事業内容
多木化学は1885年(明治18年)創業、兵庫県加古川市に本社を置く東証プライム上場の化学メーカー。アグリ(複合肥料・りん酸質肥料)、化学品(水処理薬剤・機能性材料)、建材(石こうボード)、石油(燃料油販売)、不動産(商業ビル賃貸)、運輸(海上・陸上輸送)の6セグメントを展開する。
子会社15社・関連会社4社を含むグループ体制で、2025期の連結売上高は41,977百万円。化学品事業が売上高の約48%を占める最大セグメントであり、超高塩基度ポリ塩化アルミニウムを中心とした水処理薬剤が成長を牽引している。
主要顧客は水道事業体・自動車関連メーカー・農業従事者等と多岐にわたる。
ビジネスモデル
コア事業であるアグリ・化学品は自社工場での製造から販売までを一貫して担う製造販売型モデル。原料価格変動を販売価格に転嫁しながら収益を確保する構造を持つ。
化学品事業は営業利益率11.4%と高収益で、グループ利益の約73%を創出。一方、不動産事業は営業利益率54.8%の安定収益源として機能し、グループ全体の収益安定性を高めている。
グループ内物流を運輸セグメントが担うことで内部シナジーも創出している。
企業の強み
超高塩基度ポリ塩化アルミニウムは気候変動による原水水質悪化・環境負荷低減ニーズを背景に市場浸透が進展。化学品セグメントは売上高20,212百万円・営業利益2,312百万円(営業利益率11.4%)を達成し、グループ最大かつ最高収益セグメントとして機能している。
1885年創業以来、肥料から化学品・建材・不動産・運輸へと事業を多角化。不動産事業は営業利益率54.8%(売上高1,315百万円・営業利益721百万円)の高収益安定セグメントとして機能し、景気変動に対するポートフォリオ耐性を高めている。
研究開発要員76名(グループ総従業員の約12%)を擁し、2025年7月に新野辺研究所を稼働開始。魚うろこ由来コラーゲン材料でクオリプス社とiPS心筋シートを共同開発し2025大阪・関西万博に展示。
スヴェンソン社と次世代コラーゲン人工毛髪の特許を共同出願するなど、ライフサイエンス分野への展開実績を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は2023期の34,852百万円を底に回復し、2025期は41,977百万円・営業利益3,163百万円まで拡大した。8年12月期第1四半期は売上高10,776百万円(前年同期比+9.2%)、営業利益946百万円(+37.1%)と加速感が増している。
外部要因として原料価格上昇が販売価格転嫁を後押しし、アグリ・化学品・建材の主要3セグメントが揃って増収増益を達成した。通期予想は営業利益2,450百万円(前期比△22.6%)と保守的な設定だが、第1四半期時点の進捗率は約38.6%に達しており、上振れ余地を内包している。
総資産は68,412百万円、自己資本比率65.7%と財務基盤は引き続き堅固。
成長戦略
中期経営計画2028に基づき水処理薬剤増強・M&A・新製品投入で収益拡大を目指す
超高塩基度ポリ塩化アルミニウムを中心とした水処理薬剤の生産能力増強を推進。環境負荷低減ニーズの高まりを外部要因として取り込みつつ、増産体制の整備により販売数量の拡大を図る。
洛東化成工業株式会社の子会社化(化学品セグメント)を実施済み。のれん89百万円を計上。引き続きM&Aを成長手段として活用し、グループの事業領域拡大とシナジー創出を目指す。
医薬品添加剤の新製品を市場投入し、スマートフォン向け高純度酸化タンタルへの依存度低減を図る。8年12月期第1四半期において機能性材料売上高は1,671百万円と前年同期比13.3%増を達成し、新製品効果が顕在化している。
肥料の販売数量増加と価格転嫁の推進により、8年12月期第1四半期のアグリ売上高は3,301百万円(前年同期比+12.5%)、営業利益197百万円(+5.4%)を達成。中期経営計画2028に基づき農業関連周辺領域への展開も継続する。
最終更新: 2026年7月17日

