事業内容
株式会社テクノマセマティカルは、数学的手法に基づく独自アルゴリズム「DMNA」(Digital Media New Algorithm)を基幹技術として、映像・音声・音響の圧縮伸張処理に関するソフトウェアIP・ハードウェアIPのライセンス提供と、これらを応用したソリューション製品の開発・製造・販売を行う。主要顧客は電子機器メーカー・半導体メーカーのほか、近年は防衛・宇宙(月面探査機・人工衛星)・航空(フライトシミュレータ・航空機通話システム)・警察・放送・防災など高付加価値用途へ顧客層が拡大している。
ファブレスメーカーとして製造設備を持たず、知的財産の開発・ライセンスを主軸とする軽資産型事業モデルを採る。
ビジネスモデル
ソフトウェアライセンス事業では組込みシステム向けIPを複製ロイヤルティ形式でライセンス提供し、ハードウェアライセンス事業ではイニシャルライセンス料と量産ロイヤルティの二段階収入を得る。ソリューション事業では既存IPを活用したカスタム開発・システム製品販売を行い、売上総利益率は2026年3月期に92.5%と極めて高水準。
有利子負債ゼロ・自己資本比率93.1%の無借金経営で、運転資金はすべて自己資金で賄う。
企業の強み
DMNAは因数分解・折り返し演算・階層化処理等の数学的手法で演算負荷を劇的に削減する独自アルゴリズムであり、他社比で消費電力1/10程度・回路規模1/3程度を実現。H.265比2倍以上の圧縮率を持つ独自規格DMNA-V2/V3も開発済みで、月面探査機・人工衛星向けライセンスを獲得するなど宇宙・防衛分野での採用実績を有する。
2026年3月期の売上総利益率は92.5%。当期末の現金及び預金は855百万円、有利子負債ゼロ、自己資本比率93.1%と極めて健全な財務状態を維持している。IPライセンスを主軸とする軽資産モデルにより、設備投資額は当期1,091千円にとどまり、キャッシュ創出効率が高い。
月面探査機向けH.265エンコーダ・人工衛星向け1/4固定長圧縮技術・フライトシミュレータ向け画像音声エンコーダ/デコーダユニット・航空機通話システム向けハンズフリーソフトウェアなど、参入障壁の高い防衛・宇宙・航空分野での量産ライセンス実績を複数保有。デンソーテン(売上比16.1%)・富士フイルム(同12.2%)など大手との取引実績も有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期569百万円→2023期599百万円→2024期528百万円→2025期417百万円と4期連続で実質的に低迷・減少が続いたが、2026期は685百万円と前期比64.6%増で急回復し、営業利益も45百万円と5期ぶりの黒字転換を達成した。防衛・警察・放送・防災向けソリューション案件の集中獲得と販管費削減(663百万円→590百万円)が主因。
ただし経常利益106百万円には投資有価証券売却益53百万円・為替差益11百万円が含まれており、本業の収益力は限定的。2027年3月期は売上高705百万円(前期比2.8%増)・経常利益34百万円(同68.0%減)・当期純利益31百万円(同64.0%減)と大幅減益を予想しており、業績回復の持続性には不確実性が高い。
成長戦略
防衛・宇宙・車載等の特定市場集中とソリューション事業拡大・海外顧客開拓
単体IPライセンスから複数IPを統合したモジュール型ライセンス営業に転換し、受注単価・営業効率の向上を図る。2026年3月期においてソフトウェアライセンス事業売上高287百万円を計上し、AAC-LC/HE-AAC・H.264等の量産ライセンス獲得実績を積み上げた。
防衛装備向け映像伝送エンコーダ/デコーダ開発・LucidEye映像鮮明化装置販売・警察向け現場映像伝送システム・放送局向け低遅延送り返しシステム等のカスタム案件を継続獲得。2026年3月期ソリューション事業売上高204百万円を達成。2027年3月期予想は225百万円(前期比10.0%増)。
4K技術・ロスレス技術・H.265・スムージング技術を中心に、月面探査機・人工衛星・ドアホン等の高付加価値用途向けライセンス営業を展開。2026年3月期売上高193百万円。2027年3月期予想は265百万円(前期比37.2%増)と最も高い成長を見込む。
IP単独ビジネスが難しい環境変化に対応すべく、市場競争力を持つ新規IPの開発とシステム技術を駆使したソリューションビジネスの高度化を進めるとともに、海外顧客の開拓を継続推進する方針を掲げている。具体的な海外案件の開示は限定的。
最終更新: 2026年7月19日

