事業内容
笹徳印刷株式会社は1890年(明治23年)創業の総合印刷企業。愛知県豊明市を本拠に、紙器・軟包装等のパッケージング分野と、販促物・デジタルコンテンツ等のコミュニケーション分野を展開する。
国内5工場・海外1工場(中国無錫)の計6工場体制を整備し、企画・設計から印刷・加工・フルフィルメントサービス(保管・梱包・発送)までを一貫提供する「発想から発送までのワンストップソリューション」を強みとする。子会社として株式会社サンライト(国内)、世徳印刷科技(無錫)有限公司(中国)、PT.SASATOKU INDONESIA(インドネシア)を擁し、東証スタンダード市場・名証メイン市場に上場(2023年9月)。
主要顧客は菓子・食品メーカー、自動車関連企業等で、王子ネピア株式会社が売上高の9.9%を占める。
ビジネスモデル
パッケージング分野(売上高の約70.9%)では、紙器・軟包装の企画設計から印刷・加工・フルフィルメントサービスまでを一貫受注し、ジャストインタイム・高品質・低コストの生産で収益を確保する。コミュニケーション分野(約29.1%)では、折込広告・パンフレット・Webコンテンツ等の制作・印刷・配送を受託する。
各工場は高速道路インターチェンジ至近の好立地に配置し、広域物流を効率化。製品価格の適正化(値上げ)推進により収益性改善を図る構造。
企業の強み
1890年創業の135年の業歴を持ち、紙器・軟包装・プリントメディアの製造工程が異なる製品を各工場で完結生産する「一環生産体制」を確立。国内5工場はいずれも主要高速道路インターチェンジから車で5分以内の好立地に配置し、関西から東北まで広域カバーを実現している。
企画・設計から印刷・加工・フルフィルメントサービス(保管・受注処理・梱包・発送・在庫管理)までを一貫提供する体制を構築。2025年1月には関東工場でもフルフィルメントサービス事業を開始し、関東・中部地区での需要拡大に対応。菓子・食品向けパッケージ需要を堅調に取り込んでいる。
1999年に中国無錫市へ進出し、2023年3月に世徳印刷科技(無錫)有限公司が本格開業。2013年にはインドネシア・ジャカルタにPT.SASATOKU INDONESIAを設立。国内外6工場体制により、海外パッケージ需要の取り込みと東南アジア諸国への新規展開基盤を整備している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去3期の売上高推移は2023期13,041百万円→2024期12,953百万円→2025期12,556百万円と3期連続減少。営業利益も2023期364百万円→2024期379百万円→2025期186百万円と2025期に急落。
2026年6月期第3四半期累計(9ヶ月)は売上高9,364百万円(前年同期比3.3%減)、営業利益168百万円(同8.3%減)と減収減益が継続。外部要因として印刷用紙値上がりによるデジタル化加速、原材料・エネルギー・物流費の高騰が収益を圧迫。
パッケージング分野(売上高6,601百万円、前年同期比1.6%減)はコミュニケーション分野(同2,763百万円、同7.3%減)より相対的に底堅い。包括利益は638百万円(前年同期△41百万円)と大幅改善しており、保有株式の時価上昇が純資産を押し上げている。
成長戦略
パッケージ競争力強化・フルフィルメント拡大・DX推進・海外展開の4軸で成長
パッケージング分野の競争力強化を目的として関東工場で紙器製造ラインの増設工事を実施中。稼働後は生産能力拡大により自動車用品・化粧品・菓子食品向け受注の取込強化が期待される。
製造コスト上昇(人件費・動力費・原材料費・外注費・物流費)を反映した製品価格の適正化を継続。コスト増加の転嫁により収益性の改善を目指す。第3四半期累計時点では効果は限定的で、営業利益率は1.8%にとどまる。
業務効率化および製造原価低減を目的としてさらなる内製化を推進。外注費削減と品質管理の両立を図る。賃上げによる人件費上昇が内製化コスト削減効果を一部相殺している状況。
プリントメディア需要の構造的縮小に対応し、動画やドキュメント制作の受注を拡大。第3四半期累計時点で堅調に推移しており、コミュニケーション分野の下支え要因となっている。
中国・インドネシアの既存拠点を活用しつつ東南アジア諸国への事業拡大を推進。国内市場の縮小を補う中長期的な成長エンジンとして位置づけ。為替換算調整勘定が当期累計で90,607千円増加しており、海外拠点の資産価値も上昇。
2026年中期経営計画の一環として生成AIをはじめとする先端技術の実用化とDX推進に取り組む。業務効率化・新サービス創出による競争力強化を目指す。
最終更新: 2026年7月17日

