し、欧州・米州・アジアを含む世界市場に製品を供給する。

主要顧客は農業生産者・農薬販社・電子部品メーカー・化粧品メーカー等多岐にわたり、四日市工場(三重県)を主要生産拠点として国内外に製造・販売ネットワークを展開している。

ビジネスモデル

有機化学事業では自社中央研究所で創製した農薬・動物用医薬品を世界各国で登録取得し、欧州・米州・アジアの地域子会社(ISK BIOSCIENCES EUROPE N.V.等)を通じて製剤・販売する。無機化学事業では酸化チタン技術を基盤に機能性色材・電子材料・ファインケミカルを製造し、国内外の電子部品・化粧品・塗料メーカー等に直接・間接販売する。

研究開発費11,245百万円(2026年3月期)を継続投入し、新規農薬・新機能材料の商品化で収益を更新し続ける研究開発型ビジネスモデルである。

企業の強み

有機化学事業の2026年3月期売上高は82,619百万円、営業利益率22.2%を達成。欧州・米州・アジアに専門販売子会社を配置し、除草剤トルピラレート・殺虫剤シクラニリプロール・殺菌剤イソフェタミド等の成長戦略剤を複数地域で登録・上市。自社創製品の世界展開により高い利益率を維持している。

無機化学事業では長年の酸化チタン製造技術を基盤に、MLCC向け高純度酸化チタン・硫化ビスマス黒色顔料「LUSHADE® BLACK」・銅微粒子等の高付加価値製品を開発。2023年9月には村田製作所との合弁会社MFマテリアル株式会社を設立し、電子材料分野での事業基盤を強化している。

2026年3月期の研究開発費は11,245百万円(有機化学事業10,062百万円、無機化学事業997百万円)。AI創薬を含む最新手法を活用した新規農薬創製、動物用医薬品PANOQUELL®の適応拡大、バイオロジカル製品の開発など多様なパイプラインを保有し、継続的な新製品商品化を推進している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業利益は19,077百万円(前期比82.0%増)と大幅改善したが、欧州での天候要因による殺菌剤特需が寄与した部分が大きい。会社自身も2027年3月期予想で「前期の特需剥落により減収」と明示しており、次期営業利益予想は14,200百万円(前期比25.6%減)と急減速する見通し。

農薬事業の実力値を見極めるうえで、特需剥落後の欧州売上の底堅さと成長戦略剤の浸透度が重要な観察点となる。

2026年4月19日に連結子会社・富士チタン工業の神戸工場で火災が発生し、排ガス設備が被災・操業停止中。損失額は現時点で合理的な見積もりが困難とされており、2027年3月期業績予想にも織り込まれていない。

無機化学事業はファインケミカルの市況低迷・中国品流入による酸化チタン市況悪化という構造的逆風に加え、この突発的な操業リスクが重なっており、業績予想の下振れ要因として注視が必要。

米国での動物用医薬品PANOQUELL®の完全承認遅延により、2027年3月期は研究開発費が増加する見通し。ヘルスケア事業は有機化学事業の収益多様化に向けた重要な成長軸だが、承認スケジュールの不確実性が続く限り費用先行の状態が継続する。

一方、承認取得後の米国市場での拡販・世界主要国への展開が実現すれば、有機化学事業の収益基盤をさらに強化する潜在力を持つ。

成長戦略

Vision 2030 StageⅡのもと農薬グローバル展開・無機化学構造改革・ROIC経営を推進

欧州・米州・アジアでの農薬登録取得・維持を継続し、成長戦略剤(除草剤等)の市場開拓を加速。2026年3月期は米州除草剤・欧州殺菌剤・アジア殺虫剤がそれぞれ伸長し、有機化学事業売上高82,619百万円(前期比148億円増)を達成。他社との農薬新規剤共同開発も推進中。

米国での完全承認取得後の拡販と世界主要国への展開を目指す。現時点では完全承認が遅延しており研究開発費が増加する見通し。承認取得後は有機化学事業の収益多様化に大きく貢献する潜在力を持つ。

汎用酸化チタンから電子部品材料・機能性色材等の高付加価値製品へポートフォリオを転換。2026年3月期は電子材料の国内販売が大きく伸長し無機化学事業セグメント利益4,972百万円(前期比33億円増)を達成。ただし富士チタン工業神戸工場の火災事故(2026年4月)が操業リスクとして残存。

中期経営計画「Vision 2030 StageⅡ」でROIC経営を重点施策に掲げ、資本効率の向上を図る。2026年3月期ROEは13.7%と目標10%以上を達成。年間配当120円(前期比35円増)を実施し、次期は130円を予定。DOE3%下限・配当性向40%目標を方針として継続。

最終更新: 2026年7月19日