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中越パルプ工業株式会社

3877東証プライムパルプ・紙

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中越パルプ工業株式会社3877

事業内容

中越パルプ工業は1947年創業の東証プライム上場の総合製紙メーカーで、富山県高岡市に本社を置く。連結子会社7社・持分法適用関連会社6社を含むグループで、新聞用紙・印刷用紙・包装用紙・特殊紙・板紙・パルプ等の製造販売を主力とする紙・パルプ製造事業(売上高100,504百万円)を中核に、売電事業(5,660百万円)、セルロース・ナノファイバー(CNF)関連製品・紙加工品・造林・物流等の周辺事業(外部顧客向け4,221百万円)を展開する。

主要顧客は新生紙パルプ商事・日本紙パルプ商事・国際紙パルプ商事等の紙パルプ商社であり、上位3社で売上高の約46%を占める。

ビジネスモデル

自社工場(高岡・川内等)でパルプを一貫生産し、多品種の紙製品に加工して紙パルプ商社経由で国内外に販売する。発電事業では自社工場の余剰電力を売電し副収益を得る。

グループ内では物流・断裁加工・機械設備保守等の周辺機能を内製化し、セグメント間内部売上高13,320百万円規模のグループ内取引で収益基盤を補完する。

企業の強み

高岡・川内の自社工場でパルプ732,972トン(2026年3月期)を一貫生産し、新聞用紙・印刷用紙・包装用紙・特殊紙・板紙・衛生用紙等の多品種を製造する垂直統合体制を有する。新設家庭紙マシンのフル稼働など設備投資による品種転換実績も持つ。

2026年3月期末の自己資本比率は50.3%(前期比3.6ポイント改善)、純資産合計59,952百万円。負債は前期比10.3%減の59,134百万円に圧縮され、借入金返済を着実に進めている。CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)導入による資金効率化も実施済み。

研究開発費315百万円(2026年3月期)を投じ、セルロース・ナノファイバー(ナノフォレスト)の畜産・農業・化粧品・樹脂・ゴム分野への利用拡大、非フッ素系耐油紙・低透気クラフト紙等の環境配慮製品開発、水素製造技術研究など多岐にわたる研究開発を社内外連携で推進している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の連結営業利益は2,741百万円(前期比43.4%減)と、2024年3月期ピーク(6,172百万円)から2期で半分以下に落ち込んだ。外部要因として海外市況悪化(パルプ輸出価格下落・アジア需要減退)が直撃した一方、原燃料価格上昇・固定費増加という内部コスト圧力も重なり、売上原価率は84.6%(前期84.6%→当期86.5%)に悪化。

2027年3月期予想も営業利益2,300百万円(前期比16.1%減)とさらなる減益を見込んでおり、収益回復の道筋は不透明。

2026年3月期の親会社株主帰属当期純利益は2,440百万円(前期比38.6%増)だが、これは前期に計上した減損損失2,726百万円が当期38百万円に激減したことによる特別損失の縮小(前期3,278百万円→当期251百万円)が主因。営業利益ベースでは大幅減益であり、純利益の増益を実力値の改善と解釈することには注意が必要。

2026年3月期配当は年間90円(前期70円)、2027年3月期予想は120円(前期比33%増)と積極的な増配方針を打ち出している。中期経営計画2030では「連結配当性向30%かつDOE2.5%」を指標とする。

ただし2027年3月期の予想配当性向は94.2%と極めて高く、業績予想(当期純利益1,600百万円)が下振れした場合の配当維持能力が問われる。営業CFも4,671百万円(前期10,360百万円から55%減)と大幅に低下しており、財務的な余裕度の変化を注視する必要がある。

成長戦略

中期経営計画2030の初年度、紙パルプ基盤強化・新規事業・GX推進の3本柱で2030年度営業利益8,000百万円・ROE8%を目指す

新設家庭紙マシンのフル生産・フル販売を継続し衛生用紙需要を取り込む。包装用紙は環境配慮型包装資材としての提案強化と段ボール代替需要を獲得。板紙・加工品はカップ麺容器等の輸出販売好調を維持し、国内印刷用紙は拡販策を継続する。

セルロース・ナノファイバー(CNF)を活用したナノフォレスト事業を中期経営計画2030の新規事業の柱として位置づけ、収益化を目指す。現状は「その他」セグメントに含まれ収益貢献は限定的だが、中長期の成長オプションとして開発を継続している。

中期経営計画2030の3本柱の一つとしてGX推進を掲げ、化石燃料使用量削減・省エネ対策・造林緑化事業の環境価値向上に取り組む。発電事業における燃料コスト管理と合わせ、コスト構造改善と環境対応の両立を図る。

最終更新: 2026年7月19日