事業内容
日産化学株式会社は1887年創業の東証上場特殊化学メーカーで、子会社36社・関連会社9社を擁するグループを形成する。事業は機能性材料(半導体用反射防止コーティング材・ディスプレイ材料・無機コロイド)、農業化学品(農薬・動物用医薬品原薬)、化学品(基礎化学品・ファインケミカル)、ヘルスケア(医薬品原薬・受託製造)、卸売、その他(肥料・造園・運送等)の6セグメントで構成される。
主要顧客は半導体メーカー、農薬販売会社、製薬メーカー等であり、国内外に製造・販売・研究開発拠点を持つグローバル展開を行っている。
ビジネスモデル
精密有機合成・機能性高分子設計・微粒子制御等の独自コア技術を基盤に、半導体材料や農薬原体など代替困難な高付加価値製品を自社開発・製造し、グローバルに販売する。機能性材料セグメントの営業利益率は30%超、農業化学品セグメントも28%超と高水準を維持しており、研究開発費(2026年3月期:21,376百万円)を継続投入することで技術優位性を持続させる収益構造を持つ。
企業の強み
機能性材料セグメントは2026年3月期に売上高113,377百万円、営業利益35,331百万円(営業利益率31.2%)を達成。半導体用反射防止コーティング材ARC®・多層材料OptiStack®は顧客の稼働好調を受けて大幅増収となり、業績予想を売上高で37億円、営業利益で32億円上回った。
富山第2分析棟の稼働開始により先端リソグラフィー・実装材料対応の分析・評価技術基盤も拡充している。
農業化学品セグメントは2026年3月期に売上高96,243百万円、営業利益26,043百万円(営業利益率27.1%)を達成。殺虫剤「グレーシア」、水稲用除草剤「アルテア」「ベルダー」、殺菌剤「ライメイ」等の自社創出原体製品を国内外で展開。
インド合弁会社Nissan Bharat Rasayan Pvt., Ltd.での原体製造も稼働し、供給力を強化している。動物用医薬品原薬フルララネルは世界100か国以上で販売されるBravecto®の原薬として安定収益を確保する。
2026年3月期の研究開発費は21,376百万円(売上高比7.6%)。国内3研究所(物質科学・材料科学・生物科学)に加え、韓国・台湾・中国にR&Dセンターを設置。
精密有機合成・機能性高分子設計・微粒子制御・生物評価・光制御の5つのコア技術を基盤に、EUV材料・実装材料・核酸医薬・バイオ農薬等の次世代製品開発を推進しており、技術的参入障壁の高さが競争優位の源泉となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期207,972百万円から2026年3月期279,586百万円へ5期で34.4%拡大。営業利益は同期間で50,959百万円から63,552百万円へ24.7%増加し、当期利益も38,776百万円から49,707百万円へ28.2%増加した。
2024年3月期に一時的な減益(営業利益48,201百万円)があったものの、2025年3月期以降は回復・加速。外部要因としてAI投資拡大に伴う半導体材料需要の増加と円安効果が追い風となっている。
地域別売上では中国向けが57,954百万円(前期比+21.7%)と最大の伸びを示した。
成長戦略
「Vista2027」のもと機能性材料・農業化学品のグローバル展開と新技術投資を加速
韓国における半導体材料製造拠点の新設により、ARC®等リソグラフィー材料の供給力を強化。AI・先端半導体向け需要の取り込みを加速し、機能性材料セグメントの成長を持続させる。
「グレーシア」「ライメイ」等をアジア・中東・アフリカへ普及推進。インド合弁会社での原体製造(2023年3月〜)による供給力強化を背景に、海外農薬売上の拡大を図る。
AIを活用したMIにより新材料の開発スピードを向上させ、機能性材料・農業化学品の新製品創出を加速。競合に対する技術的優位性の維持・強化を目指す。
ジェネリック原薬販売拡大やファインオキソコール等の高付加価値化学品の販売増加により、機能性材料・農業化学品以外のセグメントの収益貢献度を高め、ポートフォリオの安定性を向上させる。
最終更新: 2026年7月19日

