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笹徳印刷株式会社

3958東証スタンダードパルプ・紙

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笹徳印刷株式会社3958

事業内容

笹徳印刷株式会社は1890年(明治23年)創業の総合印刷企業。愛知県豊明市を本拠に、紙器・軟包装等のパッケージング分野と、販促物・デジタルコンテンツ等のコミュニケーション分野を展開する。

国内5工場・海外1工場(中国無錫)の計6工場体制を整備し、企画・設計から印刷・加工・フルフィルメントサービス(保管・梱包・発送)までを一貫提供する「発想から発送までのワンストップソリューション」を強みとする。子会社として株式会社サンライト(国内)、世徳印刷科技(無錫)有限公司(中国)、PT.SASATOKU INDONESIA(インドネシア)を擁し、東証スタンダード市場・名証メイン市場に上場(2023年9月)。

主要顧客は菓子・食品メーカー、自動車関連企業等で、王子ネピア株式会社が売上高の9.9%を占める。

ビジネスモデル

パッケージング分野(売上高の約70.9%)では、紙器・軟包装の企画設計から印刷・加工・フルフィルメントサービスまでを一貫受注し、ジャストインタイム・高品質・低コストの生産で収益を確保する。コミュニケーション分野(約29.1%)では、折込広告・パンフレット・Webコンテンツ等の制作・印刷・配送を受託する。

各工場は高速道路インターチェンジ至近の好立地に配置し、広域物流を効率化。製品価格の適正化(値上げ)推進により収益性改善を図る構造。

企業の強み

1890年創業の135年の業歴を持ち、紙器・軟包装・プリントメディアの製造工程が異なる製品を各工場で完結生産する「一環生産体制」を確立。国内5工場はいずれも主要高速道路インターチェンジから車で5分以内の好立地に配置し、関西から東北まで広域カバーを実現している。

企画・設計から印刷・加工・フルフィルメントサービス(保管・受注処理・梱包・発送・在庫管理)までを一貫提供する体制を構築。2025年1月には関東工場でもフルフィルメントサービス事業を開始し、関東・中部地区での需要拡大に対応。菓子・食品向けパッケージ需要を堅調に取り込んでいる。

1999年に中国無錫市へ進出し、2023年3月に世徳印刷科技(無錫)有限公司が本格開業。2013年にはインドネシア・ジャカルタにPT.SASATOKU INDONESIAを設立。国内外6工場体制により、海外パッケージ需要の取り込みと東南アジア諸国への新規展開基盤を整備している。

エンヴァリスの着眼点

2026年6月期第3四半期累計(9ヶ月)の売上高は9,364百万円(前年同期比3.3%減)、営業利益は168百万円(同8.3%減)。通期予想は売上高13,000百万円・営業利益200百万円であり、残り1四半期(4Q)で売上高3,636百万円・営業利益32百万円を確保する必要がある。

売上高の通期進捗率は72.0%と前年同期並みだが、営業利益の進捗率は84.5%と高く、4Qの利益創出余地は限定的。通期予想に変更はないとされているが、達成には4Q業績の堅調推移が前提となる。

賃上げによる人件費上昇に加え、動力費・原材料費・外注費・物流費の複合的なコスト増加が収益性を圧迫している。第3四半期累計の営業利益率は1.8%(前年同期1.9%)と低水準が続く。

製品価格の適正化(値上げ)を継続しているものの、コスト増加を吸収しきれていない状況。外部環境として原材料・エネルギー価格の高止まりが続く限り、収益性の本格回復は困難な局面が続く見通し。

営業利益が前年比8.3%減の一方、親会社株主に帰属する四半期純利益は236百万円(前年同期比1.0%増)と微増を確保。法人税等調整額のプラス寄与(△32,686千円)が純利益を下支えした。

また、保有株式の時価評価による投資有価証券残高は4,153百万円(前期末比454百万円増)に達し、自己資本比率64.1%と財務健全性は維持されている。一方、自己株式取得(当期累計85百万円)を継続しており、株主還元姿勢は評価できる。

成長戦略

パッケージ競争力強化・フルフィルメント拡大・DX推進・海外展開の4軸で成長

パッケージング分野の競争力強化を目的として関東工場で紙器製造ラインの増設工事を実施中。稼働後は生産能力拡大により自動車用品・化粧品・菓子食品向け受注の取込強化が期待される。

製造コスト上昇(人件費・動力費・原材料費・外注費・物流費)を反映した製品価格の適正化を継続。コスト増加の転嫁により収益性の改善を目指す。第3四半期累計時点では効果は限定的で、営業利益率は1.8%にとどまる。

業務効率化および製造原価低減を目的としてさらなる内製化を推進。外注費削減と品質管理の両立を図る。賃上げによる人件費上昇が内製化コスト削減効果を一部相殺している状況。

プリントメディア需要の構造的縮小に対応し、動画やドキュメント制作の受注を拡大。第3四半期累計時点で堅調に推移しており、コミュニケーション分野の下支え要因となっている。

中国・インドネシアの既存拠点を活用しつつ東南アジア諸国への事業拡大を推進。国内市場の縮小を補う中長期的な成長エンジンとして位置づけ。為替換算調整勘定が当期累計で90,607千円増加しており、海外拠点の資産価値も上昇。

2026年中期経営計画の一環として生成AIをはじめとする先端技術の実用化とDX推進に取り組む。業務効率化・新サービス創出による競争力強化を目指す。

最終更新: 2026年7月17日